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奉日本_2
奉日本_2-1
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二人の為に特別に開いている店内の時間は緩やかで少し不可思議な時間だと奉日本は酒を振る舞いながら思った。
二人とも甘めの酒を頼み、奇妙な出会いに乾杯すると同時に簡単に名前だけ自己紹介をした。浴びるように酒を飲むわけでもなく、無駄な会話もない――落ち着いた空間ながらも、時折、奉日本が会話を二人に振りながら気まずい沈黙は存在しない。居心地の良い時間だった。
しかし、
「兄ちゃん、随分と寂しそうに笑うじゃねぇか」
雑談の中で反保が愛想笑いを挟みながらも、その笑いが乾いていたことに久慈は気づいていた。もちろん、奉日本も。
「何か悩みでも?」
奉日本が寄り添うように優しく、反保に微笑んだ。グラスは半分ほど減っている。抱えているものを打ち明けるぐらいには口は軽くなっていた。
「実は……」
そこから反保はバイトをクビになったことを話した。詳細は伏せているが、自分に非はなかったことを彼なりに説明し、そして、明日からの働き先がなくて困っていることを吐露した。
場の雰囲気を悪くしたかな、と反保は言い終わった後に気まずそうに二人の顔を見比べていた。
「すみません。変な空気にしちゃって――」
「じゃあ、俺のところで働くか? 丁度、人手が欲しかったところなんだ」
反保が謝っている最中に、久慈は予想外の提案をした。
「え?」
「色々と覚えることが多くて、間違えやすい仕事だから辞めることになる奴が多くてな。検品みたいな仕事だが、兄ちゃんさえ良ければどうだ?」
「ボクは願ったり叶ったりですけど……久慈さんは社長さん何ですか?」
「そこまで偉くはないが、責任者ってところだ」
久慈が上手い言い回しで素性を隠すのを、奉日本は笑いを隠しながら見ていた。
「良かったですね、反保くん。捨てる神あれば拾う神ありです」
「は、はい」
そこから就職祝い、ということで奉日本から二人にもう一杯ずつ酒をサービスし、反保がほどよく酔ったところでタクシーを呼び、久慈が彼に連絡先とタクシー代を渡し帰らせた。
「あの兄ちゃん、長く働いてくれるかね?」
残った久慈が追加で頼んだファジーネーブルを飲みながら、奉日本に問う。
「さぁ、解りません。ですが――」
奉日本はグラスを拭きながら、怪しく微笑み続けた。
「興味深いので、彼の今後の近況とか教えてくださいね、久慈さん」
二人とも甘めの酒を頼み、奇妙な出会いに乾杯すると同時に簡単に名前だけ自己紹介をした。浴びるように酒を飲むわけでもなく、無駄な会話もない――落ち着いた空間ながらも、時折、奉日本が会話を二人に振りながら気まずい沈黙は存在しない。居心地の良い時間だった。
しかし、
「兄ちゃん、随分と寂しそうに笑うじゃねぇか」
雑談の中で反保が愛想笑いを挟みながらも、その笑いが乾いていたことに久慈は気づいていた。もちろん、奉日本も。
「何か悩みでも?」
奉日本が寄り添うように優しく、反保に微笑んだ。グラスは半分ほど減っている。抱えているものを打ち明けるぐらいには口は軽くなっていた。
「実は……」
そこから反保はバイトをクビになったことを話した。詳細は伏せているが、自分に非はなかったことを彼なりに説明し、そして、明日からの働き先がなくて困っていることを吐露した。
場の雰囲気を悪くしたかな、と反保は言い終わった後に気まずそうに二人の顔を見比べていた。
「すみません。変な空気にしちゃって――」
「じゃあ、俺のところで働くか? 丁度、人手が欲しかったところなんだ」
反保が謝っている最中に、久慈は予想外の提案をした。
「え?」
「色々と覚えることが多くて、間違えやすい仕事だから辞めることになる奴が多くてな。検品みたいな仕事だが、兄ちゃんさえ良ければどうだ?」
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「良かったですね、反保くん。捨てる神あれば拾う神ありです」
「は、はい」
そこから就職祝い、ということで奉日本から二人にもう一杯ずつ酒をサービスし、反保がほどよく酔ったところでタクシーを呼び、久慈が彼に連絡先とタクシー代を渡し帰らせた。
「あの兄ちゃん、長く働いてくれるかね?」
残った久慈が追加で頼んだファジーネーブルを飲みながら、奉日本に問う。
「さぁ、解りません。ですが――」
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