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旅立ち――――15歳になったので出発する

第11話 異臭

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 外に出てわかったけれど、何か変な臭いがする。
 僕達が乗ってきた馬車ってこんな臭いはしていなかった。
 うーん・・・・何だろうこの臭い。
 気になる。

 そう思っていると、一匹の魔物が馬車に体当たりをしてきた・・・・さっきまで僕達がいた豪華な方。
 体当たりというか目掛けてきたとか?で、グリフォンが・・・・一匹は地面に倒れているけれど、もう一匹がまだ飛んできた。
 他の馬車だったもの、つまり残骸に突っ込んでやっぱり豪華な馬車に体当たり。
 明らかにおかしい。
 人間を目掛けているんじゃなく、馬車を目掛けている感じ。

「あ、あの!」
 僕が気が付いた事を言おうとすると、
「何だ少年!喋る暇があれば魔物と戦え!」
 ロゼさんが反応。ちょっときついなあ。
「魔物ですが、様子がおかしいです!」
「えっとどういう事かしら?」
 あ、お姫さまが反応して下さいました。
「簡単に言うとさっきから魔物、この馬車目掛けて突っ込んできていますよね?で、馬車から変な臭いがして、そこ目掛けているんじゃないかって思うんです。」
「どうしてそう思ったの?そう言われると確かに変な臭いがするわね。」
 この人本当に姫さまだろうか?やんごとなき御方はもっと違う喋り方をするって孤児院で聞いていたんだけどなあ。
「む!確かに変な臭いがするな!元々馬車にはこんな臭いは・・・・と言うか臭いなんて本来しないはず。」
 ロゼさんも応じる。
「この馬車から離れましょう!」
 そう言うけれど、結局周りは豪華だった馬車付近は、他に数台の馬車があるけれど、みんな壊れている。
「わかったわ。ロゼ、何とかならないかしら?」
「姫様をお護りするので手一杯です!他の人は護れませんよ?」
「冒険者の人には自分で護ってもらいましょう。戦闘のできない人は・・・・やはり自分で身を護るしかないのかしら?」
「姫様は私達がお護りしますが、この状況では自分で身を護る以外ないですね。」
 姫さまとロゼさんの会話が続く。
「それに、怪我をしている人はどうしようもないですよ!運がなかったと思って諦めてもらいましょう!こちらも半数の騎士が命を落としていますし。」
 容赦ないロゼさんの言葉。
 でも仕方ないかな、この状況。
 僕は運良く?姫さまの傍に居るから今は大丈夫だけれど、他の人達は魔物と必死に戦っている。
 倒しても倒しても湧いてくる魔物。
 あ、回復魔法ってどれだけシグネさんだっけ?使えるのかな?僕は小さな声で、
「あの、シグネさんって、回復魔法ってまだ使えるんでしょうか?」
 急に言われ驚くシグネさん。
 ロゼさんと姫さまの顔を見るシグネさん。
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