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第十章_空白と余白
反保_10-1
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一色誠の死――その衝撃の日から、二週間が経過した。
反保は特務課のオフィスで一人きりで、出来る限りの業務をしていたが、それでも出来ることは少なくすぐに手持ち無沙汰になってしまう。
「……一色さん」
まずは呟いて、空席となった一色の席を見る。自然と涙腺が緩み、涙が零れそうになったが彼はそれを堪える。
ユースティティアは警察からの提案を受け入れた。上層部は自身と多くの隊員を護る為に当然の決断をしたのかもしれない。
今は耐えて、ユースティティアを継続できればいつかは立て直せる――そう考えたのだ。
しかし、それは甘い考えだった。
警察に従い、そのことを伝え、それを証明するように一色を密葬した。そして、彼のデータの扱いを警察に委ねたのが――そのあとに行われたデータ改ざんにユースティティア側は戦慄した。
恐ろしい精度とスピードで改ざんが行われたのだ。
一色の存在は消え、別の誰かに置き換えられ、不自然な部分が生まれそうな関連する内容も辻褄が合うように整えられていた。
本当に短時間だった。警察の署員が訪れ、ユースティティアのパソコンがネットに繋がっていることを確認すると何処かに電話をし、それから数時間後には全てが終わっていた。訪れた署員に関してはパソコンに触れてもいない。
これは警察にはそれほどまでに強力なデータ改ざんの術があること。これが意味することは最悪の一言だった。
ユースティティアがどれだけ証拠を集めても、警察は改ざんできる。都合の良いストーリーを作ることができる。警察の用意した証拠とユースティティアの証拠も同じにすることができる。つまり、この先、データ上の証拠に意味がなくなったのだ。
アナログで残すなら対応は可能かもしれないが、情報化が進んだ社会でデータを扱えないことはスピードの速くなった社会についていけないことを意味する。
警察の行ったその力の誇示は、ユースティティアに逆らうなと暗示していた。
力の上下関係を示した上で、ユースティティアを潰さず残す――これは市民から見れば、警察と対抗する組織であるユースティティアが、現状の治安を護る仕組みが、維持されているように見える。そう見せる為に、残しているのだ。
ユースティティアは形骸化したのだ。
告発する者も出ないだろう。警察に逆らえば、冤罪をでっちあげて、嘘の証拠を改ざんで創り出すことなんて、一色の存在を消すことより容易いのだから。
そのことを反保は佐倉が教えてくれたので知っていたし、一応、有栖にも展開していた。
反保は特務課のオフィスで一人きりで、出来る限りの業務をしていたが、それでも出来ることは少なくすぐに手持ち無沙汰になってしまう。
「……一色さん」
まずは呟いて、空席となった一色の席を見る。自然と涙腺が緩み、涙が零れそうになったが彼はそれを堪える。
ユースティティアは警察からの提案を受け入れた。上層部は自身と多くの隊員を護る為に当然の決断をしたのかもしれない。
今は耐えて、ユースティティアを継続できればいつかは立て直せる――そう考えたのだ。
しかし、それは甘い考えだった。
警察に従い、そのことを伝え、それを証明するように一色を密葬した。そして、彼のデータの扱いを警察に委ねたのが――そのあとに行われたデータ改ざんにユースティティア側は戦慄した。
恐ろしい精度とスピードで改ざんが行われたのだ。
一色の存在は消え、別の誰かに置き換えられ、不自然な部分が生まれそうな関連する内容も辻褄が合うように整えられていた。
本当に短時間だった。警察の署員が訪れ、ユースティティアのパソコンがネットに繋がっていることを確認すると何処かに電話をし、それから数時間後には全てが終わっていた。訪れた署員に関してはパソコンに触れてもいない。
これは警察にはそれほどまでに強力なデータ改ざんの術があること。これが意味することは最悪の一言だった。
ユースティティアがどれだけ証拠を集めても、警察は改ざんできる。都合の良いストーリーを作ることができる。警察の用意した証拠とユースティティアの証拠も同じにすることができる。つまり、この先、データ上の証拠に意味がなくなったのだ。
アナログで残すなら対応は可能かもしれないが、情報化が進んだ社会でデータを扱えないことはスピードの速くなった社会についていけないことを意味する。
警察の行ったその力の誇示は、ユースティティアに逆らうなと暗示していた。
力の上下関係を示した上で、ユースティティアを潰さず残す――これは市民から見れば、警察と対抗する組織であるユースティティアが、現状の治安を護る仕組みが、維持されているように見える。そう見せる為に、残しているのだ。
ユースティティアは形骸化したのだ。
告発する者も出ないだろう。警察に逆らえば、冤罪をでっちあげて、嘘の証拠を改ざんで創り出すことなんて、一色の存在を消すことより容易いのだから。
そのことを反保は佐倉が教えてくれたので知っていたし、一応、有栖にも展開していた。
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