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7章

90 元気付け大作戦

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キラティア 視点

突然だがいつもより早く帰って来たリリ姉ちゃんが泣いてルナママに抱きついているところを見ているティーちゃんです。

心配だ…
くーちゃんも心配?
そーだね。

…よし!喜ぶ物をあげて慰めてあげよう!

おー!!

「うー!!」

作戦その1

とてとてとてとて…

「ねね!」

「ティーちゃんとくーちゃん?どうしたの?」

僕達はリリ姉ちゃんの部屋を訪れた。
まだ、目が赤いね。
くーちゃん出番だ!

「う!」

プチッ!

「あい!」

僕のアホ毛を抜いてリリ姉ちゃんに渡した。

「えっと…ありがとう?これどうしよう…」

使い方がわからないのか!
くーちゃん!お手本見せるよ!

プチッ!プチッ!

更にくーちゃんは僕のアホ毛を2本抜き、僕達の手に1本ずつアホ毛を握りしめた。

せ~の!
ジュパジュパジュパジュパ…

「…これじゃぶるの?」

元気出るよ!

リリ姉ちゃんは恐る恐るアホ毛を口に入れた。

カリッ!

「甘い!それに力が出る!ティーちゃんくーちゃんありがとう!」

元気が出たようで良かった!

よし!次だ!

僕達はリリ姉ちゃんの部屋を後にした。


作戦その2

くーちゃんを上に乗せ森に来ているティーちゃんです。
リアママに外に出ることを言っているので怒られません!
外に出たのはリリ姉ちゃんに毛皮をプレゼントする為です。

今回は強い飲み物でなく、珍しい飲み物を探すので僕の感知は役に立たない。
というわけで、精霊さん案内よろしく!
お代はアホ毛で!プチッ!

案内する精霊さんについて行くと、ププちゃん親子がいた。
ププちゃんのママですか…ども、ププちゃんの友達のティーちゃんです。
実は珍しい飲み物を探しに来たの。
楽しそうだからププちゃんもついて来る?わかった!

ププちゃんのママ!バイバイ!

で、精霊さん!珍しい飲み物はどこ?
え?ププちゃんなの?
…他でお願いします。

とてとてとてとて…
次はここ?
キョロキョロ…あれかな?

木の上に体が茶色、首元が黄色、顔中白い毛で覆われた、おさるさんがいた!
大きさは僕らと変わらないね。

さてどうやって飲もう?
アホ毛はさっき抜いたからまだ届かない…

ん?ププちゃん?おさるさんに投げて?
いいの?
気を付けね!

僕はププちゃんをアホ毛で持ち、おさるさんに向けて投げた!

ピュー!!

方向高さ良し!

ププちゃんが空中でおさるさんを蹴ってる!
ゲシゲシ!

あ!おさるさんが落ちた!

オーライ!
僕はおさるさんが落ちる地点で待っていた!

うきゃ!?
ウッキー!!バリバリ!

おさるさんが絶望した顔からやる気の顔になり、電気を僕にぶつけてきた。
ババババババババ…

おおおおお!痺れる!
だが、ガシッ!

僕は驚きながらもおさるさんを捕まえた。ふふふ、僕の力の前で逃げられまい…リアママには負けるけどね!
おぉ!くーちゃん見て見て!ビリビリで身体がプルプル震えるよ!面白い!

さて、遊びは終わり!いただきます。あーん!パク!

ウッキャー!!
おさるさん!逃げようとしても無駄だよ!
もう飲み始めちゃった!

ゴキュゴキュゴキュゴキュ…
ピリピリしたぶどう味!うまうま!

ケプ!

毛皮完成!ごちそうさまでした。触り心地良し!いい毛皮をありがとう!
僕の手にはふかふかのおさるさんの毛皮があった。

くーちゃんプレゼント出来たよ!帰ろ!

ププちゃんもお疲れ様!ケガはない?そうよかった!
これから僕達帰るけど来る?お家に帰るの?気を付けて帰ってね。じゃねー!

精霊さんもありがとね!また、必要なときに頼むよ!じゃ!

しかし外が暗くなって来た!
くーちゃん乗って!乗って!帰るよ!

毛皮良し!
くーちゃん良し!
全速力だ!

カサカサカサカサ…

こっち!

カサカサカサカサ…

ん~…こっち!

カサカサカサカサ…

!?この木を曲がって!

カサカサカサカサ…

ついた!ただいま!

「あうわー!」

「あら!ティーちゃんとクリスちゃんお帰りなさい。ずいぶんと汚れているわね。お風呂に入りましょうね。」

そうだね!でも、リリ姉ちゃんにプレゼントあげたい!

「あら?なにか持っているわね…袁雷の毛皮!?
え!?本物?リア!来て!」

少ししてリアママが来た!

「ルナどうしたの?あ!ティーとクリスおかえり!」

ただいま!

「これ見て、袁雷の毛皮かしら?」

「ティー、それを見せてくれない?」

…リリ姉ちゃんにあげるからやー!

フルフル!

「見るだけだからね!」

しょうがないなぁ…少しだけだよ!

僕はリアママに毛皮を渡した。
リアママは毛皮を隅々まで見て返してくれた。

「魔石が中にあったわ!たぶん本物ね…シュガーラビットくらい珍しい魔獣よ。あたしも始めて見たわ。」

「運気を引き寄せるという袁雷の毛皮…売ったらいくらかしら?
大金貨10枚からよね。ティーちゃんそれどうするの?」

「ね・ね!」

「リリスにあげるの?高価過ぎない?」

子供なので価値がわかりません。
あげたいからあげるの!もう行くから!じゃ!

カサカサカサカサ…

「行っちゃった…しかし、シュガーラビットに袁雷か…そのうち万年茸でも見つけそうね。」

「だと助かるわ!」

さて、リリ姉ちゃんの部屋まで来た!
まずはノック!

ペチペチ!
ペチペチ!

ドアが開いた!強く叩き過ぎた!
イスに座ってこちらを見ているリリ姉ちゃんと目が合った。
あ!毛皮丸見えじゃん!
…早く渡そう!

「あい!」

「ティーちゃんこれ何?くれるの?」

コクン!

「ありがとう!すごいふかふか…気持ちいい!
ティーちゃんとクーちゃん!これ大事にするね!」
ナデナデ…

むふぅ!元気になったみたいだね!くーちゃんやったね!!

元気が出たようで良かった!
くーちゃん!ママたちのところに戻ろう!

さぁ!お風呂だ!
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