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第九章_ハローワールド

天使_9-7

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「『レシエントメンテ』を知っていて、私を止めることが出来るとすればアース博士と一色さん、貴方ぐらいだった」
 銃口を押しつけ、天使は語る。
「アース博士は技術者の可能性を突き詰めたくて『レシエントメンテ』に魅了され、完成させた。しかし、彼女は自身が創った成果物がもたらす世界に悲観し、自殺を選択した」
 天使は事前にアース博士からその話を聞き、自殺を幇助する為に拳銃を渡した。彼自身が殺害すると有名な人物が故に、その手段や処理が困難だが、彼女自身が死を選ぶならば裏から手に入れた拳銃を渡すだけで良い。
 とても容易く済んだのは天使にとっては幸運なことだった。
「あとは貴方を殺せば、危険因子は消えてなくなる。一色さん、貴方は元部下を殺害し、何も成し遂げられず終わるのです。何か言いたいことはありますか? 元は一緒に仕事をした仲です。辞世の句を読むのならば、聞いてあげますよ」
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