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第四章
田上先輩来襲
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図書館でのキスは、誰にも気づかれていないだろうと思っていた。
ちゃんと誰も見てないことを確認したし、それに静かに静かにひっそりと行動できたと思っていたから。
休み時間、教室が急にザワザワし始めた。
「なんだろ、煩いな」
「うん。でもいいから、由羽人。よそ見しないでこっち」
曲がりなりにも試験が近いから、俺は今陽翔と由羽人とお互いのノートを突き合わして分からないところを教えあっこしていた。
そこにバタバタと慌てた足音が近づいてきた。
「蒼空、蒼空……怖いお客さん」
同じクラスの上谷が、内緒話をするかのようにコソコソと俺に耳打ちする。
……怖い?
誰だ?
訝しく思い顔を上げたら上谷が窓の外をクイクイと指さした。
……げっ。
何で田上先輩!?
それは隣にいる陽翔や由羽人もそう思ったようで、心配そうに俺の顔を見た。
「田上先輩じゃん。あれ、剣道部の部長だろ? 蒼空に何の用があるんだ?」
「さあ……」
まるで射るような目つきで俺を見る田上先輩に、正直逃げたいと思った。
……だけどそう言うわけにはいかないよな。だって多分あの先輩の用事って、御影さんのことだ。
ふうっ。
「蒼空、大丈夫か? 俺も一緒に行こうか?」
ため息を吐きながら席を立つ俺に、陽翔が一緒に立とうとした。
「あ、多分大丈夫。御影さんの手前もあるだろうし、暴力振るわれることは無いと思うから」
「……それはそうだろうけどさあ」
由羽人と2人して心配そうに見つめられ続けて苦笑した。
「サンキュ。じゃあこっから見てて」
「大丈夫か?」
「おう」
陽翔のおかげで却ってリラックスすることが出来た。
あの人は御影さんの憧れの人。
だけど今の俺は御影さんと気持ちを通わせている自信があるから。
拳をギュッと握りしめて、俺は待っている田上先輩の下へと足を進めた。
ちゃんと誰も見てないことを確認したし、それに静かに静かにひっそりと行動できたと思っていたから。
休み時間、教室が急にザワザワし始めた。
「なんだろ、煩いな」
「うん。でもいいから、由羽人。よそ見しないでこっち」
曲がりなりにも試験が近いから、俺は今陽翔と由羽人とお互いのノートを突き合わして分からないところを教えあっこしていた。
そこにバタバタと慌てた足音が近づいてきた。
「蒼空、蒼空……怖いお客さん」
同じクラスの上谷が、内緒話をするかのようにコソコソと俺に耳打ちする。
……怖い?
誰だ?
訝しく思い顔を上げたら上谷が窓の外をクイクイと指さした。
……げっ。
何で田上先輩!?
それは隣にいる陽翔や由羽人もそう思ったようで、心配そうに俺の顔を見た。
「田上先輩じゃん。あれ、剣道部の部長だろ? 蒼空に何の用があるんだ?」
「さあ……」
まるで射るような目つきで俺を見る田上先輩に、正直逃げたいと思った。
……だけどそう言うわけにはいかないよな。だって多分あの先輩の用事って、御影さんのことだ。
ふうっ。
「蒼空、大丈夫か? 俺も一緒に行こうか?」
ため息を吐きながら席を立つ俺に、陽翔が一緒に立とうとした。
「あ、多分大丈夫。御影さんの手前もあるだろうし、暴力振るわれることは無いと思うから」
「……それはそうだろうけどさあ」
由羽人と2人して心配そうに見つめられ続けて苦笑した。
「サンキュ。じゃあこっから見てて」
「大丈夫か?」
「おう」
陽翔のおかげで却ってリラックスすることが出来た。
あの人は御影さんの憧れの人。
だけど今の俺は御影さんと気持ちを通わせている自信があるから。
拳をギュッと握りしめて、俺は待っている田上先輩の下へと足を進めた。
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