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一章
01.悪女は恐怖を知る
しおりを挟む「え、え、えっと……??」
「ありがとう。本当にありがとうラビア様」
手を握ったまま、腕を上下にゆすられる。
「あ、あの……?リリー、いや、リリーさん……?」
呼び捨てで呼ぶことを恐れ始めるラビア。
「今までラビアに何度平手打ちしてやろうかと思ったことか……。あの時の私が間違っていましたわ……!!」
「え……?えぇ……?(私、ビンタされかけてたの……??)」
「こんなに素晴らしいお方だったなんて!!」
動揺を隠し切れないラビア。
歓喜に震えるリリー。
「人は苦しむ時こそより一層輝きを放ち!死を迎える時こそ完全体であると言えますわ!!」
「ぉ、おぅ"ん……」
喉をどうしたらそんな声が出るのかというほど奇妙な相槌。
誰か助けてくれ、どうしてこうなった。
私は男どもをドMに調教しただけなのに。()
『スマホ落とした◯けなのに』みたいになってしまったのは何故だ……。
泣きたい。
「ラビア殿、ここにおられましたか!」
このカオスな状況に突如として現れたのは、リリーの幼馴染・ブルーだ。
「是非とも俺を踏んでくださいっ!!!」
直 角 90 度。
「その役、私が代わりに引き受けましょう!」
「えっ…リリー?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
タイミング最悪!!どうして今きた!?永久睡眠させてやろうかおいぃぃぃ!!
努力が仇にあるってどういう事だろうか。
前世極悪犯罪者だったのかってくらい今世最悪なのですが!?
「うふふふふ!!さぁ跪け!ブルーぅ?贅沢な名前ね!お前は今日から椅子。分かったわね、椅子!」
「とぅんく……はいっご主人様!!」
「とぅんく、じゃなぁぁぁいっ!!」
乗り換えが早すぎる!
私だってご主人様って呼びされた事ないのに。
ラビア殿呼びなのにっ!
って、いかんいかん。
変な対抗心を燃やすな私。
私は悪女なんだから、完璧な対応をしなければっ!!
応援ありがとうございます!
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