異世界隠密冒険記

リュース

文字の大きさ
582 / 600
第三部「全能神座争奪戦」編

魔箱の中身とランク分類

しおりを挟む
 銅色の<探究者の魔箱トレジャーボックス>の中には、合計十個のアイテムが入っていた。
 具体的には、剣、槍、鉱石、手袋、小瓶、ブーツ、マント、首飾りなど。


「解析鑑定は僕に任せてもらってもいいのかな?」

「いいわよ?クロトが一番、解析眼に優れているんだから。皆もいいわよね?」


 アヤカが代表で答え、その問いかけに他の者も頷いた。

 一応、アヤカとシロナは解析もそこそこできるのだが、クロトには及ばない。
 騙される可能性も低いのだし、任せるのがいいと考えるのが自然だろう。

 それに、クロトの持つユニークスキル〖神の瞳〗は、外側の世界においても最高クラスの解析性能を持っている。解析を生業にしている以上はタダという訳にもいかないし、わざわざ信用できるか分からない第三者に任せる必要はないのだ。

 そういう訳で、クロトは一つずつ鑑定解析を開始。
 まずは、一番目立つ赤い色をした大きな剣から。


「この剣は・・・ん? ランクは固有級ユニーク。銘は<緋炎の剣>。所持者は火に対する親和性が上昇する。このユニークというのは何だろう?見たことないんだけど。」

「へっ? あっ、クロトはまだこっちに来たばかりだから知らないんだった!」


 まだ再会して間もないというのに、すっかり長々と、こちらで一緒に過ごしたのだと思い込んでいたようだ。
 シロナはうっかりしていたとばかりに頭を押さえ、説明を開始。


「では、説明しようっ! まず、アウターワールドにおいてアイテムは六段階に分類されるんだけど、その分け方というのが――――」


 ノリノリだったシロナの説明を要約すると、こうなる。
 アイテムのランクは全部で七段階。(定説)
 下から順に、

 <通常級ノーマル
 <一般級コモン
 <希少級レア
 <固有級ユニーク
 <伝説級レジェンダリー
 <幻想級ファンタズマ
 <神話級ミソロジー

 例えば、ゴブリンの角やオーガの角などは<通常級>で、魔物でいう天種以上の素材はおおよそ<一般級>となる。

 アーティファクトはモノによるが、最低でも<希少級>。
 場合によっては<固有級>か<伝説級>になる。
 とはいえ、<伝説級>のアーティファクトなど殆ど無いらしいので、貴重なアーティファクトは大抵<固有級>と言ってもいい。

 他にも例を挙げると、ケルベロスのような見た目をしていた地獄の主の素材だと、部位にもよるが大部分は<伝説級>。

 俗に言う<神器>の類は、最低でも<伝説級>で、大抵は<幻想級>となる。
 場合によっては<神話級>ということも。

 なお、<深紅鬼>や<溶岩竜>の素材だと大半は<固有級>という評価になる。

 ランクがどのように決められているのかは不明。


「――――と、こんな感じかなぁ。まあ、一説では<神話級ミソロジー>よりも上のランクがあるという話なんだけど、その<神話級>アイテム自体殆ど無いのに、雲を掴むような話だよねぇ・・・。」

「ふーん・・・概要は分かったよ。それじゃあ、鑑定解析を再開するね。」


 クロトは情報を頭に入れた後で、鑑定を再開。
 次に手にとったのは、黒い槍。


「この槍は・・・固有級ユニーク。銘は<暗黒投槍・常闇>。この槍で貫いた相手に精神ダメージを与える効果がある、と。」

「クロトの戦っていた<暗黒狼>の咆哮効果に似てるわね?」

「そうだね。多分、中身は現れた魔物と部分的に関連してるんだろうね。」


 クロトはそんな推測を口にしつつ、次のアイテムを手に取った。
 鮮やかな色をした鉱石を手に取って、神の瞳を使用。


「この鉱石は・・・やっぱりプリズム鉱石だね。ランクは<固有級ユニーク>。道理で見たことがあると思った。僕が持ってるのよりも質が低そうだけど。」

「プリズム鉱石かぁ・・・懐かしいなぁ。私の運をもってしてもかなり探すのに手間取ったのは、今となってはいい思い出かなぁ・・・?」


 シロナが感慨深そうに鉱石を見つめている傍で、残りの四人は首を傾げている。
 どうやら<プリズム鉱石>という素材自体、初めて耳にしたらしい。

 彼らを無知と非難してはいけない。
 超越者と言えど、普通は何でもかんでも知っている訳ではないのだ。

 特にこの鉱石は、質によっては<伝説級>の素材になる上に、宇宙から飛来してくる分を除くと、もはや内側の世界には存在していないのだから。

 何故内側に存在していないのかというと・・・。


「皆が知らないのも当然! 全部私が回収して神器作製で使い潰しちゃったし!」

「何てことしてくれてるのっ!?独占はズルいわよっ!?」

「あははははっ・・・てへっ。」


 プリズム鉱石が異様に希少なのはシロナが原因だったらしい。

 アヤカたちもそうだが、クロトでさえ頭を抱えている。
 運よく(?)宇宙から降ってきたからいいものの、そうでなければ非常に困った事態になっていただろう。

 クロトといえど、頭を抱えたくもなる。

 とはいえ、責められることでもないので、諦めて次の鑑定へ移るのだった。

しおりを挟む
感想 1,172

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。