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第七章
先生の家族 4
ご飯を食べ終わって、店を出た。
渚さんたちとはここで別れて、俺と先生は、先生の住むマンションへと向かった。
「あ、そうだ。先生、マンションに行く前に近所のスーパーに寄ろうよ」
「スーパー?」
「うん。どうせ、先生の冷蔵庫には食材とかは入って無いんだろ? カレーだったら俺も何とか作れそうだし」
「……分かった、そうしよう」
「うん」
中学の時の遠足で、カレーはみんなで作った記憶がある。だからこれくらいは大丈夫だと思うんだけど……。
ああ、でもほとんど料理したのは女子だったな。
ちょっとレシピ検索してみるか。カレーの初心者で……。
ふむふむ。
うん、何とか俺にも出来そうだよな。
野菜は、もっと先生に食べてほしいからスーパーでお惣菜のサラダもついでに買おう。
俺は頭の中をカレー作りでいっぱいにしていたら、ふと視線を感じた。
ひょいと顔を上げると、スーパーにもう着いていたらしい。苦笑交じりの先生と目が合った。
「あ、ごめん。着いてたんだね。気が付かなかった」
慌ててシートベルトを外す俺に、先生は笑って急がないで良いと言った。
「お前さ、本当に栄養士になる気なのか?」
「うん。料理するのって結構俺に合ってそうだし、それにさ……」
「うん?」
「コテージで料理させてもらって、先生が食べてくれたでしょ? あの時、嬉しいって思ったんだ。俺が勉強したことで先生の為になることがあるんなら、それが一番したいことだって思うんだ。だから仕事はついで。したいことを仕事として活かす場があるんなら、一石二鳥でしょ?」
「南……」
絶句したように俺の名を呼ぶ先生。
あ、もしかしてちょっと引かれちゃったかな。好きになりすぎてる自覚はあるから、重いって思われたらどうしよう。
「お前、ずっと俺のこと好きでいてくれよ?」
「……え?」
思いもよらない事を言われて、キョトンと先生を見上げた。
「もちろん、そうあってくれるように俺も努力はするけど」
「せん……せい。も、もちろん俺だって……、努力、するよ……。せんせ……っ」
「……参ったな、ホントに」
先生が言わんとしていることが何なのかを理解したとたん、熱いものが胸の中からこみ上げて来た。おまけにそれが目から出ていこうとするもんだから、恥ずかしくて止めようと必死で堪える。
「可愛すぎるんだよ、お前は。ホントに……、もう手放せそうにないぞ」
「離しちゃだめだよ! 俺、先生と結婚するんだからね!」
真顔で叫んだら、先生がキョトンと目を見開く。だけどその顔は、すぐに花が綻ぶようなきれいな笑顔に変化していった。
「そうだったな。……お前は、最初からそうだった」
目を伏せてそっと微笑んだ後、先生は俺の手をキュッと握った。
「買い物に、行くか」
「はい」
俺も涙を拭って、笑顔で先生に返事を返した。
渚さんたちとはここで別れて、俺と先生は、先生の住むマンションへと向かった。
「あ、そうだ。先生、マンションに行く前に近所のスーパーに寄ろうよ」
「スーパー?」
「うん。どうせ、先生の冷蔵庫には食材とかは入って無いんだろ? カレーだったら俺も何とか作れそうだし」
「……分かった、そうしよう」
「うん」
中学の時の遠足で、カレーはみんなで作った記憶がある。だからこれくらいは大丈夫だと思うんだけど……。
ああ、でもほとんど料理したのは女子だったな。
ちょっとレシピ検索してみるか。カレーの初心者で……。
ふむふむ。
うん、何とか俺にも出来そうだよな。
野菜は、もっと先生に食べてほしいからスーパーでお惣菜のサラダもついでに買おう。
俺は頭の中をカレー作りでいっぱいにしていたら、ふと視線を感じた。
ひょいと顔を上げると、スーパーにもう着いていたらしい。苦笑交じりの先生と目が合った。
「あ、ごめん。着いてたんだね。気が付かなかった」
慌ててシートベルトを外す俺に、先生は笑って急がないで良いと言った。
「お前さ、本当に栄養士になる気なのか?」
「うん。料理するのって結構俺に合ってそうだし、それにさ……」
「うん?」
「コテージで料理させてもらって、先生が食べてくれたでしょ? あの時、嬉しいって思ったんだ。俺が勉強したことで先生の為になることがあるんなら、それが一番したいことだって思うんだ。だから仕事はついで。したいことを仕事として活かす場があるんなら、一石二鳥でしょ?」
「南……」
絶句したように俺の名を呼ぶ先生。
あ、もしかしてちょっと引かれちゃったかな。好きになりすぎてる自覚はあるから、重いって思われたらどうしよう。
「お前、ずっと俺のこと好きでいてくれよ?」
「……え?」
思いもよらない事を言われて、キョトンと先生を見上げた。
「もちろん、そうあってくれるように俺も努力はするけど」
「せん……せい。も、もちろん俺だって……、努力、するよ……。せんせ……っ」
「……参ったな、ホントに」
先生が言わんとしていることが何なのかを理解したとたん、熱いものが胸の中からこみ上げて来た。おまけにそれが目から出ていこうとするもんだから、恥ずかしくて止めようと必死で堪える。
「可愛すぎるんだよ、お前は。ホントに……、もう手放せそうにないぞ」
「離しちゃだめだよ! 俺、先生と結婚するんだからね!」
真顔で叫んだら、先生がキョトンと目を見開く。だけどその顔は、すぐに花が綻ぶようなきれいな笑顔に変化していった。
「そうだったな。……お前は、最初からそうだった」
目を伏せてそっと微笑んだ後、先生は俺の手をキュッと握った。
「買い物に、行くか」
「はい」
俺も涙を拭って、笑顔で先生に返事を返した。
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