異世界隠密冒険記

リュース

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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編

リュノアの実力

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 一方的に攻撃されるだけとなった水瓶。

 しかし、その防御は折り紙付きであるため、中々ダメージが入らない。


 その上、水瓶が、レアスキル「水瓶の摂理」の内にの、切り札を使用した。


 水瓶の中から、様々な姿をした三十体ほどの青い魔物たちが現れた。

 レベルは50~74と幅広いが、どれも皇帝種級。


「キュ!」


 リュノアが、敵のMPが無くなったことを伝えて来た。


 無意味に存在する、MPを使用する何かが、水瓶の摂理にはあるとは考えていた。

 そして、魔物の生成というのも、決して予想の範疇を出ない。


 この時の為に、わざわざ攻撃を仕掛けなかった二人が、術を発動させた。


「天神法術・天落世界!」

「天魔神法術・地落世界!」


 今回は合成魔法陣を発動させない。

 そこまでする必要も無いということだ。


 やや威力の弱い天落世界と、マリアの地落世界に挟まれた魔物たちは瀕死。

 倒しきれなかったのは、ダンジョン内だからだ。

 天落世界の効果が、低めだった。


 だが、意図してこの展開を作ったとも言える。

 もう一人、いや、もう一体、攻撃役が居るのだから。

 経験値を稼ぎたい攻撃役が。


「リュノア!黒炎吐息ブラックフレイムブレス!」

「キュキュキュ!」


 リュノアが、やや溜めの長い黒竜魔法を放った。


 途轍もない轟音と共に、青の魔物たちが焼き払われた。

 生き残りは居ない。


 スキルレベル2でこの威力。

 竜というのは尋常でない存在だと分かる。


「キュッ!」


 誇らしげな鳴き声を出すリュノア。

 とっても可愛い。

 とはいえ、後でクロトからお説教を受けるだろう。

 今回は問題ないが、戦闘中の油断は厳禁だ。


「キュッ!?」


 恐るべき竜感でそれを何となく察知したリュノアであった。




 ついに、文字通り打つ手の無くなった水瓶。

 カレンとナツメから次々と剣技を喰らう。


 それでも、HPは残り7割ちょっと。

 間に合わなくなるのも困るので、クロトとマリアも前衛に加わる。


「マリア、合わせて!」

「了解ですわ!」


 以前、堕天使「サマエル」にも使った、完全なる同時攻撃。


「極天龍一閃・神絶!」

「天魔神剣・楽園追放!」


 かつての上位互換の一撃が、同時に繰り出され、ほぼ同時に、同じ場所へ炸裂。

 水瓶にヒビが入り、HPが大きく削られ、残り一割未満。


「キュキュ!」


 そこへ、リュノアの尻尾による物理攻撃が入った。

 持ち前の膂力に竜力を加え、遠心力も加えた一撃。


 その一撃、ベビードラゴンテイルは、ヒビの入った部分に直撃。

 大ダメージを与え、水瓶を破壊した。

 能力値的には大きく劣るのに、ヒビが入っていたとはいえ、破壊してしまった。

 竜力の効果はかなり高いようだ。

 流石に、クロトの扱う龍力ほどではないようだが。


「キュオッ!」


 リュノアの勝鬨が、戦闘終了の合図となったのだった。











「リュノア、反省してね?」

「キュ・・・。」


 リュノアはしょんぼりしている。

 クロトに叱られたのが、よほど悲しいようだ。

 親代わりとはいえ、とてもよく懐いているいる証拠だ。


「クロトさん、出来れば、その辺で・・・。」

「分かっているよ。致命的なミスでもないし、お説教はここまで。」

「キュ!」


 クロトの許しを聞いたリュノアは、アクアの胸に飛び込んでいった。


「リュノアちゃん・・・!」


 アクアはリュノアを撫でまわしている。

 まるで母親のようだ。


 差し詰め、アクアが優しい母親で、クロトが厳しさも併せ持つ父親か。


 リュノアを可愛がるアクアを見て、クロトは思ったことを素直に口にした。


「アクア。母親になる準備は、既に十分かもね?」

「えっ?母親になる準備、ですか・・・?そうですね・・・?」


 イマイチ分かっていない様子のアクアに、クロトは分かりやすく教えた。


「子どもをつくって可愛がる準備ってことだよ。」

「えっ・・・・・・。クロトさんの、子ども・・・・・・あぅ・・・///」


 耳まで真っ赤になってしまったアクアを、クロトは優しく抱きしめた。

 そんな内容を臆面もなく言い放ったクロト。


 どんな精神構造をしているのやら・・・?




「クロト殿!?イチャついてないで解体を手伝って欲しいでござる!」


 そんなナツメの言葉を意図的にスルーして、アクアを抱き締め続けたのだった。

 照れたアクアが可愛すぎるのがいけなかった。









「せめて話を聞くでござる!もうじき魔法陣の効果が切れるのでござろう!?」


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