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有栖_5
有栖_5-2
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「チョコバーですか? ありますよ」
田中は胸ポケットから、あの日もらったのと同じチョコバーを取り出し、有栖に近寄った。
「そっか、。そりゃ助かります」
「食べたら回復しますか? マンガのヒーローみたいに」
田中は少しからかいながら、有栖にチョコバーを渡した。彼女はそれを受け取り、大きく息を吐いた。そして、チョコバーの個装を開けて、取り出す。
「そうなんですよ。こうじゃないと変なんですよ」
「何がですか?」
「このチョコバー、チョコたっぷりでコーティングされてるから、要冷蔵なんですよ。だから、この熱帯夜や猛暑日には――溶けてないと変なんですよ」
「え?」
有栖が持っているチョコバーはドロドロと溶けていて袋の中をチョコで汚し、取り出しにくい状況になっていた。これはこの夏の暑さが原因でなったのだ。世の中にはこのような周囲の環境温度に対応する為に溶けにくくしている商品もあるが、このチョコバーをそんなことは考えずにただ大量のカロリーを摂取させる為に安いチョコレートをふんだんに使っていた。
「あの日、貴方から貰ったチョコバーはこんな状況ではなく、形状はしっかりしていたし、チョコも固まっていた」
有栖はゆっくりと立ち上がった。そして、続ける。
「変ですよね。あの日、自分は付近にいたので最短、最速で現場に着いたつもりです。ですが、先に田中さんがいた。チョコが溶けていないってことは貴方は周囲の温度が常温以下の場所にいたことになる。けど、この真夏では室内でも温度は高い。そのような状況の場所はクーラーが効いているような室内以外は有り得ないんですよ」
有栖はゆらり、と田中に近づく。
「あの日、貴方は終日外回りだと言っていた。それだけでも、チョコバーは変形していないと変だ。更に、あの周辺にはコンビニもなければ、貴方が車で来た様子もなかった。自分より先に着いていた貴方が、チョコを溶かさずにいるってことはあの付近――あのアパートの一室にいた可能性が高いのでは? 例えば――あの殺人現場の一室とか」
田中は胸ポケットから、あの日もらったのと同じチョコバーを取り出し、有栖に近寄った。
「そっか、。そりゃ助かります」
「食べたら回復しますか? マンガのヒーローみたいに」
田中は少しからかいながら、有栖にチョコバーを渡した。彼女はそれを受け取り、大きく息を吐いた。そして、チョコバーの個装を開けて、取り出す。
「そうなんですよ。こうじゃないと変なんですよ」
「何がですか?」
「このチョコバー、チョコたっぷりでコーティングされてるから、要冷蔵なんですよ。だから、この熱帯夜や猛暑日には――溶けてないと変なんですよ」
「え?」
有栖が持っているチョコバーはドロドロと溶けていて袋の中をチョコで汚し、取り出しにくい状況になっていた。これはこの夏の暑さが原因でなったのだ。世の中にはこのような周囲の環境温度に対応する為に溶けにくくしている商品もあるが、このチョコバーをそんなことは考えずにただ大量のカロリーを摂取させる為に安いチョコレートをふんだんに使っていた。
「あの日、貴方から貰ったチョコバーはこんな状況ではなく、形状はしっかりしていたし、チョコも固まっていた」
有栖はゆっくりと立ち上がった。そして、続ける。
「変ですよね。あの日、自分は付近にいたので最短、最速で現場に着いたつもりです。ですが、先に田中さんがいた。チョコが溶けていないってことは貴方は周囲の温度が常温以下の場所にいたことになる。けど、この真夏では室内でも温度は高い。そのような状況の場所はクーラーが効いているような室内以外は有り得ないんですよ」
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「あの日、貴方は終日外回りだと言っていた。それだけでも、チョコバーは変形していないと変だ。更に、あの周辺にはコンビニもなければ、貴方が車で来た様子もなかった。自分より先に着いていた貴方が、チョコを溶かさずにいるってことはあの付近――あのアパートの一室にいた可能性が高いのでは? 例えば――あの殺人現場の一室とか」
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