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兼弘邁

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新たなる光

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少年は居間でテレビを見ていた

テレビには物の怪が陰陽師によって退治されたと放送されていた

少年は言う

「また、俺に仕事まわって来なかったよ。」

今の外から姉の紬が言う

「奴らに媚を売らないからだ。」

少年は寝転がりながら姉に言う

「違うだろ。俺が、乾正介と、姉さんの母の子ども、外堂阿蘭だからだろ?」

ーかつて、影道という男がいた。ー

ー影道は人々を物の怪を越えた存在、人の痛みを知る優れた人間へと進化させようとした。ー

ーだが、進化できない人類を切り捨てるやり方に反発した陰陽師会と陰陽部隊によって、影道は封印されたー

ー問題はその後だったー

明大神神社の鳥居の前に女がいる、女には翼が生えていた、年齢は30前後だろうか

女が言う

「あの事件が解決してから、人々は物の怪の存在を知り、陰陽師たちとも分かりあえる。そうなる筈だった。」

女が鳥居に手をかざしている

女が言う

「また、カイザーに先を越されたか。」

女が鳥居から手を離して言う

「自分の利益しか考えない奴が陰陽師を自称し、物の怪を退治するなど、御せんな。」

女が空を見て言う

「お兄様、あれだけの強者揃いだった陰陽師会をまとめていたことがどれだけすごいことか、今になって分かりました。」

女の首と翼の間にある肩に男が手を乗せて言う

「つむりんも頑張ってるよ。」

女が男を横目に言う

「大輔、、、」

大輔が言う

「影道さんも背負い込み過ぎてたんだ。あれを真似ようとしたら骨が折れるぜ?」

女が言う

「そうではない。問題はそこじゃない。」

大輔が言う

「カイザーか?」

女が言う

「今の我々はあの男に掻き回されている。」

大輔が言う

「話し合いで何とかならねえかな?」

女が言う

「奴は自分しか見ていない。奴のカリスマ性に惹き付けられ慕う奴らもまた、俗物で烏合の衆に過ぎない。」

大輔が言う

「言いすぎじゃないか?」

女が言う

「大輔、お前は人を信じすぎだ。」

大輔が言う

「俺たちの代わりに物の怪を倒してくれてるんだし。そりゃ、マスコミを寄せて目立ちたがってるのはどうかと思うけど、きっと、人々を救いたい気持ちは一緒だと思うぜ?」

女が言う

「話が通じないな。政治の話をしていたのだが、分かっていなかったか。全く。父親になったというのに、その勘の悪さは治らないとはな。」

女の子の声が神社にある家から聞こえる

「ママー、ご飯おかわりー。」

女が言う

「5合炊いた筈。」

大輔が言う

「俺は2合分しか食ってねえよ。」

女が言う

「明美が3合か、仕方ない。また炊くか。」

大輔が言う

「なあ、これから阿蘭ん家に行くんだけどなんか伝えることある?」

女が言う

「何もない。彼は優秀だ。正介様の息子なだけある。」

大輔が言う

「カイザーと戦わせようと思ってないよな?」

女が言う

「はあ、大輔、まったく勘がいいのか悪いのか。」

大輔が言う

「やっぱ、そうなのか。くそお、俺も力さえ取り戻せれば、、、」

明美が女の前に立つ

大輔が言う

「うわ、いつの間にいたんだ?」

明美が言う

「ママご飯まだ?」

女が手を額に当てて言う

「全く、誰に似たんだか。」

木陰にはカイザーが隠れていた

カイザーが言う

「あれが影道の妹と、極陽獣の器だった者か。」

カイザーが笑いながら言う

「くく、男の方はただの人間、陰陽師ですらない。ゴミムシだ。だが、一応は影道を倒し、救世主と呼ばれた存在、、、」

カイザーが笑う、そして思う

(世界に私の名を轟かすチャンスだ!)

ー阿蘭の家ー

阿蘭が言う

「大輔さんはさ、極陽獣の器だからオバサンに付き添ってもらって、そのまま結婚したんだよな?」

女が言う

「オバサンではなく旋様だ。」

阿蘭が言う

「そんなのでいいのかな?」

女が言う

「二人は愛し合っている。」

阿蘭が言う

「そういう問題じゃない。」

女が言う

「明美がいるのも二人が結婚したからだ。」

阿蘭が言う

「その言葉はタラコに勝手に存在意義とアイデンティティーを押し付けてるぜ?」

女が言う

「はあ、だからお前とは話したくないんだ。どんな優秀なキャッチャーでも500キロのボールを受け止められまい。」

阿蘭が言う

「姉貴がもう少し賢い人だったらなあ。」

女が言う

「悪かったな。」

ーとあるブラックホールー

ブラックホールの中に二人の人影がある

影道が言う

「カイザーは危険だ。半分だけでも、私を奴のもとに顕現させ奴を始末するのはどうだ?」

混沌の神、ケイオスが言う

「ダメに決まっているだろう?」

影道が言う

「君ならカイザーが世界を支配すると予想はつくだろ?」

ケイオスが言う

「君が人間界に存在するよりましだ。」

影道が言う

「大輔が死ぬぞ。」

ケイオスが言う

「同じことを二度も言わせるな。」

影道が言う

「そうか、覚悟は済んでいたか。なら、もう何も言うまい。」

ー阿蘭の家の庭ー

大輔の胸をカイザーの腕が貫いた

阿蘭が大輔に駆け寄り叫ぶ

「大輔さん!」

カイザーが血にまみれた腕を見て笑いながら言う

「これが化け物の成れの果ての血か。何が極陽獣の血だ。穢わらしい。この気分を害するぬるさ、下痢糞を煮詰めた鍋に手を突っ込んだ感覚。」

明美が悲鳴を上げる

「いやああ、人殺し!」

カイザーが言う

「人もどきの雌ガキか。可哀想に、こんな血が体内に通っているなんて。」

阿蘭が大輔に語る

「大輔さん、しっかり!」

大輔が阿蘭の手を握る

阿蘭が言う

「光を頼む、、、?」

大輔が死んだ

カイザーが振り返る

カイザーに旋が斬りかかる、カイザーが腕で防ぐ

旋が叫ぶ

「貴様ああああああ!」

カイザーが言う

「殺されに来たか?」

明美が言う

「そんな、旋風で吹っ飛ばないなんて!」

カイザーが言う

「ババアが型落ちの刀でいきりやがって。」

旋が弾き飛ばされた

旋が叫ぶ

「カイザアアアアアア!」

カイザーが言う

「フハハハハ!俺は今、誰よりも強い!」

阿蘭が言う

「それはどうかな。」

カイザーが真顔になる

カイザーが言う

「何だと?」

阿蘭が言う

「大輔さんは今まで俺の枷になっていたんだ。お前はそれを解いた。」

阿蘭から陽のタオが溢れ出す

カイザーが言う

「貴様、一体何者だ?」

阿蘭が言う

「新たなる光だ。」

カイザーが言う

「私に匹敵する力だと?奴は何故そんな力を隠したのだ?」

阿蘭が言う

「お前が殺したから理由を知る術はもうない。でも、真実を知ってもお前には分からない。」

カイザーが言う

「私をバカにしたな?万死に値する。」

カイザーが薄れていく

阿蘭が言う

「逃げるのか?俺と戦えカイザー!」

カイザーが言う

「戦争をしよう。皆で殺しあうのだ!」

カイザーは姿を消した

阿蘭が言う

「アイツ、気を遣いやがった!俺が、タラコやオバサンを庇って戦うのを察して、場をとりなして決闘をする場所を用意するつもりだ。クソ演出家が!」

明美が大輔に向かい言う

「お休み、パパ。あとは阿蘭に任せて。」

旋がうずくまって泣いている、呻いている

「うう、大輔、、、うぅ。」

阿蘭が旋に言う

「娘が泣くのを我慢しているのに母親がどうして泣くんだ?」

旋が言う

「お前に分かるものか!」

阿蘭が言う

「分かってたまるか!ここで泣いたら大輔さんに失礼だろ!落ち込むんじゃない!」

女が言う

「黙れ阿蘭。」

阿蘭が言う

「姉貴?」

旋が言う

「紬、、、」

明美が言う

「オバサン?」

紬は座り込み大輔の遺体を傍でじっと見つめた

紬は涙を流した

旋が言う

「紬、、、」

紬が立ち上がる

紬が旋に言う

「遅れてごめんね。ごめんね。」

旋が顔を崩す

阿蘭が言う

「戦争が始まる、、、カイザーと、陰陽師会の、、、」







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