綺麗な先生は好きですか?

くるむ

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第三章

事情聴取。…嫉妬してます?

昼休み前に担任がやって来て、昼飯を食ったら生徒指導室に来るようにと言われた。
やはり昨日の事情を聞かせて欲しいとの事だった。
それで俺は飯を食い終わった後、利一らと別れて生徒指導室に足を運んだ。

生徒指導室の前。
緊張で掌から汗が滲み出る。これから色んな事を聞かれるのかと思ったら、気が滅入ってしまう。
先生があいつらに狙われていたことを話すのには、俺としてはやっぱり抵抗があった。
だけど逃げるわけにもいかないので、掌をギュッと握って気合を入れた。

「失礼します。南です」
「どうぞ」

どうぞと言われてカラカラと扉を開けると、そこには生徒指導の加藤先生に紫藤先生。それと、もう一人見たことも無い先生が居た。

「やあ、よく来てくれたね。南君だね? そこに座って」

そう言って、加藤先生が俺に椅子を勧めた。俺が席に着くと加藤先生もその真ん前に腰を掛ける。

「それじゃあ早速だけど、君が知っている事やされた事を全部話してくれるかな?」
「はい……」

俺は、自分や紫藤先生の個人的な関係以外の事はすべて正直に話した。

「という事は、彼らは紫藤先生を……、そういう意味で襲おうとしていたという事なのか?」
「はい、そうです」

俺の肯定に、加藤先生が紫藤先生を振り返る。

「そうなのでしょうかね……。僕が駐車場に着いた時には、既に南君はまるでサンドバックのように殴られていて、慌てて止めに入ろうとしたら彼らが襲い掛かって来たので、つい反射的に伸してしまったんですが」
「紫藤先生は、意外とお強いんですね」

感心したように加藤先生が言うのに対して、紫藤先生はとんでもないといった風に、手を振って否定した。

「いや……。反射神経が良いだけです。校内暴力だと思って、気が動転していたせいもありますけれど」
「なるほど」

俺らのやり取りを今まで黙って聞いていたもう一人の先生が、俺の傍にやって来た。

「南くん、大丈夫かな」
「……え?」
「随分殴られたんだろう? まだ少し腫れが残っている」

そう言って、俺の頬を軽く指で撫でる。

「あ、あの……っ」
「ああ、自己紹介まだだったな。俺はいじめをこの学校から無くすために派遣されている学校カウンセラーの鳥海だ」
「は、はい」
 
カウンセラー?
確かに学校にカウンセラーが居るって事は聞いた事あるけど、俺のクラスは幸いなことにそんな不穏な空気を感じたことが無いから、この人がクラスにやってきた事なんて無い。

「!?」
突然鳥海先生に両手をギュッと握りしめられてビックリする。

「酷い目に合った後に、怖い思いとか気分が悪く鳴ったりすることは誰にでもある事だ。もし、辛いなと思う事があったら、遠慮せずに僕のカウンセラールームに来ると良い」
「は、はい……」

手を握りしめたまま、ずいっと近くに顔を寄せて真剣な表情で話す鳥海先生に圧倒されて頷くことしかできない。すると鳥海先生はその手を離し、今度は俺をグイッと抱き寄せて背中をポンポンと叩いた。

驚いたけど、カウンセラーなりのハグなのかもしれないと、抵抗せずに受け入れた。


受け入れて……、視線を感じて顔を上げると、ちょっぴり温度の下がった瞳の先生と目が合った。

ゲッ、ヤバッ。


いやいやいや、何も疚しい事なんて無いって分かるよね、先生!

俺の必死の訴えに気付いているはずなのに、先生はそ知らぬふりで視線を斜め上へと逸らした。
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