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第一章 転生覚醒編
第二話
わたしは部屋の壁に埋め込まれた鏡の前に、立つ。
下着姿に近い、軽装だ。
キャミのようなコルセットのような胴衣を纏い、膝上までの短い洋袴を履いてる。
肩と腕、膝上の太もも近くまでが剥き出しだ。
鏡に映ったわたしは、とても若い。
まだ、二十歳の手前といったところか。
長い髪は結い上げて、バレッタでとめてる。
手足は細く長いけど、案外鍛え上げられてて筋肉がついていた。
軽量級の、ボクサーみたいだ。
あまり、公爵令嬢っぽさがない。
しょうがないよね、なんちゃって令嬢なんだから。
この世界のわたしはいわゆる落とし胤ってやつで、公爵が平民の娘に手をつけて生まれたこどもだ。
貴族ではなく、平民の養父母に預けられ下街で暮らしていたけど流行病で養父母は亡くなった。
その後は、いわゆるダンジョン探索者となってダンジョンの底で魔獣を狩って暮らしてたんだけど。
公爵の属するデリダ家がなんでだかわたしを見つけ出し、令嬢にしたてあげ辺境伯に出荷したわけだね。
わたしはちょっと、ため息をつく。
異世界転生する前のわたしは三十中の既婚者で、小学生の子供がいる平凡な主婦だった。
自分の娘みたいなその姿に、なんだか違和感しかない。
そっと、鏡の中で不敵に目を光らせる若い自分に手を触れる。
鏡に魔力を、通す。
鏡の材質が変容し、水のようになる。
光り輝く水となった鏡が、わたしの手を吸い込んだ。
そのままわたしは鏡の向こうに、入り込む。
そこは、小部屋だ。
わたしが空間魔法で作った、工房だった。
わたしは、そっと呟く。
「ねえ、リリベッド。あんたしくじったねぇ。死んじゃったよ」
わたしは、肩を竦める。
「でも、心配しないで。わたしがあんたの敵をとって、旦那様をぎゃふんと言わせるから」
ほんとかよ、とリリベッドが零したような気がする。
まあ、まかせとけってと思い、昨夜ポーションを調合した作業机に向かう。
作業机の前には、わたしがポーション作成のために集めた様々な素材が、ガラス瓶に詰められている。
色々な薬品が並び、机には調合用のフラスコやランプ、真鍮の小鍋があり、皆薄暗い部屋で綺羅綺羅輝く。
綺麗で神秘的だし、錬金術士の工房かよと思う。
わたしは、机に置かれたレシピに目を通す。
ふむ。
やはり、わたしはヨガでいうところの、クンダリーニのチャクラを活性化するポーションを作ろうとしたようだ。
あれだ、キャプテン・アメリカみたいに不死身の身体をもった超人になろうとしたんだね。
わたしはふうと、ため息をつく。
あほかよ、わたし。
どっちかといえば、旦那様が守りたくなるか弱い淑女めざせよと思う。
でも、それは無理と思ったんだろうな。
まあ、判るよ。わたしには向いてないし。
そこで強くなって、旦那様の隣に立つことにしたってわけよね。
リリベッドの作ったポーションが持つ効果は、バフの範疇を越えている。
チャクラを活性化するなんて、禁術そのものだ。
下腹の底、会陰にあるエネルギー結束点を活性化して全身を強化して超人化したのはいいけど。
その強化エネルギーは、まともに脳を直撃して揺さぶった。
リリベッドの精神がそれに耐えれず吹っ飛んで、代わりに蓋が外れて転生者のわたしが目覚めたってわけね。
何れにせよ、超人化は成功したみたい。
わたしの全身に、エネルギーが充満しているのを感じる。
油断すると、暴走してわたしも吹っ飛びそう。
わたしはそれを、曲芸の玉乗りするみたいになんとか乗りこなす。
下着姿に近い、軽装だ。
キャミのようなコルセットのような胴衣を纏い、膝上までの短い洋袴を履いてる。
肩と腕、膝上の太もも近くまでが剥き出しだ。
鏡に映ったわたしは、とても若い。
まだ、二十歳の手前といったところか。
長い髪は結い上げて、バレッタでとめてる。
手足は細く長いけど、案外鍛え上げられてて筋肉がついていた。
軽量級の、ボクサーみたいだ。
あまり、公爵令嬢っぽさがない。
しょうがないよね、なんちゃって令嬢なんだから。
この世界のわたしはいわゆる落とし胤ってやつで、公爵が平民の娘に手をつけて生まれたこどもだ。
貴族ではなく、平民の養父母に預けられ下街で暮らしていたけど流行病で養父母は亡くなった。
その後は、いわゆるダンジョン探索者となってダンジョンの底で魔獣を狩って暮らしてたんだけど。
公爵の属するデリダ家がなんでだかわたしを見つけ出し、令嬢にしたてあげ辺境伯に出荷したわけだね。
わたしはちょっと、ため息をつく。
異世界転生する前のわたしは三十中の既婚者で、小学生の子供がいる平凡な主婦だった。
自分の娘みたいなその姿に、なんだか違和感しかない。
そっと、鏡の中で不敵に目を光らせる若い自分に手を触れる。
鏡に魔力を、通す。
鏡の材質が変容し、水のようになる。
光り輝く水となった鏡が、わたしの手を吸い込んだ。
そのままわたしは鏡の向こうに、入り込む。
そこは、小部屋だ。
わたしが空間魔法で作った、工房だった。
わたしは、そっと呟く。
「ねえ、リリベッド。あんたしくじったねぇ。死んじゃったよ」
わたしは、肩を竦める。
「でも、心配しないで。わたしがあんたの敵をとって、旦那様をぎゃふんと言わせるから」
ほんとかよ、とリリベッドが零したような気がする。
まあ、まかせとけってと思い、昨夜ポーションを調合した作業机に向かう。
作業机の前には、わたしがポーション作成のために集めた様々な素材が、ガラス瓶に詰められている。
色々な薬品が並び、机には調合用のフラスコやランプ、真鍮の小鍋があり、皆薄暗い部屋で綺羅綺羅輝く。
綺麗で神秘的だし、錬金術士の工房かよと思う。
わたしは、机に置かれたレシピに目を通す。
ふむ。
やはり、わたしはヨガでいうところの、クンダリーニのチャクラを活性化するポーションを作ろうとしたようだ。
あれだ、キャプテン・アメリカみたいに不死身の身体をもった超人になろうとしたんだね。
わたしはふうと、ため息をつく。
あほかよ、わたし。
どっちかといえば、旦那様が守りたくなるか弱い淑女めざせよと思う。
でも、それは無理と思ったんだろうな。
まあ、判るよ。わたしには向いてないし。
そこで強くなって、旦那様の隣に立つことにしたってわけよね。
リリベッドの作ったポーションが持つ効果は、バフの範疇を越えている。
チャクラを活性化するなんて、禁術そのものだ。
下腹の底、会陰にあるエネルギー結束点を活性化して全身を強化して超人化したのはいいけど。
その強化エネルギーは、まともに脳を直撃して揺さぶった。
リリベッドの精神がそれに耐えれず吹っ飛んで、代わりに蓋が外れて転生者のわたしが目覚めたってわけね。
何れにせよ、超人化は成功したみたい。
わたしの全身に、エネルギーが充満しているのを感じる。
油断すると、暴走してわたしも吹っ飛びそう。
わたしはそれを、曲芸の玉乗りするみたいになんとか乗りこなす。
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