141 / 158
第八章
今、起きている事 7
ご飯を食べ終えて、先生たちが追加注文したコーヒーと俺の注文したアイスティがやって来た。
「……やっぱ、お前が淹れる方が美味いな」
「それは無い」
なんだか良いなあ。この2人。
俺と利一の感じとはまた違って、ぶっきらぼうだけど信頼しあってる関係なんだなってそう思える。
もちろん俺らだって信頼しあっているとは思うけど。
「ああ、そうだ南」
「何?」
「お味噌汁を飲ませてもらうのは、もう少し後でな。ごたごたが解決したら、真っ先にお願いするから」
「分かった。それまでに、飛びっきり美味しいお味噌汁が作れるように頑張るよ」
「楽しみにしてる」
にっこり笑う先生に、約束を反故にする気は無いと言ってもらえて俺もホッコリ。
「じいーっ」
「…………」
「じいーっ」
「……渚さん?」
テーブルに肘をついて顎を乗せ、俺らをジッと見ながら何やら発している。
「いいなあ、澪は。南くんのお味噌汁が飲めるんだぁ」
「…………」
「いいなあ」
「あ、え~っと、渚さんも飲みますか?」
「え! 良いの? ヤッター」
「おい」
低く不機嫌な声で睨む先生に、渚さんが笑いながら答えた。
「あ、大丈夫。初日には行かないから。2度目に澪にお味噌汁を作る日に俺の事呼んでね♪」
「はい」
「ったくー。お前、今好きな子がいるって言ってただろ? その子に頼めばいいじゃねーか」
「あ、渚さん彼女いるんですか?」
「いやいや、まだ彼女ではないよ。気になる程度だから、のんびり押していこうかなと。そんな感じ」
「ふうん……」
「何?」
「渚さんカッコイイし優しいから、彼女なんてその気になればすぐ出来そうだなって」
「……ふっ」
「え?」
真面目に話している俺の隣で先生が堪えきれないといったように、笑い声を漏らした。
「確かにこいつはモテるけど、好みが煩いんだ。だから、ちょっとイイナってくらいじゃ靡かない。普段は大らかなのに、恋愛には何でか知らないけど慎重なんだよな」
「るせ。お前だってそうだろ」
「俺は全体的に煩いから不思議でもなんでもないんだよ」
「……先生たちって、ホント宝の持ち腐れってやつだよね」
「ああ?」
「だって、紫藤先生は息をのむくらい綺麗だし、渚さんは羨ましいくらいカッコいいのに好みが煩いだなんて……」
「――節操がありすぎて良かったんじゃないのか? おかげで南と知り合った時に売約済みじゃなかったんだからな」
口角を上げて、意地悪い笑みを湛えながら話す先生が色っぽくてキュンとした。
真っ赤になってコクコク頷く俺に、先生だけじゃなくて渚さんまで爆笑していた。
「……やっぱ、お前が淹れる方が美味いな」
「それは無い」
なんだか良いなあ。この2人。
俺と利一の感じとはまた違って、ぶっきらぼうだけど信頼しあってる関係なんだなってそう思える。
もちろん俺らだって信頼しあっているとは思うけど。
「ああ、そうだ南」
「何?」
「お味噌汁を飲ませてもらうのは、もう少し後でな。ごたごたが解決したら、真っ先にお願いするから」
「分かった。それまでに、飛びっきり美味しいお味噌汁が作れるように頑張るよ」
「楽しみにしてる」
にっこり笑う先生に、約束を反故にする気は無いと言ってもらえて俺もホッコリ。
「じいーっ」
「…………」
「じいーっ」
「……渚さん?」
テーブルに肘をついて顎を乗せ、俺らをジッと見ながら何やら発している。
「いいなあ、澪は。南くんのお味噌汁が飲めるんだぁ」
「…………」
「いいなあ」
「あ、え~っと、渚さんも飲みますか?」
「え! 良いの? ヤッター」
「おい」
低く不機嫌な声で睨む先生に、渚さんが笑いながら答えた。
「あ、大丈夫。初日には行かないから。2度目に澪にお味噌汁を作る日に俺の事呼んでね♪」
「はい」
「ったくー。お前、今好きな子がいるって言ってただろ? その子に頼めばいいじゃねーか」
「あ、渚さん彼女いるんですか?」
「いやいや、まだ彼女ではないよ。気になる程度だから、のんびり押していこうかなと。そんな感じ」
「ふうん……」
「何?」
「渚さんカッコイイし優しいから、彼女なんてその気になればすぐ出来そうだなって」
「……ふっ」
「え?」
真面目に話している俺の隣で先生が堪えきれないといったように、笑い声を漏らした。
「確かにこいつはモテるけど、好みが煩いんだ。だから、ちょっとイイナってくらいじゃ靡かない。普段は大らかなのに、恋愛には何でか知らないけど慎重なんだよな」
「るせ。お前だってそうだろ」
「俺は全体的に煩いから不思議でもなんでもないんだよ」
「……先生たちって、ホント宝の持ち腐れってやつだよね」
「ああ?」
「だって、紫藤先生は息をのむくらい綺麗だし、渚さんは羨ましいくらいカッコいいのに好みが煩いだなんて……」
「――節操がありすぎて良かったんじゃないのか? おかげで南と知り合った時に売約済みじゃなかったんだからな」
口角を上げて、意地悪い笑みを湛えながら話す先生が色っぽくてキュンとした。
真っ赤になってコクコク頷く俺に、先生だけじゃなくて渚さんまで爆笑していた。
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。