転化オメガの優等生はアルファの頂点に組み敷かれる

さち喜

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番外編

僕たちの蜜月⑤

 食事を終え、身体と心をごまかすように少し課題をした。來も付き合ってテーブルについてくれる。それから順にシャワーを浴びた。
 その時が近づいてくるのが、どうにも待ち遠しくて苦しい。
 普段よりずっとドキドキするのは、誰にも遠慮なく抱き合えるという期待からだろうか。ヒート中のセックスへの期待だろうか。
 もう何度も來と抱き合っているのに、初めてのときみたいに胸が高鳴る。

「お待たせ」

 先にシャワーを浴び、ソファで読書をしていると、來がバスルームから出てきた。濡れ髪にどきりとする。いつも見ているのに。

「何か、飲む? 炭酸水とか」
「いい。……聖利」

 來が言葉を切り、そっと目を伏せる。

「結構限界かも。おまえの甘い匂い、どんどん強くなっていってる」

 どきりと心臓が跳ねた。期待はしている。だけど、そんなに変化があるものなのか。自分ではまったくわからない。

「抱きたい」

 來が真っ直ぐにこちらを見た。聖利は立ち上がり、そっと両腕を広げた。おいで、の意味だ。
 來が大股で駆け寄るように近づき、聖利を抱きすくめた。そのまま抱き上げられ、ベッドルームへ運ばれる。

「キス、しよう」
「ああ」

 お互い、余裕なく唇にむしゃぶりつく。口を大きく開け、ねっとりと舌を絡ませ合い、強く吸う。唾液が蜜のように甘い。
 キスを交わしながら、來が聖利のシルクのパジャマをするすると脱がしていく。あらわになる素肌を指先がたどるのを、待ちわびている。

「ん、んん、來、そこ」
「くすぐったい?」
「なんか変な感じ」

 胸の突起も耳朶もうなじも、いつも刺激されているのに、今日は指先がかすめるだけでびりんと電流が奔るみたいだ。

「んう、あう、やあ」
「声、可愛いな。もっと聞かせて」
「あ、來、だめえ」

 來がつんと立ち上がった胸の突起にむしゃぶりついた。いっきに強く吸われ、びくんびくんと身体がわななく。

「ふあ、あああっ!」

 あられもない声が口から溢れ、慌てて手で押さえる。しかし、その手も來に外されてしまった。

「たっぷり啼かせるから。我慢すんなよ」
「らい、だめ、なんか、きょう、変だから、だめ」
「変じゃないだろ。聖利のバキバキに硬くなってるけど?」

 するりとペニスを下着越しに触られ、自分が痛いくらいに勃起していることに気づく。まだろくに触れ合っていないのに、どうしようもなく昂っている。
 感覚が鋭敏で、ちょっとの刺激で死にそうに感じる。
 來が舌で聖利の上半身を味わっていく。鎖骨や脇、腹、唇と舌がたどるたびに、聖利はあえかな声をあげ、身体を震わせた。

「あ、……」
「どうした?」

 愛撫の途中で來が顔をあげる。來の顔も興奮で上気していた。

「來、最初の、僕のヒートの時」
「ああ」
「あの時と、似てる。どこ触られてもおかしくなりそうにきもちい」

 來がくすっと笑う。蠱惑的な笑みだ。

「そうか。じゃあ、今日はあのときお預けにした極上のヒートセックスが体験できるな」

 來が聖利の右手を掴み、自身に中心にふれさせた。スウェット越しのそこはかつてないほどいきり立ち、凶暴にそそり立っている。

「らい、すごい……」
「おまえの中に全部入れて、たくさんたくさん突いてやるよ」

 ささやかれ、聖利は身を震わせながら目を閉じた。想像だけで達してしまいそうになる。

「腰浮かせて」

 來にねだられるままに、軽く腰を浮かせると下着を引き抜かれた。ボクサーショーツのゴムからぶるんと勃起したペニスがこぼれ、來が息を呑むのがわかった。

「うまそ。しゃぶっていい?」
「やだ、恥ずかしいよ」

 フェラチオは声を我慢できなくなるので、数えるほどしかしてもらったことがない。それに自分でするのはいいが、されるのはものすごく恥ずかしいのだ。

「今日は聖利の喘ぎ声、めちゃくちゃ聴きたい」

 そう言うなり、來は聖利の骨盤を押さえつけ蜜をしたたらせるペニスを一気に口腔に招き入れた。

「うあ、あああああああっ!」

 聖利は激しく叫び、びくびくと身体を震わせた。熱い奔流を感じる。凄まじい快感に、くわえられた瞬間に射精してしまったのだ。

「らい、はなして。らい、出ちゃった。だめぇ」

 幼児のように片言で訴え、必死に來の頭を退けようとするけれど、來はなかなか離れてくれない。まだ口いっぱいに聖利のペニスをくわえ、味わうように舌を動かしている。
 それから一度顔をあげ、ごくんとそれを嚥下するのが見えた。

「飲んじゃ……だめだよ……」
「残念、もう飲んじゃった。聖利の精液、美味いよ」
「ばか! ……え、やだ、もうやめて!」

 制止の声も虚しく、射精したばかりのペニスを、再び來が口で包んだのだ。
 過敏なそこをきゅうきゅう圧迫されながらピストンされる。

「ひっひう、う、あうっ、だめ、だめ」

 力が入らない。しつこくねぶられるうち、奥からさらなる快感が押し寄せてくる。

「やあ! なんか、なんかきちゃう。だめ、らい、やだぁ!」

 再びびゅくびゅくと弾ける感触を芯に感じる。また射精してしまったのだろうか。いや、違う。

「潮、吹いちゃったな」

 下腹部から見上げる來の顔が意地悪い笑顔に染まっている。悪戯が成功した子どもみたいだ。

「う、うう。僕……こんな」

 こんないやらしい身体になってしまったのか。愕然とするより、自身のペニスがさらに勃起しはじめていることに動揺した。底なしの欲求に恐怖すら覚える。

「いいんだよ。聖利は俺のためにオメガになったんだろ。俺のためにヒートを起こしてるんだから。たくさん、エロくなってイキまくれよ」
「でも、こんなにはしたない僕は……」
「いやらしい聖利、すげえ好き」

 目を細め、笑った來の表情は野生的で、そこには確かに情欲の炎が燃えていた。聖利の目にもきっと同じものがあるだろう。
 本当だ。いやらしい恋人は、すごくセクシーで、もっともっと欲しくなる。
 そうか、本能に任せていいのだ。來のために身体を作り変えた貪欲な自分は、來のためにすべてさらけ出していい。

「來、好き。大好き。いっぱいして」

 両腕を広げると來が身体を預けてきた。ぎゅうっと抱き合うと幸福でとろけそうな心地がした。

「可愛い顔で煽るんだから参るな」

 來がささやいて、枕元に用意しておいたスキンを着ける。それからあぐらをかくように座り、聖利の腕を引いた。

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