118 / 262
クランとしての試練
第117話 一騎当千と大胆不敵
しおりを挟む一騎当千はロッベモント王国唯一のS級クラン。
その中心は大胆不敵と言うパーティーだ。
大胆不敵のリーダーは、クラン【一騎当千】の代表でもある。
しかし彼は最近荒れていた。
「くそ!くそくそくそくそ!どいつもこいつも全く役に立たん!」
彼の名は
ヘイス・ボス
自身もS級ランクであり、彼が率いるパーティー【大胆不敵】もS級。
もう20代も後半であり、実はそろそろ引退を考えていた。
何せもう上が無いのだ。
そう、月間ランキングでも常に1位。
パーティーに関しては、ごくまれに一山当てたパーティーに1位の座を譲る事もあるが、2カ月連続で譲った事はここ数年ない。
そしてクラン【一騎当千】。
ここ数年常にランキング1位。
そんなヘイスが最後に望んでいるのは、名を残す事だ。
この国一番の実力者となった彼だが、何故名を残したがるのか?
本音を言えば、名を残す必要は無い。
名を残す必要があると思ったのは、名を残せば目的が成就しやすいと考えたからだ。
では真の狙いは?
彼は爵位を欲している。
それも一代限りではなく、領地を得て子に継がす事の出来る爵位だ。
既に大胆不敵のメンバーは全員S級であり、一代限りの爵位である騎士(爵)を得ている。
この国の身分制度で行けば平民の上になるが、純粋の貴族ではない。
貴族と言うのは準男爵からとなるが、準男爵も騎士(爵)同様、子に引き継げない。
このままではここで終わってしまう。
そこで何とかして男爵以上の爵位を得たいのだが、どうしたらいいのかわからない。
何か功績があればあるいは。
だが最近その機会を逸してしまっており・・・・王都がドラゴンの襲撃を受けていた時、彼等はダンジョンに居たので何もできなかった。
そしてそこで活躍をした【以一当千】と言うクランの台頭。
クランのランキングで抜かされてしまうという、彼にとってあってはならない出来事が発生し、彼は追い込まれていた(と思い込んでしまった)。
くそっ!ただでさえ不味い酒が、何だかいつもより不味く感じるじゃねえか!
そんなヘイスが酒場で一人不貞腐れていると、
「ちょっと失礼、お時間はございますかな?」
ヘイスはハッとなった。
こんな酒場で昼間から飲んだくれているとはいえ、目の前にいる商人風の男の存在に今まで気が付かなかったからだ。
「・・・・何か用か?」
相手はいかにも胡散臭い。
「はい、私最近事業を拡大しておりまして。」
一体こいつは何を言っているのだ?とヘイスは警戒を強めた。
「間に合っている。」
怪しすぎる。ヘイスは席を立ち、その場を去ろうとした。
「このままでは、以一当千に抜かれたままですなあ。」
体がピクッとなった。
「何が言いたい。」
「いえ、特に深い意味は・・・・どうやら私の見込み違いのようですな。時間を取らせ申し訳ございませんでした。」
俺を誰だと思っているんだ?
「おう待てや、どういう意味だ。見込み違いと言ったな。」
「これは失礼。実はわたくし、未だどこの領主とも独占契約が取れておりませんでして、こうなれば新たな領主を見い出し、新たな領地で独占契約を・・・・痛い痛い!」
ヘイスは思わずその商人風の男の肩を掴んでいた。
「新たな領主を見い出すとは何だ?」
「はあ、ご存じない?この地より徒歩で約一ヶ月の場所にとある領地がございまして、その領地ですが隣の領地もろとも滅んでしまい、しかも3つの領地を治めておりました男爵は3人共爵位を失って御座いまして。」
「だからと言って、俺がその代わりになれるとでも思っているのか?バカバカしい。」
「そうですなあ。しかし国王陛下が滅んだ3つの領地を早く復旧させたいと思っておられるようでして、そうなると新たな男爵が3つも空いておりますから、何か大きな功績を残せば平民も男爵になれるやも、と思ったのですが。」
「ほう、だからと言って俺が男爵になれるとでも思っているのか?」
「一騎当千とその中心たる大胆不敵が、あの未だ攻略がなされていないダンジョンに何らかの進展を見せればあるいは・・・・」
「馬鹿を言え。あのダンジョンは最近我らもトライをしたが、未だ突破できぬ70層まで辿り着けなかったぞ。」
「そこは私の商人としての力で、主に物資での支援になりますが・・・・しかし同時に行わないと厳しい一面がございまして。」
「何だその、厳しいとは。」
「他のクランに何かの功績で出し抜かれては男爵の席が埋まってしまいます。」
「・・・・邪魔をしろ、と言うのか?」
本来であればこのような言葉に引っかからないはずなのだが、この時既にヘイスは目の前の怪しげな商人風の男の術中にはまっていた。
そう、用意周到な商人は、予めターゲットを定め、こうして酒に秘薬を仕込んで置いたのだ。
こうしてヘイスはいつのまにか闇に落ちてしまうのだった。
《しかし【身代わり】と言うスキルは実に便利ですねえ。このスキルがある限り、いくら捕まってもこうして本体に戻る事が出来ましたしねえ。》
この商人、マースが見たらさぞ驚いた事だろう。
かつて80話で拘束され捕まったはずの商人だったからだ。
23
あなたにおすすめの小説
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
魔法属性が遺伝する異世界で、人間なのに、何故か魔族のみ保有する闇属性だったので魔王サイドに付きたいと思います
町島航太
ファンタジー
異常なお人好しである高校生雨宮良太は、見ず知らずの少女を通り魔から守り、死んでしまう。
善行と幸運がまるで釣り合っていない事を哀れんだ転生の女神ダネスは、彼を丁度平和な魔法の世界へと転生させる。
しかし、転生したと同時に魔王軍が復活。更に、良太自身も転生した家系的にも、人間的にもあり得ない闇の魔法属性を持って生まれてしまうのだった。
存在を疎んだ父に地下牢に入れられ、虐げられる毎日。そんな日常を壊してくれたのは、まさかの新魔王の幹部だった。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる