有栖と奉日本『千両役者のワンカラ―』

ぴえ

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第四章:共同戦線

ユースティティアと警察_4-1

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 共同戦線が正式になったことで、ユースティティアと警察は本格的に作戦会議を始めた。それは残り僅かとなったアースの作戦を共有することでもあった。

「場所はHALビル。天使達に会心の一撃を与えたから、基本的には乗り込んで一網打尽にするだけ」

 作戦を聞きながら、有栖は自身で理解したことを言葉にして繰り返す。

「概ねそれで合っている。だが、手負いとはいえ天使は手強い。それは解るだろ?」

 虹河原が有栖を肯定し、彼女に天使について尋ねた。彼自身、彼女の戦闘能力は高く評価している。そして、正面から天使と戦った彼女が一番、天使の恐ろしさを解っているはずだった。

「そりゃもう身に沁みて解ってる。けど、物怖じするつもりはない。リベンジできるなら今すぐにでも乗り込んで戦いたい」
「その気持ちは心強いが、まだすべきことがある。それにユースのダメージも可能な限り回復した上で挑みたい」
「そうですね。誰かにボコボコにされたので。痛くはありませんけど」

 虹河原の言葉に反保が皮肉のように呟く。

「おいおい、お互いさまだろ? こっちだけ怪我してんだ」

 その皮肉を聞き逃さず、飛田が吠える。しかし、反保は馬耳東風だった。
 会議室が活気に満ちてきた中で、京は少し笑顔を見せながらも虹河原に質問をした。

「天使を逮捕する名目はあるの? 仮にここで天使を倒しても公表すべき罪がないと糾弾されるのはこちらになるわ。まさか無法で処するとか言わないわよね」
「はい。天使には警察とユースティティアの治安維持の名目で正式な罪で逮捕します。とはいえ、一色さんの殺害の関してはデータ改竄されているので現時点では無理でしょう。証拠がない。いや、天使がこれまで行ってきた罪に関しては全てが改竄されて証拠がない、といって過言ではないでしょう」
「だとしたら、どうするつもり?」
「そんな天使が唯一、改竄を行った、という証拠を残しています。それが――私自身です」
「そうか。虹河原くんは公表では死んだことになっているものね」

 京の言葉に虹河原が頷く。
 現在、虹河原はユースティティアの一色により殺害されたことになっている。それは天使により発表されたものだった。だが、実際には虹河原は生きている。これは警察が、天使が虚偽の情報を公表したことでもある。

「あのときの私の死体はそっくりに整形されたダミーの死体だそうです。血液などの情報を調べても私のデータベースと一致するようになっていたそうなので、それはアース博士がそのように処理したのでしょう。彼女ならデータベースをハッキングして偽のデータを本物のように見せるのは容易い」
「それでまずは逮捕する。そのあと余罪を追求するのはいいとして、データが改竄された今、それ以上の罪を問えるのかしら?」

 京の懸念は当然だった。今は『レシエントメンテ』によって天使の都合の良いデータが揃った世界だ。一度、捕まえたとしてもさらに重罪を問えなければ意味がない。

「そこで最後の策です。これを実行すれば天使を重罪に問える。その為にはユースティティアの協力が不可欠なんです。それは――」

 虹河原は今回の策の最重要であるポイントをユースティティアに伝えた。それは有栖達を驚かし、言葉を失わせてしまうほどに想定もしていないものだった。
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