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第二章
ネコ科の肉食獣
先生の柔らかい唇が、角度を変えながら何度も啄むように触れ合わされる。
始めは俺も大人しくされるがままだったんだけど、そんなバードキスでは物足りなくなって、俺は先生の首に手を回してさらに深く口付けようと舌を差し入れ、顔を斜めに傾けた。
「つ……っ!」
ピリッとした痛みが走る。
……そうだった。
さっき頬を何発も殴られて、怪我してたんだ。口の中も切れてたし……。
眉を顰めた俺に、先生がゆっくりと唇を離す。
「大丈夫か? ……悪かったな。つい、ちょっと抑えが効かなくて……、えっ!?」
抑えが効かないのは俺の方だ。
痛さなんてどうだっていい。先生からのキスで今まで抑えていたタガが外れた俺は、そのまま先生を床に押し倒して抱き着いた。
「抑えなくていいよ。俺、先生にキスしたいし触りたい。もっと……。ずっと、くっ付いていたいよ」
「南……、だからそう言う事を簡単に……、っ……」
ボタンが寛げられて、露わになった先生の首筋に唇を這わせる。殴られて切れたところがヒリヒリするけど、構わず先生の肌に吸い付いた。
先生の甘い匂いにクラクラする……。
紫藤先生は言葉を呑み込んで、しかも抵抗せずにされるままになってくれていた。俺の背中に手を回して、縋りつくようにギュッと抱き着いてもくれている。
それがすごく嬉しくて、もう一度唇にキスをしようと伸び上がろうとしたとき、突然体が反転した。
「…て、え!?」
驚いて見上げると、そこには今まで見た事の無い表情の、獰猛で怖いくらいの色気を放った、まるでネコ科の肉食獣のような先生が俺を見下ろしていた。
「せん……せ?」
まるでこのまま食われちまうんじゃないかってくらいの壮絶な色気を放った先生が、俺の事をじっと見る。そしてゆっくりと俺のシャツの下から手を入れて、直に俺の肌を、わき腹から肋骨の下あたりを撫で上げた。
「は…っ、ん……ん」
ひゃああっ!?
な、なんだこの声、俺の声かあぁぁぁ?
先生の大きくて熱い掌に肌を撫でられて、あまりの気持ちよさに変な声が漏れた!!
悶絶しそうなくらいの恥ずかしさに、俺の顔は瞬時に熱くなる。
そんな俺の表情に、ニコリと涼し気に笑った先生は、さらに俺の肌を堪能する様に動き出した。
「ん……っ!!」
俺の意思に反してピクリと勝手に体が反応し、漏れる恥ずかしすぎる声。
ぎゃああああ!!
だから、だから恥ずかしいんだってばー!
俺は咄嗟に声が漏れないようにと、両手で口を押えた。すると先生は、それが気に入らなかったのか眉間にしわを寄せ、「おい」と低い声で呼びかける。
両手で口を塞いだまま視線だけを先生に向けると、わき腹を撫でていたその手をするりと放して、俺の両手を掴んで口元から引き剥がした。
「せ、せんせ……」
「良いから。可愛い声、聴かせろよ。……ぞくぞくする」
うあぁぁぁ!!
先生じゃない、やっぱコレ紫藤先生じゃないだろー!!
獰猛で、色気半端ないネコ科の肉食獣そのモノの紫藤先生、だけど、だけど俺……そんな紫藤先生にスッゲ、ゾクゾクしてるんですけどー!!
ゾクゾク、あたふたと忙しない俺の心を裏切って……。
俺のお腹から、『グ~ッ』となんとも言えない色気の無い音が鳴り響いた。
――合掌……
チーン。
始めは俺も大人しくされるがままだったんだけど、そんなバードキスでは物足りなくなって、俺は先生の首に手を回してさらに深く口付けようと舌を差し入れ、顔を斜めに傾けた。
「つ……っ!」
ピリッとした痛みが走る。
……そうだった。
さっき頬を何発も殴られて、怪我してたんだ。口の中も切れてたし……。
眉を顰めた俺に、先生がゆっくりと唇を離す。
「大丈夫か? ……悪かったな。つい、ちょっと抑えが効かなくて……、えっ!?」
抑えが効かないのは俺の方だ。
痛さなんてどうだっていい。先生からのキスで今まで抑えていたタガが外れた俺は、そのまま先生を床に押し倒して抱き着いた。
「抑えなくていいよ。俺、先生にキスしたいし触りたい。もっと……。ずっと、くっ付いていたいよ」
「南……、だからそう言う事を簡単に……、っ……」
ボタンが寛げられて、露わになった先生の首筋に唇を這わせる。殴られて切れたところがヒリヒリするけど、構わず先生の肌に吸い付いた。
先生の甘い匂いにクラクラする……。
紫藤先生は言葉を呑み込んで、しかも抵抗せずにされるままになってくれていた。俺の背中に手を回して、縋りつくようにギュッと抱き着いてもくれている。
それがすごく嬉しくて、もう一度唇にキスをしようと伸び上がろうとしたとき、突然体が反転した。
「…て、え!?」
驚いて見上げると、そこには今まで見た事の無い表情の、獰猛で怖いくらいの色気を放った、まるでネコ科の肉食獣のような先生が俺を見下ろしていた。
「せん……せ?」
まるでこのまま食われちまうんじゃないかってくらいの壮絶な色気を放った先生が、俺の事をじっと見る。そしてゆっくりと俺のシャツの下から手を入れて、直に俺の肌を、わき腹から肋骨の下あたりを撫で上げた。
「は…っ、ん……ん」
ひゃああっ!?
な、なんだこの声、俺の声かあぁぁぁ?
先生の大きくて熱い掌に肌を撫でられて、あまりの気持ちよさに変な声が漏れた!!
悶絶しそうなくらいの恥ずかしさに、俺の顔は瞬時に熱くなる。
そんな俺の表情に、ニコリと涼し気に笑った先生は、さらに俺の肌を堪能する様に動き出した。
「ん……っ!!」
俺の意思に反してピクリと勝手に体が反応し、漏れる恥ずかしすぎる声。
ぎゃああああ!!
だから、だから恥ずかしいんだってばー!
俺は咄嗟に声が漏れないようにと、両手で口を押えた。すると先生は、それが気に入らなかったのか眉間にしわを寄せ、「おい」と低い声で呼びかける。
両手で口を塞いだまま視線だけを先生に向けると、わき腹を撫でていたその手をするりと放して、俺の両手を掴んで口元から引き剥がした。
「せ、せんせ……」
「良いから。可愛い声、聴かせろよ。……ぞくぞくする」
うあぁぁぁ!!
先生じゃない、やっぱコレ紫藤先生じゃないだろー!!
獰猛で、色気半端ないネコ科の肉食獣そのモノの紫藤先生、だけど、だけど俺……そんな紫藤先生にスッゲ、ゾクゾクしてるんですけどー!!
ゾクゾク、あたふたと忙しない俺の心を裏切って……。
俺のお腹から、『グ~ッ』となんとも言えない色気の無い音が鳴り響いた。
――合掌……
チーン。
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