98 / 158
第六章
怖い遠山さん 2
しおりを挟む
手に持っている籠をテーブルの上にそっと置いて逃げようとした瞬間、遠山さんに思いっきり突き飛ばすようにして押し倒される。
「痛っ!!」
呻く俺に遠山さんが覆い被さってきた。
俺の両足を遠山さんは脚で抑え込み、片手で俺の肩を床に押し付けて、空いている手で俺のシャツを上に捲し上げた。
「あいつのことだ。絶対に痕、付けまくってるだろ」
「止めろ! 何すんですか! 離してくださいっ」
先生以外の男の人に、直に肌を撫でられるなんて気持ちが悪い。
俺はとにかくこの状態を何とかしたくて、必死だった。押さえつけられていない空いてる手で、遠山さんの腕を掴んで引き剥がそうとした。
なのに、シャツが伸びるだけで遠山さんはびくともしない。そして俺の体をまるで見分でもするかのように凝視している。
「止めろったら、離せよ! 離せったら、離せーー!」
「煩い! 黙ってろ!」
凄い形相で恫喝されて、一瞬体が委縮したけど、すぐに怒りが湧き出てきた。
舐めるように見るその目が、本気で気持ちが悪い。
凄く理不尽なことをされているんだと思えてきて、とにかくこいつを一発でも殴ってやるんだと思ってがむしゃらに体に力を込めて反抗した。
「嘘……だろ?」
「は……っ? それはこっちのセリフだ。いい加減、そこ退けよ!」
「なんで無いんだ?」
俺の罵声を無視して、遠山さんはまだ俺の体をジロジロ見ている。
「キスマークだよ! 背中か? 尻か? 後ろ向いてみろ!」
「何言ってんだ! 俺と先生はそんなんじゃないって言ってるだろ! 気持ち悪いからいい加減止めてよ!」
昨夜は確かに先生としたけど、だけどキスマークを付けられた記憶は無い。しかも、ここには先生と2人きりでは無くて大勢の人がいるんだ。リスクを回避したいと俺以上に考えている先生が、そんなことをするわけが無いんだ。
だけど少し不安なのは、初めてお互いを欲した夜だったから、すごく興奮してお互いイッちゃって、理性を無くしてしまっている可能性は否定できないことだ。
「後ろ向けって言ってんだろ!」
「嫌だ! 止めろ、離せっ」
遠山さんが俺の体をひっくり返そうと、体を移動した。圧し掛かっていた体重が離れたことで、やっと自由になれた。
俺は、空いた脚で遠山さんを思いっきり蹴飛ばす。よろけた遠山さんが尻餅を着いたのを見て、立ち上がって逃げようとした。
だけど、自分が思っていた以上に遠山さんにされたことが怖かったようで、足に力が入らない。ガクガクと震える足を叱咤して一歩足を前に踏み出したとき、今度は遠山さんに足を取られて思いっきり転んでしまった。
その拍子に、ガターンと大きく椅子が倒れる。
ヤバイ、と思った瞬間、今度は俺はうつ伏せに床に押し付けられていた。
「痛っ!!」
呻く俺に遠山さんが覆い被さってきた。
俺の両足を遠山さんは脚で抑え込み、片手で俺の肩を床に押し付けて、空いている手で俺のシャツを上に捲し上げた。
「あいつのことだ。絶対に痕、付けまくってるだろ」
「止めろ! 何すんですか! 離してくださいっ」
先生以外の男の人に、直に肌を撫でられるなんて気持ちが悪い。
俺はとにかくこの状態を何とかしたくて、必死だった。押さえつけられていない空いてる手で、遠山さんの腕を掴んで引き剥がそうとした。
なのに、シャツが伸びるだけで遠山さんはびくともしない。そして俺の体をまるで見分でもするかのように凝視している。
「止めろったら、離せよ! 離せったら、離せーー!」
「煩い! 黙ってろ!」
凄い形相で恫喝されて、一瞬体が委縮したけど、すぐに怒りが湧き出てきた。
舐めるように見るその目が、本気で気持ちが悪い。
凄く理不尽なことをされているんだと思えてきて、とにかくこいつを一発でも殴ってやるんだと思ってがむしゃらに体に力を込めて反抗した。
「嘘……だろ?」
「は……っ? それはこっちのセリフだ。いい加減、そこ退けよ!」
「なんで無いんだ?」
俺の罵声を無視して、遠山さんはまだ俺の体をジロジロ見ている。
「キスマークだよ! 背中か? 尻か? 後ろ向いてみろ!」
「何言ってんだ! 俺と先生はそんなんじゃないって言ってるだろ! 気持ち悪いからいい加減止めてよ!」
昨夜は確かに先生としたけど、だけどキスマークを付けられた記憶は無い。しかも、ここには先生と2人きりでは無くて大勢の人がいるんだ。リスクを回避したいと俺以上に考えている先生が、そんなことをするわけが無いんだ。
だけど少し不安なのは、初めてお互いを欲した夜だったから、すごく興奮してお互いイッちゃって、理性を無くしてしまっている可能性は否定できないことだ。
「後ろ向けって言ってんだろ!」
「嫌だ! 止めろ、離せっ」
遠山さんが俺の体をひっくり返そうと、体を移動した。圧し掛かっていた体重が離れたことで、やっと自由になれた。
俺は、空いた脚で遠山さんを思いっきり蹴飛ばす。よろけた遠山さんが尻餅を着いたのを見て、立ち上がって逃げようとした。
だけど、自分が思っていた以上に遠山さんにされたことが怖かったようで、足に力が入らない。ガクガクと震える足を叱咤して一歩足を前に踏み出したとき、今度は遠山さんに足を取られて思いっきり転んでしまった。
その拍子に、ガターンと大きく椅子が倒れる。
ヤバイ、と思った瞬間、今度は俺はうつ伏せに床に押し付けられていた。
1
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる
ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。
そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。
「一緒にコラボ配信、しない?」
顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。
これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。
※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。
鈴木さんちの家政夫
ユキヤナギ
BL
「もし家事全般を請け負ってくれるなら、家賃はいらないよ」そう言われて鈴木家の住み込み家政夫になった智樹は、雇い主の彩葉に心惹かれていく。だが彼には、一途に想い続けている相手がいた。彩葉の恋を見守るうちに、智樹は心に芽生えた大切な気持ちに気付いていく。
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる