酔っぱらった神のせいで美醜が逆転している異世界へ転生させられた!

よっしぃ

文字の大きさ
75 / 120
ベティーナ信仰の聖地”オーリグー”

第74話 契約書

しおりを挟む
 さて、これからどうしよう。
 やっぱり僕の事は知っておいてもらった方がいいよね。だけど言って信じてもらえるかどうかわからないから悩んじゃうね。

「ところでコラリーヌさん、例えば僕が何かを言ったとして、それを強制的に秘密にできるような契約とかないですか?」

 僕は5人の着替えも終わって一通り感想も言ったので、コラリーヌさんに聞いてみます。
「ええと・・・・何に使うのかわかりませんが、ギルドにはそう言った契約書がありますわ。入用ですか?」

「うん・・・・その、今後の事を思うと5人には僕の事を知っておいてもらった方がいいと思って。ただ、知ってしまうと、その・・・・僕の事を聞きだそうとして、5人に危険があるといけないので、そもそも僕の打ち明ける内容を喋る事が出来なければ、その危険のリスクを最小限に抑えられると思ったのです。」
 僕はコラリーヌさんをじっと見つめます。
 コラリーヌさんも僕同様、僕をじっと見つめています。

「・・・・そうですね、ショースケ様には色々特別な何かがあるようですから。分かりました、すぐにお持ちしますので、少々お待ち下さい。」

 コラリーヌさんが駆けていきます。

 するとニネットさんが、
「ねえねえ、それってショースケ、私を信用してくれるの?それともそうじゃなくって、信用できないから契約書で縛るのかな?」

 何か誤解があるかもしれないですね。

「ええとニネットさん、僕は5人を信用すると決めました。ただし僕の事なのですが、今まで隠していた色々を5人が知ると、それを聞き出そうとする輩が現れる可能性があり、そう言った輩に襲われたりと言った事件が発生したりと、5人を危険に晒す事になってしまう可能性があります。それを避けるためであって、ニネットさんが信用できない訳ではないですよ?」

「そ・・・・そう?そうならいいのだけど、でもそれって相手はどうなのかしら?」

 まだまだ不安がありそうですね。そしてそんな事情を相手が理解できるかどうかも分かりませんが、危険は少しでも減らした方がいいですからね。
 その不安は、クラリーヌさんもカロリーヌさんも同様で、3人ともまだ不安そうな顔で僕を見ています。

 キラリーヌちゃん・・・・やっぱりキラリーヌちゃんの方がしっくりくるね!彼女も不安そうな顔でこちらを見ています。

「ベティーナ様は、5人分の女性用の服を用意して下さいました。つまり5人は、ベティーナ様の御眼鏡にかなったんだと思います。そしてそれは僕に、5人は信用するに足る、そう言う意味で今回のアイテムなんだと思います。」

 ニネットさんはよくわかってないようですね、うーんと頭を傾けて悩んでいます。

「こう言っては何ですが僕、5人の為人を申し訳ないと思いながら、ずっと見ていたんです。そしてその結論でもあるんですよ。」

「わ・・・・やっぱりショースケは何かが違うわね!」

 そんな事を言っている間に、コラリーヌさんが大急ぎで戻ってきました。

「しょ・・・・ハアハア・・・・ショースケ様・・・・ハアハア・・・・これ・・・・です・・・・ハアハア・・・・どうぞ。」

 うわ・・・・息が切れるほどに急いでくれたんですか。

「これでも飲んで落ち着いて下さいね。」
 僕はコップを差し出し、コラリーヌさんに差し出します。

 コップを受け取り中身を飲んだコラリーヌさんは落ち着いたのか、僕に何かを渡してくれました。

「ありがとう。ええとその、急かすつもりはないけれど、言うなら今と感じてるので、早速5人ともこれに署名してほしい・・・・って、契約内容はどうしたらいいのかな?」

 途中まで言っておいて、今更ながらこの契約書の使い方がわかってない事に気が付いたので、コラリーヌさんに返します。

「契約書に記載すればいいのですわ。」

 その後一番詳しいと思われるコラリーヌさんと幾つかやり取りを行い、契約書は完成しました。

 これが必要にならないように願いたいものです。

 ですがまあ《備えあれば患いなし》、という諺がある事ですし、やり過ぎと思うぐらいがちょうどいいんです。

 万が一があった時に、あの時しておけばよかったと後悔したくありませんから。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

処理中です...