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第六章
オムレツを作ってみよう 3
俺たちの会話を苦笑いしながら聞いていた志緒利さんが、オリーブオイルを手にして近づいてきた。
「じゃあ南くん。フライパンを温めたら、このオリーブオイルを入れてね。それで卵を投入して表面がぷくぷくって膨らんだら、フライパンを火から外して手早く卵をかき混ぜるの。卵が固まっちゃうと出来が今一になっちゃうから気を付けてね。そして卵全体を手前に引き寄せて、形良くしましょう。最後に卵をひっくり返して、焼き加減を整えたら完成よ」
志緒利さんの、まさにこれだけだからね。といった説明に、ちょっと緊張。
言うは易しで、実行にはそれなりの経験がものを言いそうだ。
とりあえず深呼吸をしてから、火を点ける。そしてオリーブオイルを入れて、溶いた卵を入れた。
すぐにプクプクになったので、フライパンを火から外して必死に掻き混ぜた。
手早く手早くと思うあまり、卵が鍋のあちこちに散乱する。
これはちょっと拙いかもーと、思っていたら志緒利さんの切羽詰まった声が飛んだ。
「南くん、それ、もういいから鍋の手前に引き寄せて!」
「うわっ、は、はい」
言われて慌てて引き寄せるも、ポロポロになっている部分もかなりあり、フワとろとはとても言い難い。
触感に難ありで、形もまとまらず崩れ切っている。しかも、ちょっと焦げた部分がチラホラ。
「うう~。これきっとボソボソだよね」
「……そうかもしれないけど、初めてにしては凄く上手いと思うよ?」
肩を落とす俺を気遣って、志緒利さんが励ましてくれた。
「そうだな。じゃあ、これは俺が……」
「ちょっと待って! これは俺が食べるから!」
先生が取り上げる前に、俺はサッと皿を自分の手元に引き寄せた。それに不満げに眉を顰めた先生に、笑いが零れる。
「もう一個焼くから。先生は、それ食べて?」
今度は、これよりも絶対美味しく焼くんだと意気込む俺に、先生が目をぱちくりとさせた。
そしてすぐに、甘く綻んだ笑顔へと変わる。
「分かった。じゃあ、それでいい」
先生の優しい表情と声音に、近くに居た志緒利さんら3人が驚いたような顔をした。
そして俺と先生を交互に見て、「本当に先生してるんだね」とコソコソとしゃべりながら、でも俺のことを探るような目つきで見ている。
ナンカチョツト怖いぞ……。
その後出来上がったオムレツは、最初に作ったそれよりはマシではあったけど、およそフワとろとは遠いレベルの代物だった。
「じゃあ南くん。フライパンを温めたら、このオリーブオイルを入れてね。それで卵を投入して表面がぷくぷくって膨らんだら、フライパンを火から外して手早く卵をかき混ぜるの。卵が固まっちゃうと出来が今一になっちゃうから気を付けてね。そして卵全体を手前に引き寄せて、形良くしましょう。最後に卵をひっくり返して、焼き加減を整えたら完成よ」
志緒利さんの、まさにこれだけだからね。といった説明に、ちょっと緊張。
言うは易しで、実行にはそれなりの経験がものを言いそうだ。
とりあえず深呼吸をしてから、火を点ける。そしてオリーブオイルを入れて、溶いた卵を入れた。
すぐにプクプクになったので、フライパンを火から外して必死に掻き混ぜた。
手早く手早くと思うあまり、卵が鍋のあちこちに散乱する。
これはちょっと拙いかもーと、思っていたら志緒利さんの切羽詰まった声が飛んだ。
「南くん、それ、もういいから鍋の手前に引き寄せて!」
「うわっ、は、はい」
言われて慌てて引き寄せるも、ポロポロになっている部分もかなりあり、フワとろとはとても言い難い。
触感に難ありで、形もまとまらず崩れ切っている。しかも、ちょっと焦げた部分がチラホラ。
「うう~。これきっとボソボソだよね」
「……そうかもしれないけど、初めてにしては凄く上手いと思うよ?」
肩を落とす俺を気遣って、志緒利さんが励ましてくれた。
「そうだな。じゃあ、これは俺が……」
「ちょっと待って! これは俺が食べるから!」
先生が取り上げる前に、俺はサッと皿を自分の手元に引き寄せた。それに不満げに眉を顰めた先生に、笑いが零れる。
「もう一個焼くから。先生は、それ食べて?」
今度は、これよりも絶対美味しく焼くんだと意気込む俺に、先生が目をぱちくりとさせた。
そしてすぐに、甘く綻んだ笑顔へと変わる。
「分かった。じゃあ、それでいい」
先生の優しい表情と声音に、近くに居た志緒利さんら3人が驚いたような顔をした。
そして俺と先生を交互に見て、「本当に先生してるんだね」とコソコソとしゃべりながら、でも俺のことを探るような目つきで見ている。
ナンカチョツト怖いぞ……。
その後出来上がったオムレツは、最初に作ったそれよりはマシではあったけど、およそフワとろとは遠いレベルの代物だった。
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