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笑顔と表と心
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私は今、生きている。蒸し暑い町を制服で歩き、帰宅途中の中ふと私はそう思う。それと同時に、なぜ私はこんなにも目が眩むような毎日を送っているのかと疲れきった頭でよく考えるようになった。いくら考えても、いくら文や言葉にしても行動に起こさなければならないとわかっているのに。
気づけば私はクラスの中立にいた。室長ではないが、案を出したりまとめたり。そんな立ち位置。なかなかに楽しい事もあるがそれ以上に神経のつかうものが多かった。ある時は、いくら待っても決まらない体育祭の色々。またある時は、クラスメイトからの要望を聞いたり。怒りたくなることも沢山あった。でも、決して笑顔を消すことだけはしなかった。クラスに、学校に、外に、いる時は「表」を忘れないようにしていた。しかし、それが悪かったのだろう。しばらくして私は体調をよく崩すようになった。頭痛、目眩、酷い時は吐き気まで。それでも私は学校に生き続けた。その結果が今である。不調は感じなくなってしまった。どこからどこまでが表なのかも。もう、全てに疲れてしまった。家にも帰りたくない。いつしか、私が安らげる場所など一つしかなかった。
強い風が一回、私の背中を押してくれたんだ。もういいよって、私を優しく押してくれたんだ。
最期に見た青く晴れた空はとても綺麗で、鮮やかで、私の心も自然と軽くなっていった。私は今、生きていた。
気づけば私はクラスの中立にいた。室長ではないが、案を出したりまとめたり。そんな立ち位置。なかなかに楽しい事もあるがそれ以上に神経のつかうものが多かった。ある時は、いくら待っても決まらない体育祭の色々。またある時は、クラスメイトからの要望を聞いたり。怒りたくなることも沢山あった。でも、決して笑顔を消すことだけはしなかった。クラスに、学校に、外に、いる時は「表」を忘れないようにしていた。しかし、それが悪かったのだろう。しばらくして私は体調をよく崩すようになった。頭痛、目眩、酷い時は吐き気まで。それでも私は学校に生き続けた。その結果が今である。不調は感じなくなってしまった。どこからどこまでが表なのかも。もう、全てに疲れてしまった。家にも帰りたくない。いつしか、私が安らげる場所など一つしかなかった。
強い風が一回、私の背中を押してくれたんだ。もういいよって、私を優しく押してくれたんだ。
最期に見た青く晴れた空はとても綺麗で、鮮やかで、私の心も自然と軽くなっていった。私は今、生きていた。
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