異世界隠密冒険記

リュース

文字の大きさ
241 / 600
第二部「創世神降臨」編

二つの再会?

しおりを挟む
 クロトはリュノアと戯れた後、今回の戦利品を確認。

 いつも通りの星天結晶と、やはりアーティファクト。


 名称・レオの獣牙

 所持者のレベルより相手のレベルが低いと、速力が三倍になる。

 所持者のレベルより相手のレベルが高いと、速力が三分の一に。


 やはりピーキーな性能である。

 これに頼りたくなる状況なら、大抵相手の方がレベルが高いというのに。


 クロトは、これもグレンに丸投げしようと決め、転移魔法陣に乗った。






 すると目の前には魔王改め邪神カリスが居た。


「「・・・・・・は?」」


 両者とも、全く予想していない邂逅だったようである。


 先にクロトが我に返った。


「やあ、カリス。元気そうだね?」

「ほう・・・私が元気そうに見えるか?」

「全然そうは見えないけど?」

「そうであろうよ。貴様の置き土産で喰らった傷が、まだ治っていないからな。」


 カリスの全身には、治療の跡が垣間見える。

 消耗した状態で大爆発を喰らったのは、かなり痛かったようだ。


「そうなんだ・・・それは重畳だね。」

「貴様は・・・この場で殺す。」

「それは・・・今の君では無理なんじゃないかな?」


 カリスは邪神となったが、傷のせいで、力を発揮できない。

 クロトが神界突破を使えたら、勝てるくらいには。

 そしてカリスは、クロトが神界突破を使えないことを知らない。

 つまりは、ブラフということだ。


「ああ、そうだな。・・・今回は見逃しておく。」

「それはありがたいね。ところで、こんなところで何をしてるの?」

「貴様に教えてやる義理は無い。」

「まあ、大体分かっているから別にいいけ・・・っと。危ないよ、カリス?」


 カリスが斬りかかって来たので、間一髪それを回避したクロト。

 無言で斬りかかってくるカリスの攻撃を回避、回避、回避。

 やはり、かなり動きが鈍い。

 この状態でもS+ランク冒険者よりも強いのだが、クロトが相手では不足。


 クロトも剣を抜いて応戦。


 数合、剣を打ち合った後、ようやくカリスは剣を引いた。


 そして・・・


「次に会った時は、殺す。」


 ・・・と、言い残して、転移で去って行った。



 嵐のようだったなと思いながら、クロトも町へ転移して行った。






 レオの獣牙は防具に組み込まれ、任意で数秒間、速力二倍の効果がついた。

 本当にグレンには頭が上がらないクロトであった。






「あっ、クロトじゃない!」

「ちょっ、ディアナ先輩・・・急に走り出さないでください・・・。」


 ドレファトの町を歩いていたクロトの前に現れたのは、ディアナとアイシア。

 ソーラドールの町を拠点にしていたはずの二人だ。


「ディアナ、アイシア、久しぶりだね。」

「ええ。久しぶり、クロト。」

「お久しぶりです、クロトさん。」


 クロトは挨拶を交わして、二人を見る。


 ディアナはAランクに昇格したが、さらに強くなっている。

 とはいえ、まだA+ランクの領域には遠い。


 アイシアは、現在Cランク冒険者だが、Bランクの上位くらいはある。

 A-ランクへ届くのも時間の問題かもしれない。


「・・・何なの?じっと見つめて。」

「いや、随分強くなったと思ってね。」

「ふふん!ま、まあね!」


 ディアナは得意げな顔をしている。

 若干だが、慢心の色が見えるので、矯正を試みるクロト。

 普段はそんな面倒なことをしないのだが、相手はあのディアナ。

 結界の件でも力を借りたので、それくらいは良いだろうという判断だ。


 どんな方法が良いかと考えてみると、すぐにいい手を思いついた。


「駆け出しの頃、まんまと騙されて襲われかけたのとは大違いで・・・。」

「ああああっ!何を言うのよっ!せっかく忘れ掛けていたのに!」

「えっ!?どういうことですかディアナ先輩!そんなことが・・・!?」

「ちょっと!?アイシア、落ち着いて!?」


 アイシアはそのことを知らなかったようだ。

 勢いよくディアナに詰め寄っている。


 ようやくアイシアが落ち着いてきたころ、今度はディアナが猛りだす。


「クロト!なんであのことを話したのよ!?」

「何でと言われても、ディアナが慢心していたからとしか言えないかな。」

「・・・えっ?」


 てっきり禄でもない理由だと思っていたディアナは面食らう。


「私は・・・別に慢心なんてしてないわ!」

「本当に?最悪その瞳があれば、何とかなると思ってない?」

「っ、それは・・・。」

「魔法を物理属性に傾ける敵なんて、この先は沢山出てくるよ?」

「・・・・・・。」

「今のうちに、ソレに頼り過ぎない戦い方も見つけておくと良いよ。」

「でも、私にはこれ以外、取柄なんてないのよ・・・。」


 ディアナはそう言うと、落ち込んでしまった。

 慢心は砕かれたようだが、この様子では、励ます必要がある。


「取柄が無いなら努力するしかないよ?落ち込んでいても何も変わらない。」

「・・・出来るかしら、私に。」

「間違いなく出来るよ?」

「・・・えっ?」


 曖昧に返されると思っていたところを断言され、唖然とする。


「ディアナは、努力すれば力がつく。僕が保証するよ?SSランクの僕が、ね。」

「・・・・・・分かった。私、やってみるわ!アイシア、行くわよ!」

「あっ、待ってください!クロトさん、ありがとうございました!」


 そうして二人は去って行った。

 アイシアのお礼は・・・そういう意味だろう。

 クロトの現れる可能性が高いドレファトを訪れていたのも納得だ。


 中々に良いコンビだと思いつつ、クロトはその場を去った。

しおりを挟む
感想 1,172

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。