異世界隠密冒険記

リュース

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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編

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「マリア、お疲れさま。」

「お疲れ様ですわ、クロト。」


 二人は軽くハイタッチをした。

 以前までならこれで終わりだったのだが、今回からは違う。


「マリア・・・。」

「っ?クロ、ト・・・?」


 クロトはマリアを抱き締めた。


「なっ、何を・・・。恥ずかしいからやめてくださいまし・・・!」


 マリアは、口ではそう言っていても、まるで拒もうとしない。

 寧ろ、無意識のうちに、クロトの背に手をまわしていた。

 そして、クロトの胸に顔をうずめる。


(ああ・・・。幸せですの・・・。キスも・・・したい、ですわ・・・。)


 マリアは、クロトを上目遣いで見つめ、自然な流れで目を瞑った。

 程なくして、唇が触れ合う。


(もっと、欲しいですわ・・・。もっと、深く・・・。)


 脳がとろけそうな感覚に襲われながらも、先へ進もうとするマリア。

 クロトの舌に自分の舌を絡ませる。


「んんっ。んあっ。ああっ・・・!」


 甘い痺れが、マリアの背筋を走る。

 理性は消え、歯止めがきかないマリアは、自分の行いを顧みることも出来ない。


(もっと・・・クロトと交わりたい、ですの・・・!)


 マリアがその先を求めてしまうようになるまで、あっという間だった。


 クロトは、誇り高いマリアが我を忘れて自分を求めていることに興奮を覚えた。

 同時に、幸福感に満たされる。

 しかし、現在の場所は危険地帯。

 消えていきそうな理性をなんとかかき集め、マリアから離れる。


「ん・・・えっ、なんで、ですの・・・?やめないでくださいまし・・・!」


 涙目で懇願してくるマリアに、心揺さぶられるクロト。

 再び消えそうになった理性を強く意識して、マリアに伝える。


「今は、危険だから、駄目。また、あとで・・・してあげるから、ね?」


 クロトも少しだけ呼吸が荒いが、何とか言い切った。


「っ!分かりましたの・・・。約束、ですわよ・・・?」

「ああ。約束だよ。」


 そうして、苦労しながらも自分を抑えることが出来た二人。

 法理の種が生成されるのを、イチャつきながら待つのであった。









 そして、その時は来た。


 そこにあった小さな植物が、仄かに光りだす。

 その数秒後、花が咲いた。

 そして、その数分後、花が散り、種が生成された。

 クロトは用意していた容器にしまい、アイテムボックスへ収納。


「これで、防具の進化を依頼できる・・・。」

「おめでとうですの。わたくしもついて行って構いませんの?」

「もちろん。じゃあ、早速転移するから、掴まって?」

「分かりましたわ。」


 マリアはクロトに抱き着いた。

 そういう意味では無かったのだが、嬉しい誤算なので、何も言わずにおく。





 ドレファトの町へ転移してきたクロトとマリア。

 二人はグレンの工房へとやって来ていた。




「ついに集まったか。早速準備に入るが、問題はないな?」

「はい。どうぞよろしくお願いします。」

「ああ、任せておけ。最高の防具にしてみせる。」


 グレンは、いつになく気合が入っている。

 そうして、防具の進化準備が始まった。

 使用するのは・・・とにかく沢山だ。


 法理の種、大悪魔の翼、大天使の翼、悪の魂、魂の輪。

 聖結晶、天結晶、魔結晶、邪結晶。


 ここまでは予定通りだが、このほかにも色々追加するようだ。


 海底大魚の鱗、海結晶、海皇帝の心臓、大海結晶。

 森皇帝の皮膚、森皇帝の多重心臓、森林結晶、砂皇帝の砂、砂漠結晶。

 ヒュドラの再生皮膚、猛毒結晶、堕天使の翼、精霊の王冠、全剣帝の鎧。

 獣皇帝の複合皮膚、百獣結晶、フェニックスハート。

 その他皇帝種の素材が大量。


 本当に全部使えるのか不安になる量だが、グレンは出来ると言う。

 グレンが出来ると言うなら、クロトが心配することもないだろう。

 
 効果の予想だが・・・沢山あり過ぎなので、随時紹介する。

 例をあげると、精神攻撃無効や飛行性能大上昇、環境効果無効などである。

 

「それと、そちらが落ち着いたら、彼女の武具を頼みたいのですが・・・。」


 アクアやヴィオラ、エメラも三人は、既に武具を作成してもらっている。

 新たに恋人になったマリアの装備も頼んでおこうと思ったのだ。


「それは構わんが・・・一体何者だ?人間、では無いと思うが・・・。」


 なんと、マリアが人間でないことを見抜いてしまった。

 マリアが自分の事を説明しようと口を開くが、グレンがそれを押しとどめた。


「ああ、何も言わなくていい。クロトが連れてくる者であれば問題はない。」

「・・・よろしいんですの?」

「少し興味があっただけだ。言う必要はない。」



 こうして、神器の作成が始まったのだった。

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