最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第三章

恋人は俺  

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校外ランニングから戻ってきてから俺らはストレッチを済ませ、トレーニングルームに移動した。
毎週土曜日はウエイトトレーニングをする時間が取り入れられている。フロントスクワットなどで下半身の筋肉を鍛えたり、ダンベルを使ったりして汗を流した。
そして午後からは、2対2や1対1、そしてゲームを2本ほどして終了した。

「あ~、今日も疲れた」
「汗だくだな。シャワー浴びてくか」
「俺はパス。ソッコー家帰って、それから浴びるわ」

平日は、よほど暑くない限りはみんな面倒くさがってシャワーを浴びない奴の方が多いけど、土曜日はかなり長い時間動き回るので大抵の奴がシャワーを浴びていく。

「蒼空は?」
「浴びてく。結構汗かいてて気持ち悪いし」

シャワー派がぞろぞろとシャワー室に移動する。
そこへちょうどシャワーを浴び終えた人たちが数人出て来た。

あ!
御影さんだ。

「今からか?」
「はい、俺ソッコー浴びてくるんで待っててください」
「わかった。慌てなくていいからな」
「はい」

気持ちの悪い汗を流すだけだ。
家に帰ればちゃんと風呂には入るから、御影さんに臭いと思われない程度にはちゃんと浴びて、急いで着替えてシャワー室を出た。

だってあの人ホント綺麗だから、みんながジロジロ見ていくんだ。
そりゃ、ただ見るだけだから文句なんて言えないけど、でもなんだかエロいことを妄想している奴までいそうで、そう考えたら俺は居ても立ってもいられなくなる。

「お待たせしましたー」

案の定御影さんの周りには人がいっぱい集まっているので、おっきな声で明るく挨拶をして御影さんの恋人は俺なんだと自己主張してみた。

「思ったより早かったな。急いできたのか?」
「そりゃもう、必死で」
「必死?」

意気込んで言う俺に、御影さんの表情が緩む。 

ああ、やっぱりいいなこの顔。
御影さんに、心を許せる人認定されているように思えてうれしくなる。

「じゃあ、お先に。蒼空、行こうか」
「はい。あ、お疲れ様でした」

剣道部や他の部の人たちにも挨拶をして、俺は御影さんと並んで体育館を後にした。 
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