90 / 158
第六章
気になる存在
それから、人数分のパンをトースターで焼き、お湯を沸かしてカップスープを溶かしてテーブルへと運ぶ。
もちろん他の人のオムレツは、志緒利さんが手早く作った。
「はい、お待たせー」
それぞれの前に置かれた朝食を見て、渚さんが「おやっ」という顔をした。
「南くんと澪のオムレツだけ、ちょっと感じが違うな。失敗作? イデッ!」
ある意味無神経な発言に、先生がすかさずチョップをお見舞いした。
「これは南の初料理だ。悪く言うな」
「え? それ、南くんが作ったの!? うわ、そうなんだ。悪い!」
渚さんは驚いて、だけどすぐに俺に謝ってくれた。
「あ、大丈夫です。俺、将来のことで色々考えていて、栄養士とかどうかなーって思ってるんで、料理の事試してみたくって。先生には悪いんだけど、初めて作るものだからやっぱ上手く出来なくて」
「えー? 悪くなんて無いだろ? そういう事だったら俺も協力したかったな。可愛い南くんの役に立てるんなら、俺もうれしいぞ?」
「あ、ありがとうございます」
渚さんは、やっぱり優しい。紫藤先生の親友が、この人で良かったなってホントそう思う。
気持ちがホクホクしたところで、スプーンでオムレツをカチャカチャと切り取り、掬い取って口に頬張る。
うん……。見た目通り、ぼそぼそしている。およそフワとろには程遠い。
でも、オムレツを作るのは結構楽しかった。
もちろん先生が食べるって言ってくれたから、そのせいもあるのかもしれないけど。
不味いものを食べさせたくないって気持ちはやっぱりあるけど、それ以上に俺のモノが良いって言ってくれているようで、その気持ちがうれしかったんだ。
「可愛いなー、南くん。紫藤が可愛がってるだけの事はあるな」
「は……、え?」
渚さんの言う可愛いって言葉は、なんとなく理解できて素直に受け取れるけれど、この遠山さんって人とはまだ意思の疎通が出来ていると言える間柄じゃないから、なんだか変な気分だ。
だから、どう返事をしていいのか分からなくて戸惑った。
「おい、南が戸惑っているだろ? 変なちょっかい出すんじゃないよ」
遠山さんを軽く威嚇してから、先生はオムレツを口に運ぶ。
「うん。結構イケるじゃないか」
そう言ってにっこり笑う先生に、さらに目を瞬かせた遠山さんは、「やっぱり、気になるよなー」と意味深に微笑んで、俺にチラリと視線を向けた。
もちろん他の人のオムレツは、志緒利さんが手早く作った。
「はい、お待たせー」
それぞれの前に置かれた朝食を見て、渚さんが「おやっ」という顔をした。
「南くんと澪のオムレツだけ、ちょっと感じが違うな。失敗作? イデッ!」
ある意味無神経な発言に、先生がすかさずチョップをお見舞いした。
「これは南の初料理だ。悪く言うな」
「え? それ、南くんが作ったの!? うわ、そうなんだ。悪い!」
渚さんは驚いて、だけどすぐに俺に謝ってくれた。
「あ、大丈夫です。俺、将来のことで色々考えていて、栄養士とかどうかなーって思ってるんで、料理の事試してみたくって。先生には悪いんだけど、初めて作るものだからやっぱ上手く出来なくて」
「えー? 悪くなんて無いだろ? そういう事だったら俺も協力したかったな。可愛い南くんの役に立てるんなら、俺もうれしいぞ?」
「あ、ありがとうございます」
渚さんは、やっぱり優しい。紫藤先生の親友が、この人で良かったなってホントそう思う。
気持ちがホクホクしたところで、スプーンでオムレツをカチャカチャと切り取り、掬い取って口に頬張る。
うん……。見た目通り、ぼそぼそしている。およそフワとろには程遠い。
でも、オムレツを作るのは結構楽しかった。
もちろん先生が食べるって言ってくれたから、そのせいもあるのかもしれないけど。
不味いものを食べさせたくないって気持ちはやっぱりあるけど、それ以上に俺のモノが良いって言ってくれているようで、その気持ちがうれしかったんだ。
「可愛いなー、南くん。紫藤が可愛がってるだけの事はあるな」
「は……、え?」
渚さんの言う可愛いって言葉は、なんとなく理解できて素直に受け取れるけれど、この遠山さんって人とはまだ意思の疎通が出来ていると言える間柄じゃないから、なんだか変な気分だ。
だから、どう返事をしていいのか分からなくて戸惑った。
「おい、南が戸惑っているだろ? 変なちょっかい出すんじゃないよ」
遠山さんを軽く威嚇してから、先生はオムレツを口に運ぶ。
「うん。結構イケるじゃないか」
そう言ってにっこり笑う先生に、さらに目を瞬かせた遠山さんは、「やっぱり、気になるよなー」と意味深に微笑んで、俺にチラリと視線を向けた。
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています