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第三章
お膝抱っこ
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「紫藤先生ー。いらっしゃいますかー?」
物理準備室のドアをドンドンと叩く渚さん。だけど中からは、何の返事も無かった。
「あれー? 南くん、紫藤先生居ないみたいだなあ。どうしよっか、せっかくだからお家まで……」
と、途端に中からガタガタと椅子を引くような音がしたと思ったら、先生が勢い良くバタンとドアを開けた。
「なんだよ、居るなら居るってちゃんと返事しろよな」
そう言いながら、ニヤニヤする渚さんを先生が忌々しそうに見ている。
「……入れよ」
低い声で促されてちょっとビビるけど、ニコニコ笑う渚さんと一緒に準備室に入った。
ドカッと荒々しく椅子に腰かけ、長い足を横柄に組む紫藤先生。
その横の空いている席に渚さんが座った。
どうしよう。俺、どこに座ろうかな?
キョロキョロ辺りを見回すけど、椅子の代わりになりそうな物はどうやら無い。
「南、カギ閉めてこっちに来い」
「はい」
言われた通りカギを閉めて、先生のもとに走り寄る。すると、先生に腕を引かれて気が付いたら先生の膝の上にお座り状態になっていた。
「えっ、えっ?」
慌てる俺に、先生は素知らぬ顔で腕を前に回してきた。そしてよいしょと俺を引き寄せるように座りなおす。おかげで俺の背中に先生の体温が……!
「ぶはっ…!」
そんな俺たちを黙って見ていた渚さんが、耐えきれないといったように盛大に噴き出した。
「澪……、お前っ」
きっとまたツボに入ったんだろう、渚さんはヒーヒーと苦しそうに笑っている。
目の前で盛大に笑われて、凄く、凄く恥ずかしいんですけど、先生!
だけど紫藤先生はまるで動じる風もなく、俺を抱きしめる腕を緩めようともしない。紫藤先生は俺の背後にいるから、どんな顔をしているのかは分からないけど。
「お前のせいで椅子が足りないんだ。仕方がないだろう」
「ハ、アハハ……ッ。じ、じゃあお前……っ、ク、ククク……ッ、椅子が足りなきゃ、み……ッ、プククク……みんなにそうするのかよ……。~~~腹いてー…!」
「ンなわけあるか」
そう言って一呼吸置いた後、紫藤先生が俺の右耳に顔を近づけて来た。顔の右側がすげー熱い。
もちろん俺の心臓は、一気に激しく鳴り始めた。
「南だけに決まっている」
毒のように低く甘い先生の声。
吹き込まれるように囁かれて、俺の顔は瞬時に熱くなった。
物理準備室のドアをドンドンと叩く渚さん。だけど中からは、何の返事も無かった。
「あれー? 南くん、紫藤先生居ないみたいだなあ。どうしよっか、せっかくだからお家まで……」
と、途端に中からガタガタと椅子を引くような音がしたと思ったら、先生が勢い良くバタンとドアを開けた。
「なんだよ、居るなら居るってちゃんと返事しろよな」
そう言いながら、ニヤニヤする渚さんを先生が忌々しそうに見ている。
「……入れよ」
低い声で促されてちょっとビビるけど、ニコニコ笑う渚さんと一緒に準備室に入った。
ドカッと荒々しく椅子に腰かけ、長い足を横柄に組む紫藤先生。
その横の空いている席に渚さんが座った。
どうしよう。俺、どこに座ろうかな?
キョロキョロ辺りを見回すけど、椅子の代わりになりそうな物はどうやら無い。
「南、カギ閉めてこっちに来い」
「はい」
言われた通りカギを閉めて、先生のもとに走り寄る。すると、先生に腕を引かれて気が付いたら先生の膝の上にお座り状態になっていた。
「えっ、えっ?」
慌てる俺に、先生は素知らぬ顔で腕を前に回してきた。そしてよいしょと俺を引き寄せるように座りなおす。おかげで俺の背中に先生の体温が……!
「ぶはっ…!」
そんな俺たちを黙って見ていた渚さんが、耐えきれないといったように盛大に噴き出した。
「澪……、お前っ」
きっとまたツボに入ったんだろう、渚さんはヒーヒーと苦しそうに笑っている。
目の前で盛大に笑われて、凄く、凄く恥ずかしいんですけど、先生!
だけど紫藤先生はまるで動じる風もなく、俺を抱きしめる腕を緩めようともしない。紫藤先生は俺の背後にいるから、どんな顔をしているのかは分からないけど。
「お前のせいで椅子が足りないんだ。仕方がないだろう」
「ハ、アハハ……ッ。じ、じゃあお前……っ、ク、ククク……ッ、椅子が足りなきゃ、み……ッ、プククク……みんなにそうするのかよ……。~~~腹いてー…!」
「ンなわけあるか」
そう言って一呼吸置いた後、紫藤先生が俺の右耳に顔を近づけて来た。顔の右側がすげー熱い。
もちろん俺の心臓は、一気に激しく鳴り始めた。
「南だけに決まっている」
毒のように低く甘い先生の声。
吹き込まれるように囁かれて、俺の顔は瞬時に熱くなった。
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