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有栖_3
有栖_3-1
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いきなり襲いかかってきた反保に対して有栖は戦闘体勢に入りながら、
「こっちは話を聞きたいだけだってのに……けど、無理そうか」
そう呟きながらも、彼の様子を見て諦めた。
反保の呼吸は乱れ、目は写真で確認したときとは違い、紅い。一目見て、まともな精神状態でないことは判断できた。
「仕方ない。とりあえず、一回――寝てもらおうか」
既に攻撃を受けた時点でユースティティアとしても正当防衛は成立する。
有栖はまず素早いステップインから、顔面に左ジャブを二回当てる。ナイフが真横から振られてきたがダッキングで避けて右のボディーブローを炸裂させた。
「お?」
手応えはあったが、反保は有栖の顔面に向かって膝蹴りを試みた。彼女は後方に跳ぶことで軽々と避けて距離を取る。
「打たれ強いな」
素人丸出しの腕や脚を振り回す攻撃から、有栖としては反保に対して驚異を感じてはいなかった。しかし、先程のボディーブローは並大抵の男なら悶絶させる自信があったのに、彼にその様子はない。
「がぁぁ!」
反保がナイフを持って真っ直ぐ突っ込んでくる。ナイフの持ち方、構えから突きであると判断した有栖は身体を揺らしながらタイミングを取った。
――ここだ!
反保の突きは有栖の左の肩口を狙っていたが、彼女はそれに腕を絡ませるようにクロスカウンターを反保の顔面に炸裂させた。
「完璧――なっ!」
ここで完全に勝利を確信し、余韻に浸っていたら有栖は危なかっただろう。だが、彼女は反保の目が死んでいないことを即座に感じ取った。腕を引き抜こうとしたが、
「痛っ!」
その際に二の腕を切りつけられてしまった。傷は深くはない。まだ戦闘は充分に可能だが、彼女にはそれ以前に解決しなければならないことがあった。
――手応えも威力もタイミングも完璧だった。意識が失わないにしても、激痛でまともに動けないはず。
しかし、反保は何事もなかったかのように反撃をした。そこから、彼女が導いたことは――
「痛みを感じない?」
そう呟くように言うと、反保は舌打ちをし、足下に転がっていた石を拾うと彼女に投げつけた。
当然ながら、それに当たることはなかったが、反保はその攻撃と同時に逃げ出してしまった。有栖の言葉に反応したことから、その事実に気づかれたまま戦うことは不利だと判断したのだろう。しかし、その行動が有栖の導いた答えが正解だと言っているようなものだった。
「深追いはしない方がいいな」
有栖はその日は反保を追わず、ひとまず一色への報告を優先することにした。
「こっちは話を聞きたいだけだってのに……けど、無理そうか」
そう呟きながらも、彼の様子を見て諦めた。
反保の呼吸は乱れ、目は写真で確認したときとは違い、紅い。一目見て、まともな精神状態でないことは判断できた。
「仕方ない。とりあえず、一回――寝てもらおうか」
既に攻撃を受けた時点でユースティティアとしても正当防衛は成立する。
有栖はまず素早いステップインから、顔面に左ジャブを二回当てる。ナイフが真横から振られてきたがダッキングで避けて右のボディーブローを炸裂させた。
「お?」
手応えはあったが、反保は有栖の顔面に向かって膝蹴りを試みた。彼女は後方に跳ぶことで軽々と避けて距離を取る。
「打たれ強いな」
素人丸出しの腕や脚を振り回す攻撃から、有栖としては反保に対して驚異を感じてはいなかった。しかし、先程のボディーブローは並大抵の男なら悶絶させる自信があったのに、彼にその様子はない。
「がぁぁ!」
反保がナイフを持って真っ直ぐ突っ込んでくる。ナイフの持ち方、構えから突きであると判断した有栖は身体を揺らしながらタイミングを取った。
――ここだ!
反保の突きは有栖の左の肩口を狙っていたが、彼女はそれに腕を絡ませるようにクロスカウンターを反保の顔面に炸裂させた。
「完璧――なっ!」
ここで完全に勝利を確信し、余韻に浸っていたら有栖は危なかっただろう。だが、彼女は反保の目が死んでいないことを即座に感じ取った。腕を引き抜こうとしたが、
「痛っ!」
その際に二の腕を切りつけられてしまった。傷は深くはない。まだ戦闘は充分に可能だが、彼女にはそれ以前に解決しなければならないことがあった。
――手応えも威力もタイミングも完璧だった。意識が失わないにしても、激痛でまともに動けないはず。
しかし、反保は何事もなかったかのように反撃をした。そこから、彼女が導いたことは――
「痛みを感じない?」
そう呟くように言うと、反保は舌打ちをし、足下に転がっていた石を拾うと彼女に投げつけた。
当然ながら、それに当たることはなかったが、反保はその攻撃と同時に逃げ出してしまった。有栖の言葉に反応したことから、その事実に気づかれたまま戦うことは不利だと判断したのだろう。しかし、その行動が有栖の導いた答えが正解だと言っているようなものだった。
「深追いはしない方がいいな」
有栖はその日は反保を追わず、ひとまず一色への報告を優先することにした。
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