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第一章
既に良介のことを意識しているみたいだ
真っ赤になって何も言えずにいる俺を見て、駿介は満足そうに微笑んだ。
「決まりだな。合い鍵の手続きをしておく」
駿介はそう言い残してトレイを持って、返却口へと歩いて行った。
「駿介の奴ったら、変なの」
「……面倒な事だったのかな」
「う~ん、どうだろ。どっちかって言うと駿介的には、毎朝鍵開けて起こしに行く方が手間なんじゃない?」
「だよな。て事はやっぱ、この時期の部屋の移動の申請の方が面倒ってことなのかもね」
「のんびり食ってるなー。急がないと遅刻するぞ」
「あ、良介! 朝練はすんだの?」
樹の同室者、杉山良介だ。良介の顔を見た途端、樹の顔がほころぶ。その表情は、まるでもう恋する乙女のようだ。
ええっ、もうそこ? 樹ってば、もう良介の事を意識してるのか?
「待っててやるから早く食えよ」
「あ、うん。真紀、急ごうぜ」
「……おう」
うう~ん、これはどうやって駿介を挽回させるかが問題だよな。
小説内の設定だけではなく本当にうまい飯を食いながら、俺は頭を悩ませた。
俺も駿介も樹も良介も同じクラスだ。しかも俺の席は他の三人よりも後ろの方なので、授業中も樹と駿介が見放題だ。
駿介は切ない片思い中だもんな。きっと授業中もチラチラと、樹の方に視線を向けちゃうんだろうな。
そんなことを考えながらじーっと駿介の方を見続けていたら、ガン見し過ぎたのか駿介がこちらを振り向いてしまった。
うわ、ヤバッ!
まさか駿介がこちらを振り向くなんて思わなかったので、慌てて持っていたシャーペンを落っことしてしまった。
「ぷっ……!」
……!? 噴き出されてしまった! あのクールな駿介に!!
なんだよもう……。俺のとこなんか見ないで樹の方を見ろよ。
そうは言っても推しキャラに意識してもらってると思えば、嬉しくないわけないんだよ!
どんどん熱くなってくる顔が恥ずかしくて、俺はシャーペンを拾い上げた後、駿介の方を見ることが出来なかった。
「決まりだな。合い鍵の手続きをしておく」
駿介はそう言い残してトレイを持って、返却口へと歩いて行った。
「駿介の奴ったら、変なの」
「……面倒な事だったのかな」
「う~ん、どうだろ。どっちかって言うと駿介的には、毎朝鍵開けて起こしに行く方が手間なんじゃない?」
「だよな。て事はやっぱ、この時期の部屋の移動の申請の方が面倒ってことなのかもね」
「のんびり食ってるなー。急がないと遅刻するぞ」
「あ、良介! 朝練はすんだの?」
樹の同室者、杉山良介だ。良介の顔を見た途端、樹の顔がほころぶ。その表情は、まるでもう恋する乙女のようだ。
ええっ、もうそこ? 樹ってば、もう良介の事を意識してるのか?
「待っててやるから早く食えよ」
「あ、うん。真紀、急ごうぜ」
「……おう」
うう~ん、これはどうやって駿介を挽回させるかが問題だよな。
小説内の設定だけではなく本当にうまい飯を食いながら、俺は頭を悩ませた。
俺も駿介も樹も良介も同じクラスだ。しかも俺の席は他の三人よりも後ろの方なので、授業中も樹と駿介が見放題だ。
駿介は切ない片思い中だもんな。きっと授業中もチラチラと、樹の方に視線を向けちゃうんだろうな。
そんなことを考えながらじーっと駿介の方を見続けていたら、ガン見し過ぎたのか駿介がこちらを振り向いてしまった。
うわ、ヤバッ!
まさか駿介がこちらを振り向くなんて思わなかったので、慌てて持っていたシャーペンを落っことしてしまった。
「ぷっ……!」
……!? 噴き出されてしまった! あのクールな駿介に!!
なんだよもう……。俺のとこなんか見ないで樹の方を見ろよ。
そうは言っても推しキャラに意識してもらってると思えば、嬉しくないわけないんだよ!
どんどん熱くなってくる顔が恥ずかしくて、俺はシャーペンを拾い上げた後、駿介の方を見ることが出来なかった。
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