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第四章:三極-1-
飛田_4-5
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「逃げろ、逃げろ」
その日も警察をからかい、飛田達は逃げていた。いつもなら簡単に撒けるのだが、その日の警察は数も多く、妙にしつこかったのだ。
「しまった!」
「リーダー!」
逃げている途中で、チームのリーダーが躓き、転んでしまった。警察はまだ追ってきている。飛田の判断は彼を助けることだった。
――決して見捨てない。助けてみせる。全員で逃げ切るんだ。
居場所であるチームを護る為、彼の思いは強かった。しかし、
「悪いな、飛田」
差し出した手は飛田が想像した以上に強く引かれ、その反動でリーダーは立ち上がり、バランスを崩した彼の背中を蹴ってから逃げた。
それを意味することは――裏切り。それを理解するのは簡単だった。
――あぁ、ここも俺の居場所じゃなかった
緩やかに地面に倒れていく自身の身体と、警察から逃げる為に自身を犠牲にし、遠ざかるリーダーを見つめながら、彼は理解した。いや、させられた。
近づく足音。警察だ。もう逃げきれない。捕まるしかない。終わった――そう思った。
「何や、転けたんか? 大丈夫か?」
そこには捕まえるべき対象でありながらも、飛田を心配する一人の警察――一色の姿があった。
その日も警察をからかい、飛田達は逃げていた。いつもなら簡単に撒けるのだが、その日の警察は数も多く、妙にしつこかったのだ。
「しまった!」
「リーダー!」
逃げている途中で、チームのリーダーが躓き、転んでしまった。警察はまだ追ってきている。飛田の判断は彼を助けることだった。
――決して見捨てない。助けてみせる。全員で逃げ切るんだ。
居場所であるチームを護る為、彼の思いは強かった。しかし、
「悪いな、飛田」
差し出した手は飛田が想像した以上に強く引かれ、その反動でリーダーは立ち上がり、バランスを崩した彼の背中を蹴ってから逃げた。
それを意味することは――裏切り。それを理解するのは簡単だった。
――あぁ、ここも俺の居場所じゃなかった
緩やかに地面に倒れていく自身の身体と、警察から逃げる為に自身を犠牲にし、遠ざかるリーダーを見つめながら、彼は理解した。いや、させられた。
近づく足音。警察だ。もう逃げきれない。捕まるしかない。終わった――そう思った。
「何や、転けたんか? 大丈夫か?」
そこには捕まえるべき対象でありながらも、飛田を心配する一人の警察――一色の姿があった。
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