最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第二章

やっぱり可愛い

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 鈴木さんも来い来いと手招きしてくれたので、大杉先輩に挨拶をしてから教室へと入った。

俺が御影さんと付き合うことになった事はここにいる人たちも既に知っていた。
だけどたぶん喜んでくれているのは鈴木さんと山木さんだけで、他のみんなは渋々認めているといったように見えた。

「ホラ、ここ座れよ」
「あ、すみません」

山木さんが御影さんの隣の空いてる席を勧めてくれた。
チラッと御影さんを窺うも、その表情は平坦で何を考えているのかはわからなかった。


……やっぱ、本当は迷惑だったりするのかな……。
御影さん、人に詮索されるのは苦手というか……、はっきり言って嫌そうだもんな。

「おい御影、照れてんのかお前。さっきまで松田君が、いつ来るかいつ来るかってソワソワしてたくせに」
「ば……! 愁、お前なに言ってんだよ!!」

……え?

さっきまでほぼ無表情だった御影さんの顔が真っ赤になっている。
怒りからというよりは、図星を突かれて恥ずかしいといったようにも見える。俺の欲目でなければ。

横からの俺の視線に気づいた御影さんが、「なんだよ」と俺を睨む。
だけどその頬がほんのりと赤いから、俺にはダメージなんてこれっぼっちも無い。

それどころか、却ってソワソワしていたっていうことがきっと本当なんだろうなって思えてきて、俺の気持ちもなんとか浮上することが出来た。

「いいですよ、どっちでも。それより、ポテトサラダ食べませんか?」

今朝、母さんがポテトサラダを大量に作り過ぎたからと言って通常の弁当のほかに、別の小さいランチボックスに詰めて俺に持たせていた。

「…………」
「御影さん? ポテサラ嫌いですか?」

「……いや、嫌いじゃない。……もらう」

渋々口をきいたといった感じだけど、自分の弁当箱を開けて蓋を俺の所に寄せる姿がなんだか可愛らしくて、俺の口元が緩む。

やっぱり御影さんって可愛いよな。
無表情でいる時はクールな美人って感じが増してしまって冷たい印象は否めないけど、顔つきは俺に言わせれば可憐だし、こんな行動も可愛くって仕方がない。

俺からもらったポテトサラダを美味しそうにモグモグ食べている御影さんが、めっちゃ可愛い。
気分をしっかり浮上させた俺も、御影さんの隣で同じようにポテトサラダを口に運んだ。
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