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☆番外編☆ 俺が可愛すぎて困る!? なんだそれ!
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お昼休み。
いつものように3人で弁当を広げる。
あ……、トイレ!
授業中にトイレをやり過ごしたせいで、今になって一挙にもよおしてしまったようだ。
俺は箸をバシンと机の上に置いて席を立った。
「ゴメン、トイレ行ってくる! 先食べてて!」
漏れる漏れる~と、トイレにダッシュ。
急いだおかげで何とか間に合った俺は、気持ちいい脱力感で手を洗い、廊下へと出た。
鼻歌交じりで教室へと歩いていると、後ろから声がかかった。
「……苺谷?」
「はい?」
名前を呼ばれて反射的に後ろを振り返る。
だけど俺の視線の先には、見覚えのない、背の高い上級生らしき人が立っていた。
「ええっと……? どちら様?」
「ああ、俺? 俺は2年の春日谷、で、こっちは日比野」
「……はあ」
やっぱり知らない人だ。なんだろう、この人たちも陽翔のファン?
「なあ、可愛いか? 俺は普通にそこらに居る奴らと変わりないと思うけど」
「ん~。谷繁が可愛かったって言ってたんだけどな……。あいつの目、腐ってんのか」
まるで値踏みでもするかのようにジロジロ俺を見ながら、コソコソと言い合っている。
……しっかり聞こえてるぞ!
なんだかとてつもなく失礼で不躾な発言をされているような気がする。
俺が可愛くないのはあってるけどさ。
とりあえず、特に俺に用があるわけではなさそうなので教室に戻ろうと思ったところで、後ろから陽翔の声が飛んできた。
「由羽人!」
「あ、はる……え?」
もの凄い形相でズダダダダと走って来た陽翔が、俺をグイッと引き寄せた。
「由羽人に何か用かよ!?」
絶対に俺を渡さないぞと言いたげに、陽翔が俺を抱きしめて2人を威嚇した。
陽翔に威嚇されている春日谷とかいう人たちは、一瞬目を丸くして驚いた後、俺の顔を見てさらに目を丸くした後、「ああ」と何かを納得したような表情に変えた。
「やーっと、意味が分かったわ」
「スッキリした~」
「は、……え?」
訝しい声を出す陽翔を余所に、春日谷と言う人が手を伸ばして俺の頭をわしゃわしゃとした。
「確かに可愛いな、お前」
「ホント。癒し系だな」
……え?
ええ!?
な、な、なに言ってんの!? この人たちーーーー!?
陽翔の腕の中でパニクる俺に、目の前のニコニコ顔がさらにニコニコと変化する。
「由羽人は俺のだ! 近寄るんじゃねーー!!」
陽翔の叫び声と共に腕を引っ張られて教室へと戻る。
ドタドタと戻って来た俺らの顔を見て、蒼空が目を丸くして驚いていた。
「どうしたんだ? 何かあったのか?」
「由羽人の可愛さがみんなにバレた!」
「……陽翔っ」
真っ赤になって怒る陽翔に、訳が分からなくて動揺する俺。
そんな俺らを見て、蒼空が可笑しそうに笑った。
「だから言っただろー? 由羽人を可愛くしてるのはお前なんだって。ちょっとは自覚しろよ」
「…………」
「…………」
「だからと言って、由羽人との距離を取る気は無いからな」
と言う陽翔のおかげで、地味で目立たなかったはずの俺までが、『陽翔の可愛い恋人』という愛称で知られてしまうこととなる。
だけどその彼らの言う『可愛い』俺は陽翔と居る時にしか発動されないようだった。だって陽翔がいないときにちょっかいを出されることは、ほとんどと言っていいほど無いんだ。
……なんだけど。
「あ、陽翔だ。いつ見ても綺麗だよな~。あー、良いなあ。俺も陽翔を恋人にしたい」
……ちょっとムカッとするけど、聞きなれたことだからある程度俺には耐性がある。
今は俺の恋人だからな!
そう思ってやり過ごすことが出来ている。
「俺は由羽人のが良いな―。何であんなに可愛いんだ?」
「陽翔と居る時の由羽人って半端ないな。目の保養だ」
これにはなんだか居た堪れなくてザワザワする。
慣れなさ過ぎて変な気持ちだ。
「お前ら、俺の由羽人に手なんか出しやがったら容赦しないからな!!」
これまたやり過ごせない陽翔が過剰反応で、本気で相手を怒鳴りつける。
「ちょっと陽翔! 揶揄ってるんだから相手にするなよ」
「んなわけねーだろ。あいつら本気だぞ」
陽翔と恋人になれて落ち着くことが出来るかと思っていたのに、なぜだかまたザワザワと周りがうるさい。
「揶揄い半分本気半分だろ? しばらくしたら治まるさ。無視してろよ」
頼りになる蒼空のアドバイスに、そうかもなって俺は納得したんだけど、相変わらず陽翔はすごく不満そうだった。
そうして、俺が可愛い……と言うアホみたいに広がった戯言は俺らにとって新たな問題として圧し掛かり、しばらくの間俺らを悩ました挙句、結局はそのまま収束していったのだった……。
おわり……です。
何の広がりもない蛇足的な話で、ホントすみません(-_-;)
いつものように3人で弁当を広げる。
あ……、トイレ!
授業中にトイレをやり過ごしたせいで、今になって一挙にもよおしてしまったようだ。
俺は箸をバシンと机の上に置いて席を立った。
「ゴメン、トイレ行ってくる! 先食べてて!」
漏れる漏れる~と、トイレにダッシュ。
急いだおかげで何とか間に合った俺は、気持ちいい脱力感で手を洗い、廊下へと出た。
鼻歌交じりで教室へと歩いていると、後ろから声がかかった。
「……苺谷?」
「はい?」
名前を呼ばれて反射的に後ろを振り返る。
だけど俺の視線の先には、見覚えのない、背の高い上級生らしき人が立っていた。
「ええっと……? どちら様?」
「ああ、俺? 俺は2年の春日谷、で、こっちは日比野」
「……はあ」
やっぱり知らない人だ。なんだろう、この人たちも陽翔のファン?
「なあ、可愛いか? 俺は普通にそこらに居る奴らと変わりないと思うけど」
「ん~。谷繁が可愛かったって言ってたんだけどな……。あいつの目、腐ってんのか」
まるで値踏みでもするかのようにジロジロ俺を見ながら、コソコソと言い合っている。
……しっかり聞こえてるぞ!
なんだかとてつもなく失礼で不躾な発言をされているような気がする。
俺が可愛くないのはあってるけどさ。
とりあえず、特に俺に用があるわけではなさそうなので教室に戻ろうと思ったところで、後ろから陽翔の声が飛んできた。
「由羽人!」
「あ、はる……え?」
もの凄い形相でズダダダダと走って来た陽翔が、俺をグイッと引き寄せた。
「由羽人に何か用かよ!?」
絶対に俺を渡さないぞと言いたげに、陽翔が俺を抱きしめて2人を威嚇した。
陽翔に威嚇されている春日谷とかいう人たちは、一瞬目を丸くして驚いた後、俺の顔を見てさらに目を丸くした後、「ああ」と何かを納得したような表情に変えた。
「やーっと、意味が分かったわ」
「スッキリした~」
「は、……え?」
訝しい声を出す陽翔を余所に、春日谷と言う人が手を伸ばして俺の頭をわしゃわしゃとした。
「確かに可愛いな、お前」
「ホント。癒し系だな」
……え?
ええ!?
な、な、なに言ってんの!? この人たちーーーー!?
陽翔の腕の中でパニクる俺に、目の前のニコニコ顔がさらにニコニコと変化する。
「由羽人は俺のだ! 近寄るんじゃねーー!!」
陽翔の叫び声と共に腕を引っ張られて教室へと戻る。
ドタドタと戻って来た俺らの顔を見て、蒼空が目を丸くして驚いていた。
「どうしたんだ? 何かあったのか?」
「由羽人の可愛さがみんなにバレた!」
「……陽翔っ」
真っ赤になって怒る陽翔に、訳が分からなくて動揺する俺。
そんな俺らを見て、蒼空が可笑しそうに笑った。
「だから言っただろー? 由羽人を可愛くしてるのはお前なんだって。ちょっとは自覚しろよ」
「…………」
「…………」
「だからと言って、由羽人との距離を取る気は無いからな」
と言う陽翔のおかげで、地味で目立たなかったはずの俺までが、『陽翔の可愛い恋人』という愛称で知られてしまうこととなる。
だけどその彼らの言う『可愛い』俺は陽翔と居る時にしか発動されないようだった。だって陽翔がいないときにちょっかいを出されることは、ほとんどと言っていいほど無いんだ。
……なんだけど。
「あ、陽翔だ。いつ見ても綺麗だよな~。あー、良いなあ。俺も陽翔を恋人にしたい」
……ちょっとムカッとするけど、聞きなれたことだからある程度俺には耐性がある。
今は俺の恋人だからな!
そう思ってやり過ごすことが出来ている。
「俺は由羽人のが良いな―。何であんなに可愛いんだ?」
「陽翔と居る時の由羽人って半端ないな。目の保養だ」
これにはなんだか居た堪れなくてザワザワする。
慣れなさ過ぎて変な気持ちだ。
「お前ら、俺の由羽人に手なんか出しやがったら容赦しないからな!!」
これまたやり過ごせない陽翔が過剰反応で、本気で相手を怒鳴りつける。
「ちょっと陽翔! 揶揄ってるんだから相手にするなよ」
「んなわけねーだろ。あいつら本気だぞ」
陽翔と恋人になれて落ち着くことが出来るかと思っていたのに、なぜだかまたザワザワと周りがうるさい。
「揶揄い半分本気半分だろ? しばらくしたら治まるさ。無視してろよ」
頼りになる蒼空のアドバイスに、そうかもなって俺は納得したんだけど、相変わらず陽翔はすごく不満そうだった。
そうして、俺が可愛い……と言うアホみたいに広がった戯言は俺らにとって新たな問題として圧し掛かり、しばらくの間俺らを悩ました挙句、結局はそのまま収束していったのだった……。
おわり……です。
何の広がりもない蛇足的な話で、ホントすみません(-_-;)
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みんなの感想(10件)
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