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第一章:この指止まれ
反保_1-1
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その日の昼過ぎ、反保は外回りの最中に有栖から連絡があり、途中で合流すると桜華学園まで一緒に連れて来られた。道中で有栖から一色の娘の話を聞き、彼女が何をしたいのかは何となく察しはついたが――
「何で僕まで?」
その疑問は道中で頭に何度も浮かんできてはいたが、ついに口に出た。
桜花学園の前まで来れば、この流れで有栖が調査をしよう、と考えていることぐらいは解る。ユースティティアの特務課にはその権限があるのだが、あまり無理をし過ぎると多方面から怒られることがある。
例えば、学園の門の向こうで歩く青春を謳歌している若人達を巻き込むことがあれば懲戒処分は避けられないだろう。
「あー、それは……ほら、反保って学校行ったことないでしょ?」
「人の地雷原を真っ直ぐ歩いてこないでください」
反保の経歴上、有栖の言ったことに間違いはないが、それを口に出せるデリカシーの無さはいかがなものだろうか。溜め息を一つ吐くと、有栖は手を合わせて申し訳なさそうに彼の顔を覗いている。
反保自身は別に怒ってはいないし、また、有栖の行動は自分を信頼して協力して欲しいのだろう、ということも解っていた。
「ごめん、二人で調べればすぐ終わると思って」
「最初からそう言ってください。怒りませんし、協力もしますよ。実際、学校には行ったことないので興味もありますし」
「でしょ?」
「調子にのらないでください」
「はーい」
「一色さんには世話になっていますからね。その娘さんが何かトラブルに巻き込まれているなら助けたいです」
反保は素直な思いを言葉にし、協力の意思を固める。
「イチさんは良い部下を持ったよ。鼻が高いね」
「僕は、ややこしい先輩を持ちました」
「耳が痛いね」
「何で僕まで?」
その疑問は道中で頭に何度も浮かんできてはいたが、ついに口に出た。
桜花学園の前まで来れば、この流れで有栖が調査をしよう、と考えていることぐらいは解る。ユースティティアの特務課にはその権限があるのだが、あまり無理をし過ぎると多方面から怒られることがある。
例えば、学園の門の向こうで歩く青春を謳歌している若人達を巻き込むことがあれば懲戒処分は避けられないだろう。
「あー、それは……ほら、反保って学校行ったことないでしょ?」
「人の地雷原を真っ直ぐ歩いてこないでください」
反保の経歴上、有栖の言ったことに間違いはないが、それを口に出せるデリカシーの無さはいかがなものだろうか。溜め息を一つ吐くと、有栖は手を合わせて申し訳なさそうに彼の顔を覗いている。
反保自身は別に怒ってはいないし、また、有栖の行動は自分を信頼して協力して欲しいのだろう、ということも解っていた。
「ごめん、二人で調べればすぐ終わると思って」
「最初からそう言ってください。怒りませんし、協力もしますよ。実際、学校には行ったことないので興味もありますし」
「でしょ?」
「調子にのらないでください」
「はーい」
「一色さんには世話になっていますからね。その娘さんが何かトラブルに巻き込まれているなら助けたいです」
反保は素直な思いを言葉にし、協力の意思を固める。
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「耳が痛いね」
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