異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

乙女の効果?

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 星十二天「乙女」を、能力値で大きく劣っていながらも倒したクロト。

 最近はクロト自身が強くなっているため、減ってしまっていた戦い。

 初心を思い出す良い戦いだった。


 クロトはそう考えた後、一息ついて、解体を始めた。




 名称・ヴァルゴの翼

 乙女が所持することで、魔力が二倍になる。

 乙女以外が所持すると、魔力が半減する。


 乙女から手に入ったアーティファクトが、ヴァルゴの翼、だ。

 そういえば魔法タイプであったはずの乙女。

 切り札のためにMPを温存していたのだと予想しつつ、効果を確認。


「・・・・・・・・・・・・。」


 クロトは、何故か自分の魔力が上昇しているのを認識し、沈黙。









 数秒後、ヴァルゴの翼を全力で投げ捨てた。








 その後リュノアが、「勿体ないよっ!」と言いたげに回収してきた。

 再び捨ててやりたい衝動に駆られたクロトだが、リュノアに悪いので自重。

 翼はアイテムボックスに放り込まれた。
 








 グレンの工房にて。



「・・・お前さん、女だったのか?」

「・・・僕が、女に見えますか?」


 珍しく、驚愕で目を見開いたグレンが、そんな質問をした。

 クロトは明確な回答をせず、敢えて尋ね返した。


 グレンは、翼が正常に作動しているのを、再度確認した後、答えを出した。


「・・・女だな。なぜなら翼が・・・っ!待て!何のつもりだ!?剣を仕舞えっ!」



 クロトはグレンに襲い掛かった!









「・・・誤解して済まなかったな。」

「・・・いえ、こちらこそ済みませんでした。」


 誤解が解けて、剣を収めたクロト。

 グレンは冷や汗をかいている。


「それにしても、死ぬかと思ったぞ。」

「グレンさんなら平気かと思いまして・・・。」

「俺は戦闘タイプでは無い。第一、戦闘タイプでもお前さんの相手は辛いだろう。」

「そうでしたか・・・。」


 グレンは汗を拭き、気をとり直して翼の話を始めた。


「なぜ翼が誤作動したのかは分からん。だが好都合だ。」

「・・・僕が女に間違えられるのが好都合だと?」

「違う!最後まで話を聞け!それと、その顔をやめろ!?」


 どうやら、クロトの顔はかなり迫力があったようだ。

 クロトは平常心に戻るようにつとめた。


「・・・そのまま魔力二倍の効果を組み込める以上、それは好都合だ。」

「そう、ですね・・・。」

「早速取り掛かる。法衣を貸せ。」

「分かりました。」


 釈然としない思いを抱きながらも、神天魔の法衣を手渡すクロト。


 そして、グレンからもう一つ大事な話を聞くことになった。


「そういえば、お前さんの必要としていた神結晶が手に入った。」

「神結晶が・・・。出所はやはり、ヘキサアイズですか?」

「そうだ。神格を持つ者から手に入る代物のようだ。」


 クロトはそれを聞いて、ポツリと呟いた。


「どこかに野良神が居ないかな・・・?」

「お前さん、さらっと恐ろしいことを言うな・・・。」




 その後、無事に神天魔の法衣への組み込みが終わった。

 結果的に、筋力、防御力、魔力、速力の四つを、任意で二倍に出来るように。

 四つ同時に使用するのが基本で、この効果には別名が付けられた。


 その名も、星天装。

 HP、MP、運以外の能力値を、全て二倍にする。


 ヴァルゴの翼の誤作動のおかげで出来た装備効果だ。

 転んでもただでは起きないとは、こういうことを指して言うのかもしれない。


 試しに星天装を使用してみると、体がほんのりと金色に光った。

 能力値も二倍になっており、大満足、なのだが・・・。


「グレンさん、なぜ髪が白くなって、その上、伸びるのでしょうか・・・?」

「・・・分からん。そんな機能は入れていないはずだが・・・。」


 完全なロングヘアになったクロト。

 より一層、女性に見える容姿となってしまった。


 その後の検証で、瞳の色も白に変えられることが分かった。

 そして、瞳と髪の色は、白と黒を自由に切り替えられる。

 白と黒による違いは、今のところ、定かではない。


 なお、髪の長さは、変えられなかった。

 全くもって謎な効果になってしまったようだ。


「何故こんなことに・・・。確かに乙女の髪は白でしたけど・・・。」

「俺にも分からん。神水晶を使ったのが原因かもしれんが・・・。」


 結局、確かなことは分からず仕舞いとなってしまった。


「そういえば、地底樹についてはご存知無いのですよね?」

「ああ、長く生きて来たが、聞いたことも無い。世界樹なら知らんでもないが。」

「となると、ドワーフは関係ないのかもしれませんね・・・。」


 クロトはグレンでも存在を知らないという事実に頭を抱えたのだった。

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