有栖と奉日本『ミライになれなかったあの夜に』

ぴえ

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過去との対話_有栖_5

有栖_5-2

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 そんな感じで過ごした養成学校時代は当然のごとく目立った存在だったと思う。
 嫉妬もあった、と思うがそんなものは三ヶ月後には無くなった。というのも、『卒業までに五割は辞めてしまう』という文言に嘘偽り無く、厳しい毎日に他人のことを気にする余裕がなくなってしまうのだ。
 結果的に、卒業までに『私』と同じ年に入学した人達も半分は退学した。女性に関しては『私』以外辞めた。この厳しい生活に耐えるより、大学入学に再チャレンジし、ユースティティアを含めた他の就職先を視野に入れた方が賢い、と考える人が多かったんだと思う。
 そして、二年目を迎えた同期達とは仲間意識が強くなった。苦行を共に乗り越えた、というのが大きいだろう。『私』もそう感じていた。というか、残り一人になった女性、とはいえ、格闘などの実践では『私』に勝てないこともあり、『私』を女性であると見ている人は少なかった。男性に近い存在か、得体の知れない化物のように思われていたと思う。
 まぁ、失礼な話だがその環境が『私』には心地よかった。

 そして、二年間の養成学校時代を無事に卒業し、『私』は刑事課への配属が決まった。刑事課、といえば殺人事件なども取り扱う捜査関係の花形だ。
 その人事はこれまでの努力が認められたようで『私』は素直に嬉しかったし、周囲も祝福してくれた。同じく刑事課に配属される人もいて、『私』と比べられることを嫌がっていたのも覚えている。だけど、それすらも卒業する『私』達にとっては笑い話だった。

 このときの『私』には未来に希望しかなかった。
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