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第七章
☆番外編☆初めての出会い [紫藤視点]
どうしようかと思った。
前々から浜中先生が俺を見る目がなんだか変だと思っていたが、まさかこんな風に迫ってくるとは思ってもいなかったから。
本来の俺なら、「気持ちが悪い」の一言で一刀両断するところだが、ここは職場だ。しかも職場では優しくて柔らかい態度を心掛けている。
最近はその演技に慣れてしまって、少しやりすぎてしまっていたのかもしれない。だから浜中先生も、俺が断ることが出来ない小心者だと思ってしまったんだろう。
だけど今、ここに居る男子学生が機転を利かせて助けに入ってくれたおかげで、俺は何とか本性を知られずに済んだ。
本当に助かったので礼を言うと、彼はふらふらと近づいてきて俺の腕を取った。
思わず「え?」と声が出たが、彼はそれで我に返ったようで、自分の行動にびっくりして後ずさった。
顔も真っ赤だ。
本来なら、初めて会った時にこんな反応を示すタイプは面倒くさいので敬遠するところだが、どうしてだろう。この子に関しては、素直に可愛いと思えてしまった。
自然と俺は、彼の名前を聞いていた。
「君とは初めて会うよね? 僕は物理を教えている紫藤だ。君は?」
「あ、俺は今度2年に上がる南陽太です。あ、あのっ……」
「何だい?」
「その、下の名前、教えて下さい」
わざわざこうやってフルネームを教えてくれと言われるとは思わなかったので一瞬キョトンとしたが、なぜだか面倒くさいとは思わなかった。それどころか、思わず笑みが零れる。
「紫藤澪だ」
「紫藤、澪……。綺麗な名前……」
「ありがとう」
思わず気持ちが零れたんだろう。呟くように言われたセリフに、くすぐったくなる。
赤くなったり焦ったりするその表情も、かわいらしく感じてしまう。
「あのさぁ・・・」
「うん?」
言いにくそうにしながらも、何かを言わなきゃと決意した表情に、軽く続きを促す。
「もしかして先生さぁ、あんな風に迫られるのって、実は何回もあったりするの?」
思わず苦笑いが零れた。
良くも悪くもこの容姿だ。たまに俺の性格を知らない奴が、ちょっかいを出してくることは何度かあった。
もちろん、学校関係者は初めてだが。
「何回もという事は無いけど……、たまにね」
「ええっ!? 大丈夫なのかよ。先生、押し倒された事とかあるんじゃねーの?」
「まさか。そこまでは、されてないよ」
暗に心配いらないよ、と言うつもりで笑顔で答えた。
だけどその俺の表情が、危機感を知らない危ない人と思われてしまったようで、決意に塗れた顔で宣言されてしまった。
「俺、先生のこと守ってやるから!」
びっくりしたのは言うまでもない。
だけど彼のその表情は、真剣そのものだったのだ。
前々から浜中先生が俺を見る目がなんだか変だと思っていたが、まさかこんな風に迫ってくるとは思ってもいなかったから。
本来の俺なら、「気持ちが悪い」の一言で一刀両断するところだが、ここは職場だ。しかも職場では優しくて柔らかい態度を心掛けている。
最近はその演技に慣れてしまって、少しやりすぎてしまっていたのかもしれない。だから浜中先生も、俺が断ることが出来ない小心者だと思ってしまったんだろう。
だけど今、ここに居る男子学生が機転を利かせて助けに入ってくれたおかげで、俺は何とか本性を知られずに済んだ。
本当に助かったので礼を言うと、彼はふらふらと近づいてきて俺の腕を取った。
思わず「え?」と声が出たが、彼はそれで我に返ったようで、自分の行動にびっくりして後ずさった。
顔も真っ赤だ。
本来なら、初めて会った時にこんな反応を示すタイプは面倒くさいので敬遠するところだが、どうしてだろう。この子に関しては、素直に可愛いと思えてしまった。
自然と俺は、彼の名前を聞いていた。
「君とは初めて会うよね? 僕は物理を教えている紫藤だ。君は?」
「あ、俺は今度2年に上がる南陽太です。あ、あのっ……」
「何だい?」
「その、下の名前、教えて下さい」
わざわざこうやってフルネームを教えてくれと言われるとは思わなかったので一瞬キョトンとしたが、なぜだか面倒くさいとは思わなかった。それどころか、思わず笑みが零れる。
「紫藤澪だ」
「紫藤、澪……。綺麗な名前……」
「ありがとう」
思わず気持ちが零れたんだろう。呟くように言われたセリフに、くすぐったくなる。
赤くなったり焦ったりするその表情も、かわいらしく感じてしまう。
「あのさぁ・・・」
「うん?」
言いにくそうにしながらも、何かを言わなきゃと決意した表情に、軽く続きを促す。
「もしかして先生さぁ、あんな風に迫られるのって、実は何回もあったりするの?」
思わず苦笑いが零れた。
良くも悪くもこの容姿だ。たまに俺の性格を知らない奴が、ちょっかいを出してくることは何度かあった。
もちろん、学校関係者は初めてだが。
「何回もという事は無いけど……、たまにね」
「ええっ!? 大丈夫なのかよ。先生、押し倒された事とかあるんじゃねーの?」
「まさか。そこまでは、されてないよ」
暗に心配いらないよ、と言うつもりで笑顔で答えた。
だけどその俺の表情が、危機感を知らない危ない人と思われてしまったようで、決意に塗れた顔で宣言されてしまった。
「俺、先生のこと守ってやるから!」
びっくりしたのは言うまでもない。
だけど彼のその表情は、真剣そのものだったのだ。
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