異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

探索終了と橙結晶

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 戦闘を終えたクロトたち一行は氷天神殿の中で小休止をしていた。

 全員のんびりしており、ヴィオラに至っては横になっている。


「アクアっ、なんて魔法を使ってるんですのよっ!危なかったですわよ!?」

「すみません・・・余裕が無かったもので・・・。」

「えっ、あっ・・・!」


 申し訳なさそうにするアクアにマリアは慌てさせられた。

 自分たちでは勝てない相手と戦っていたのだから、文句を言う資格など無い。

 それに、責めたかったわけでもないのだから。


「今のは忘れてくださいましっ!お疲れさまですわ、アクア!」

「はい、忘れました。お疲れ様です、マリアさん?」

「なっ・・・!?」


 表情を一転させてニコニコし始めたアクアを見て、揶揄われたことに気づいた。

 口をパクパクさせているマリアは実に面白い絵面だ。


 アクアも、仕方のないことだったとはいえ、ちゃんと反省はしている。

 だが、誰が龍と戦っていたアクアを責められようか。


「・・・よし。そろそろ探索を再開するよ。」


 全員が一休み出来た頃を見計らって、声を掛けるクロト。

 探索すべき場所は・・・橙輝竜の巣である。











「やはりありましたね、外側の世界への出入り口が。」

「まあ、そうだろうとは思っていたけど、予想を裏切らないね。」


 橙輝竜の巣があった場所には、外側の世界への門があった。

 そして、時折門の中から魔物が現れる。

 また、橙色の門を通ると橙色の魔物になるということが観察して分かった。

 橙輝竜は例外かもしれないが。


「深橙龍がこちら側にいたのは、ある意味偶然だったのね?」

「そういうこと。もっとも、必然であるともいえるんだけど。」


 長い年月を経れば、魔物には一方通行の門の内側に深橙龍が来てもおかしくない。

 寧ろ、自然のことかもしれない。


 アクアとクロト、セーラがそんなことを話している間に、新たに魔物が内側へ。


「ん・・・。風雷神剣・万断」

「天紫剣・春夏秋冬」


 現れた橙の主はエメラとヴィオラによって、すぐさま討伐された。

 色系主との戦い方がすっかり手慣れているのが窺える。


 マリアはそそくさと解体を始めて橙結晶を入手。

 彼女はその手の雑用が結構好きなのだ。


「それじゃあ・・・魔法陣で門を封鎖して、掃討戦といこうか。」


 今回の探索目的を果たすべく、全員が動き始めた。








 クロトがわざわざ黄昏の門内部に侵入したのは、ちゃんとした目的がある。

 その目的とは、黄昏の門による危険の排除を達成することだ。


 いつどこに開くか分からず、人々を脅かす門を排除したい、というのは建前。

 単純に財閥にとっての不確定要素を排除しようとしただけなのだ。

 もちろん、橙結晶の確保も目的の一部であるが。


 というわけで、クロトが門を封鎖している間、他の面々は掃討戦を行う。

 端的に言えば、橙色の世界にいる魔物を皆殺しにするのだ。

 その上で外側の世界との繋がりが無くなれば、黄昏の門の危険を排除できる。


「天神魔法・神雷竜巻!」


 アクアが放った雷の竜巻で橙輝竜の残党がズタボロに焼け焦げた。


「天紫剣・春夏秋冬!」


 ヴィオラの因果誘導剣でオレンジオークエンペラーは首を刎ねられた。


「風雷神剣・万断!」


 エメラの概念切断で橙の主は無力化され、直後の一撃で仕留められた。

 マリア、カレン、ナツメ、セーラも、各々魔物を仕留めていく。


「天魔神剣・境界崩壊!」

「絶剣九曜連閃・逆流!」

「抜刀神術・飛燕十六連!」

「深緑剣・森神刃!」


 そうしてオレンジの魔物たちは次々と仕留められていった。


 掃討開始から二時間後、全ての魔物が討伐され、クロトたちの目的は達成された。










「・・・と、いう訳で、マリア以外には報酬があるよ。」

「どういう訳ですのっ!?」


 久しぶりにこのセリフを言った気がするな、と思いつつ、マリアは叫んだ。


「どうもこうも、マリアは無職だし。」

「それとこれとは別問題じゃありませんことっ!?
 というか、いつまでそのことを引っ張るんですの!?」


 いい加減無職呼ばわりが心にくるようになったようだ。

 素直に冒険者になれば良かったのだろうが、それを言っても詮無きこと。

 クロトは苦笑しながら説明を開始する。


「冗談はさておき、これはギルドからの報酬だから、マリアには無いんだよね。」

「・・・ああ、そういうことですの。」

「その分、僕から報酬があるから、期待していてね?」

「・・・期待しておきますわ。」


 マリアは顔がにやけそうになるのを必死で堪えつつそう言った。


「・・・マリア、期待しててとは言ったけど、僕が何かしてあげる訳ではないよ?」

「・・・ッッ!?」


 知らず知らずの内に、そういう方向の報酬を期待してしまっていたマリア。

 クロトの指摘で勘違いに気づいて、耳まで真っ赤になった。


 アクアたちは揃って、その様子を温かい目で見守るのだった。

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