有栖と奉日本『カクれんぼ』

エピローグ

エピローグ

「いらっしゃいませ。すみません、お客様、もうすぐ閉店時間なのですが――いや、特別にもう少し開けましょう」
　来店した客を見ると、奉日本はそう言った。
「ありがとうございます、マスター……いや、奉日本 源治さん」
「いえいえ、どういたしまして……ユースティティアの一色 誠さん」
　奉日本は久々に彼の本名を呼んだ相手の視線を受けて、微笑むように不敵に笑った。