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第四章
本気で怒ってる2
俺はどんどん遠くなっていく先生の後姿をボーッと眺めた後、家に帰ろうと歩き始めた。
家に着いて、いつものようにご飯を食べて風呂入って、部屋に戻ってぼんやりと考える。
俺はどうしたら良かったんだろう。
あの時、紫藤先生と高階先生の噂話を聞いたとき、先生からの連絡なんて待たずに、俺の方から『どういう事?』ってメールを打てば良かったんだろうか……。
「でもさ……」
ポツリと言葉を漏らして、ベッドにコロンと転がる。
確かに俺も、先生が嫌がる鳥海先生の所に行ったのは悪かったと思うけど……。
それでもやっぱり、あんな噂を立てられて否定をしないでいるんなら、その理由を恋人である俺くらいには真っ先に教えて欲しいよ。
どんな理由があるのだとしても、あんな風に色っぽい先生と仲睦まじくしてる様子を見せられて、俺が平気で居られる分けが無いのに……。
机の上に置いたスマホに目線を送る。これで何度目だろう。
何度見たって、先生からの着信があるわけでも無く……。モヤモヤだけが広がっていく。
なんでも良いからこっちから折れて謝ればいいじゃん!って、俺の中の天使がそう囁くけど、先生の方が悪いんじゃないかって喚く悪魔も居る。
モヤモヤしたままベッドの上で寝ころんでいたせいで、気が付いたらそのまま朝を迎えてしまっていた。
◇◇◇◇
そして、あろうことか今日は物理の授業がある。
どうせなら昨日有って欲しかった。そしたら俺の方から先生を捕まえて、高階先生とのことを問い詰める事が出来たかもしれないのに。
「どうした、何かあった? 落ち着かねーな?」
利一が心配そうに、俺の顔を覗き込んだ。
「……や、別に……」
一応言葉では否定はしたものの、落ち着けない気持ちだけは隠しようがなかった。
先生から連絡が来ない拗ねた気持ちと、自分から素直に謝れない変な焦りのような気持ちが拍車をかけて、俺の心の中はどう表現したらいいのか分からないくらいに混乱していたんだ。
「なんだ、なんだー? らしくねーな。困った事があるんなら、このお兄さんに相談しなさい。金は無いが愛はあるぞー」
ふざけた口調でそう言いながら、俺の頭をわしゃわしゃと撫でまわす。ニヤリと笑うその表情が、少しだけ俺のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。
ホント、利一って良い奴。
俺が言いたくない事を察してくれて、わざとふざけてくれている。そう思ったら何だか泣けてきて、目の奥が熱くなった。
「お兄ちゃーん」
俺はそのおふざけに乗った振りをして、利一にしがみ付き泣きそうな顔を咄嗟に隠した。利一は笑いながら、よしよしと俺の背中をポンポンと叩く。
そうやっていると何だか可笑しくなってきて、どちらともなく気が付いたら、クスクスと忍び笑いを始めていた。
「あ」
利一の声に『え?』と思い、利一から体を離す。
「仲いいね、君たち」
せ、先生!?
びっくりして振り返ると、プリントを手にした先生が立っていた。
「はい、兄弟なんす。俺たち」
未だおふざけモードで返事をする利一に、先生もニコニコ笑いながら「そうなの?」と返している。
「お楽しみのところ申し訳ないけど、このプリント、みんなに配っておいてくれるかな?」
「わかった」
差し出されたプリントを利一が持って、席を立った。
それと同時に先生も、そのまま教壇の方へと戻って行ってしまった。
そして授業中、先生のことをじっと見続けていたけど、先生と目が合うことは一度も無かった。
家に着いて、いつものようにご飯を食べて風呂入って、部屋に戻ってぼんやりと考える。
俺はどうしたら良かったんだろう。
あの時、紫藤先生と高階先生の噂話を聞いたとき、先生からの連絡なんて待たずに、俺の方から『どういう事?』ってメールを打てば良かったんだろうか……。
「でもさ……」
ポツリと言葉を漏らして、ベッドにコロンと転がる。
確かに俺も、先生が嫌がる鳥海先生の所に行ったのは悪かったと思うけど……。
それでもやっぱり、あんな噂を立てられて否定をしないでいるんなら、その理由を恋人である俺くらいには真っ先に教えて欲しいよ。
どんな理由があるのだとしても、あんな風に色っぽい先生と仲睦まじくしてる様子を見せられて、俺が平気で居られる分けが無いのに……。
机の上に置いたスマホに目線を送る。これで何度目だろう。
何度見たって、先生からの着信があるわけでも無く……。モヤモヤだけが広がっていく。
なんでも良いからこっちから折れて謝ればいいじゃん!って、俺の中の天使がそう囁くけど、先生の方が悪いんじゃないかって喚く悪魔も居る。
モヤモヤしたままベッドの上で寝ころんでいたせいで、気が付いたらそのまま朝を迎えてしまっていた。
◇◇◇◇
そして、あろうことか今日は物理の授業がある。
どうせなら昨日有って欲しかった。そしたら俺の方から先生を捕まえて、高階先生とのことを問い詰める事が出来たかもしれないのに。
「どうした、何かあった? 落ち着かねーな?」
利一が心配そうに、俺の顔を覗き込んだ。
「……や、別に……」
一応言葉では否定はしたものの、落ち着けない気持ちだけは隠しようがなかった。
先生から連絡が来ない拗ねた気持ちと、自分から素直に謝れない変な焦りのような気持ちが拍車をかけて、俺の心の中はどう表現したらいいのか分からないくらいに混乱していたんだ。
「なんだ、なんだー? らしくねーな。困った事があるんなら、このお兄さんに相談しなさい。金は無いが愛はあるぞー」
ふざけた口調でそう言いながら、俺の頭をわしゃわしゃと撫でまわす。ニヤリと笑うその表情が、少しだけ俺のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。
ホント、利一って良い奴。
俺が言いたくない事を察してくれて、わざとふざけてくれている。そう思ったら何だか泣けてきて、目の奥が熱くなった。
「お兄ちゃーん」
俺はそのおふざけに乗った振りをして、利一にしがみ付き泣きそうな顔を咄嗟に隠した。利一は笑いながら、よしよしと俺の背中をポンポンと叩く。
そうやっていると何だか可笑しくなってきて、どちらともなく気が付いたら、クスクスと忍び笑いを始めていた。
「あ」
利一の声に『え?』と思い、利一から体を離す。
「仲いいね、君たち」
せ、先生!?
びっくりして振り返ると、プリントを手にした先生が立っていた。
「はい、兄弟なんす。俺たち」
未だおふざけモードで返事をする利一に、先生もニコニコ笑いながら「そうなの?」と返している。
「お楽しみのところ申し訳ないけど、このプリント、みんなに配っておいてくれるかな?」
「わかった」
差し出されたプリントを利一が持って、席を立った。
それと同時に先生も、そのまま教壇の方へと戻って行ってしまった。
そして授業中、先生のことをじっと見続けていたけど、先生と目が合うことは一度も無かった。
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