異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

プロローグ21

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 クロトはこの日、ドレファトの町へやって来ていた。

 目的は、天の塔。




「お久しぶりです、アリスさん。」

「ええ・・・。本当に、久しぶりね・・・。」


 かれこれ長い間会っていなかったこの二人。

 お互い、色々と忙しかったので、会う機会が無かったのだ。

 クロトがドレファトの冒険者ギルドへ来るのも久しぶりである。


 近況を報告し合い、本題に入る。


「確か、天の塔だったわね。こちらも細々した問題は片付いたわ。」

「そうですか。では、もう挑戦しても?」

「ええ、問題は無いわね。」

「大変面倒をお掛けしました、アリスさん。」

「いいのよ。それが私の仕事なんだし。」


 クロトはその後、雑談をするでも無く、すぐに天の塔へ向かった。


「はぁ・・・。私がうだうだしている間に、そんなに婚約者が・・・。」


 アリスは暫くの間、仕事が手につかなくなってしまったのだった。








 天の塔1F

 そこはエントランスのようになっており、とてもダンジョンとは思えない。

 だがしかし、紛れもなくダンジョンである。

 しかも、最高難易度の。


 そんな場所に、偵察がてら訪れた。

 星十二天のレリーフや紋章が描かれている天井を見上げ、しばし立ち止まる。

 この先に、どんな場所が待ち構えているのか、楽しみで仕方が無いクロト。

 
「・・・そろそろ行こうかな。」


 クロトはそう呟いて、エントランスを後にし、先へ進んだ。








 少し進んだ先にあったのは、金色の小部屋。


 1F エントランス
 2F~5F 天蠍の試練
 6F~9F 獅子の試練
 10F~13F 乙女の試練
 14F~17F 射手の試練
 18F~21F 双魚の試練
 22F~25F 牡羊の試練
 26F~29F 山羊の試練
 30F~33F 天秤の試練
 34F~37F 双子の試練
 38F~41F 牡牛の試練
 42F~45F 巨蟹の試練
 46F~49F 水瓶の試練
 50F 十二星座の試練


 壁にはこんな内容が掛かれており、非情に親切なことだ。


 また、部屋には十二か所の上り階段が存在している。

 どこから挑んでも良いということだろう。


 正面にある十三番目の階段だけは、閉ざされている。

 50Fに続く階段なのでは無いだろうか。


 部屋の中央には台座があり、十二か所に球形の溝がある。

 大変分かりやすく、いかにもといった仕掛けだ。


「とりあえずは、天蠍の試練から行ってみようかな。」


 順番にこだわりは無いので、下からということだ。

 クロトは蠍の紋章が傍にある階段を上り始めた。










 天の塔2F


「いきなり毒の海・・・?」


 クロトの言葉通り、階段を上った先には、毒で満たされた海のような場所が。


(神の瞳では、大量の魔物が毒の中にいるみたいだけど・・・。)


 毒の上を飛行中に襲われそうな予感しかしないが、他に道も無い。

 クロトは純白十二翼を生成して、毒の上をを飛び渡り始めた。


 すると、毒の中から毒を噴射する攻撃が次々と放たれた。


 大量の攻撃を全て回避しながら先へ進むクロト。

 問題なく反対側の岸へ着陸した。


 とても簡単にこなしたように思えるが、本来、とても厳しい場所のはずだ。

 クロト以外に無傷で越えられるのは、アクアとエメラだけだろう。


 クロトの目の前には上へ登る階段と、魔物。

 解析ではスコルピウスガード、レベル75となっている。

 レアスキル「天蠍の守護者」を保持しているが、大したことは無い。

 小手調べといったところか。


「神天八奏連閃・龍絶」


 一瞬で姿を消したクロトは、すれ違いざまに八連撃を放ち、敵を絶命させた。



 天の塔2F クリア








 天の塔3F




 2階層に来たクロトの前には、何の変哲もない通路が存在した。


 ・・・否、解析の結果、とんでもないことが分かった。

 なんと、一定時間以内に通路を抜けないと、通路が毒で満たされてしまうらしい。


(神の瞳の解析能力が無ければ、のんびり進んでお陀仏だったかもね・・・。)


 危険なダンジョンだからこそ慎重に進みたいという思考を逆手に取った罠。

 とことん悪辣な仕掛けであるが、これでこそレベル10ダンジョン。


 時間制限に直すと、二キロほどある通路を五分以内。

 初めから仕掛けが分かっていなければ、クリアできない制限である。

 なにせ、途中に天種級の魔物も存在しているのだから。

 ちなみに、空を飛ぶと元の場所に戻される仕組みもある。


 クロトの作戦はただ一つ。


(全力で駆け抜けながら、魔物も斬り捨てて収納で。)


 途轍もなく難しい事をさらったやってのけようとするクロト。

 覚悟を決め、助走をつけ、通路に足を踏み入れた。

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