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Ⅲ章 ヘスペリオス洞穴
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『・・・結構、大変だったみたいね。』
「まぁね。」
とりあえず、小屋に連れ帰り、傷の具合を見てみる。
が、医者でもない僕に分かることは少なく、メープルシロップをぶっかけてべたべたにするしかないという。
さぁべたべたにするぞ、残り少ないメープルシロップを垂れかけようとしたら――
『・・・ちょっと待ちなさい。』
憮然とした表情のグリューネに引き止められた。
「ん?」
『もしやとは思うのだけれど、それを・・・残り少ない甘味(ソレ)を貴方はこのどこの馬の骨とも知らない人間に使おうというのかしら?』
「言うのです。さすがに自然治癒を待ってたら死ぬでしょ?」
『そんな勿体無いことをするのは私が許さないわ。』
「いや、許すも何も・・・」
これは僕の日々の調味料の一種なわけで―それがなぜか高い治癒効果を発揮するというのだからそれをどう使おうと僕の勝手ではないだろうか?
確かに彼女がメープルシロップの原料の木を見つけてくれたのは感謝してるがその感謝は彼女に日々メープルシロップ料理を振舞っていることで返しているつもりである。
そもそも、また作ればいいだけなのだし。
『好き好き言われてあなたもその気になったということ?
だとしたら、その感情は吐いて捨てなさいな。
貴方の正体は魔獣なのよ?
人間の間ではデビルイーターと呼ばれる魔獣なの。』
「は、初耳だ。」
僕の種族が今更になって初めて明らかに!
でも、ぶっちゃけどうでもいい。
そして別にその気になったわけではなく、あくまで簡単に助けれそうだから助けてあげようと言う軽い気持ちなわけで、もしもメープルシロップが切れてたらこれから彼女の傷を治すためにメープルシロップを作るのかぁ・・・めんどいなぁ、でも、ちょうど切れてるしそのついでに治癒用のメープルシロップを余計に作ってもいいかなぁという程度の善意である。
これがもしも僕の命が危険にさらされるとかなら助けることは無かったはず。
『悪魔すら食べてしまいそうなおぞましい生き物という意味で付けられた名前ね。実際はそうでもないし、然程強くない生物・・・なのだけれどまぁそこは良しとしましょう。』
こいつ本当にデビルイーターなのだろうかみたいな目で僕を見ながら、彼女は話を続けた。
『あ、一応勘違いしないように注意しておくと別に食い意地が張っているわけではないのよ?
貴方が食べ物、調味料として使っている甘味の本来の用途をちゃんと思い出させてあげようという私の優しさや善意から来て――』
とりあえず話が長くなりそうなので、無視してメープルシロップをかけようとしたところで―
『あららあっ。手が滑ってついヒールをぉぉぉっ。』
ものすっごい棒読みで彼女が何かをした。
とたんにエンデの痛々しい体が光に包まれ、なんということでしょう。
綺麗な体が、どこからドウ見ても誰が見ても健康体だと断ずることが出来るほどの女体が現れたではありませんか。
「・・・。」
『な、何か言いなさい。』
「・・・ありがとう?」
『ふ、ふん。あくまでも手が滑ったというだけの話よ。』
「なんだ。お礼にメープルシロップをたっぷり使った料理でも振舞おうと思ったのだけど・・・手が滑ったというなら別にいいよね。」
『っ!?
い、いえ、ま、まちなさい。
私が手を滑らせたとは言えども、結果的に助かったのは確かなのだし貴方は私に感謝するべきだと思うの。
決して私が甘味を得たいがタメの意地汚い優雅とはかけ離れた行為ではなかったことは言っておくわ。
その上で、その上でよ?
私に対して感謝の意を述べるというのならばやはりここは甘味を使った料理を振舞うのが――』
「・・・必死。」
『ち、違うわよっ!?』
「ふふふ。冗談だよ。
確かにそうだね。食い意地なんて張ってない。
これはあくまでも僕の感謝の印で、感謝をするとなれば料理くらいしかないから、料理をふるまうよ。
食い意地とは無縁なんだろうけど、ここはどうか心をこめた晩御飯で勘弁してもらえないだろうか?」
『そ、そこまで言うなら仕方ないわね。』
面倒くさいな、と思うけど感謝してるには変わりない。
いじるのはこれくらいにしてちゃんと振舞おうじゃないか。
ただ、こんな魔法が使えるなら早く使って欲しかった。
『で、デザートはつくのかしら?
こ、これはただたずねているだけであって、他意はないのよ?他意は。』
「ホットケーキをつくるつもりだよ。
ああ、でも小麦粉もそろそろストックが尽きるころあいか・・・そろそろ買いに行かないとな・・・。」
「うう・・・」
『お目覚めね。』
「予想以上に早いな。」
「ここ・・・は・・・き、きぁあああああっ!?」
起きると同時に悲鳴をあげる彼女。
一体何事だろうか?
こちらを見て、まるで化け物を見るかのようにおびえている。
『・・・自分の姿忘れたの?』
「あ。」
そうだった。
まだタコままだった。
いっけね。
とりあえずいつもどおりの姿になる。
ぐにぐに~っと。
「ひぅっ!?
え・・・?
えっと・・・タコ?」
「そう――だはっ!?」
魔法をうちこまれた。
いきなり何事!?
というか僕の家がぁぁあぁああああっ!?
ばらばらと音を発てて崩れ落ちる我が家の一角。
せっかく作ってもらった釣竿とか、獣の干物とか、調味料一式とかがバラバラにっ!!
なんてひどいことをしてくれるのだっ!!
この小娘はっ!?
さすがの僕も文句の一つや二つは言ってやろうとしたところで、彼女がまたしても叫ぶっ!!
「そなたっ!!
まさか私を・・・私達を騙していたのかっ!!
おのれっ!!
おのれおのれおのれおのれっ!!
私の・・・私の恋心をももてあそびおってっ!!」
「・・・な、なんて一方的な。」
いや、確かに絶世の美少女が実はタコでしたとか言われたら、そら怒るかもしれないが、これはあんまりな仕打ちではないだろうか?
一応こちとら命の恩人、とまでは言わずとも少なくともこっちから危害を加える存在じゃないというのにっ!!
これはひどいっ!
ていうかあの釣竿一つでどれだけのお金を費やしたと思ってるのっ!?
さらには我が家に大きな穴を開けおってっ!?
いや、タコだとばれれば確かにコレに近い反応はされるとは思っていたけどこれは予想以上だよっ!!
まさか家をぶっ壊されて、さらには家具の一部まで消炭にされるとは思いもよらなかったっ!!
「おのれ・・・だと?
それはこっちのセリ――のわっ!?」
「わ、私の・・・私の初恋だったのにっ!!
好きに、中身も好きになりかけていたのにっ!!
ようやく身を固めることが出来ると思ったのにっ!!」
ファイアーボールをがんがん撃ちまくるエンデ。
泣きながら、がむしゃらに魔法を撃ち放っている。
なんて迷惑なっ!!
泣きたいのはこっちなのに。
「どうしてっ!!
どうしてそなたは魔獣なのだっ!!
どうしてそなたは人間として生まれなかったっ!!
どうしてそなたは・・・私を好きになってくれる種族ではなかったっ!!
どうして私は・・・魔獣として生まれなかった!!
これでは・・・これでは・・・一縷の望みもないではないか・・・」
そのまま泣きながら崩れ落ちるエンデ。
魔法は止んだ。
というか今のセリフから察するに、彼女はどうやら僕が魔獣であったことよりも、僕が魔獣であるということは同じ魔獣にしか興味を示さない、と考え、自分の恋はまず実らないということを理解したがゆえに嘆いている・・・のだろうか?
だとするとなかなかどうして、彼女は結構本気で惚れていたのだろう。
この僕に。
彼女の慟哭を聞いた後では文句を言う気概も削がれてしまい。
その後騒ぎを聞きつけた、やたらと血まみれになっていたじいやさんが彼女を引き取り、彼女達はそれからはここに顔を見せなかった。
☆ ☆ ☆
『どうしたの?黄昏ちゃって。』
「いや・・・別に。」
『なんだかんだで惚れていたのかしら?』
「それは無い・・・んだけど・・・なんだかなぁってさ。」
『一応言っておくと魔獣にあそこまで熱心になっていたのって、あの子くらいなものよ?
何を考えているのかは分からないけれど・・・どの道魔獣と人間では住む世界が違う、価値観・・・は分からないけれど、生態が違う。
ドウ考えても幸せにはなれなかったとは思うわ。
せめて魔獣よりの亜人でないと・・・というか同属と恋しなさいな。』
「いや、さすがにそんな気には・・・」
『・・・いや、さすがにというかそれが普通なのだけれど。』
「ふぅ。」
『まるで人間のように思い悩むのね。くだらない。』
「とか言う割には悲しそうな目で彼女を見ていたろ?
それにあの攻撃でメープルシロップの残りが地面にぶちまけられたじゃないか。普段のグリューネならそこで怒って彼女を殺してただろ?」
『・・・別に気まぐれよ。』
「同じ女として多少は気持ちが分かるとか?」
『気まぐれだと言っているでしょう?』
「そう。」
少しの間が空いて彼女が一言。
『前例が無いわけではないのだけれどね。』
「ふぅん。」
とりあえず、明日は壊されたものを買うために久しぶりに街に赴かなくてはいけない。
何をしてお金を稼ごうか、と思いつつ。
「あ、そういえばドライアドの髪の毛ってかなり高級な魔法具の素材になるんだってさ。
・・・物は相談なんだけど・・・」
『いやよ。』
「・・・さいですか。家に住まわせてる上に、毎日ご飯を振舞ってるのに。」
『・・・。
分かったわよ。
ちょっとだけだからね!』
「え、そう?なんか悪いなぁ。」
『どの口で言うかっ!』
今日も平和である。
「まぁね。」
とりあえず、小屋に連れ帰り、傷の具合を見てみる。
が、医者でもない僕に分かることは少なく、メープルシロップをぶっかけてべたべたにするしかないという。
さぁべたべたにするぞ、残り少ないメープルシロップを垂れかけようとしたら――
『・・・ちょっと待ちなさい。』
憮然とした表情のグリューネに引き止められた。
「ん?」
『もしやとは思うのだけれど、それを・・・残り少ない甘味(ソレ)を貴方はこのどこの馬の骨とも知らない人間に使おうというのかしら?』
「言うのです。さすがに自然治癒を待ってたら死ぬでしょ?」
『そんな勿体無いことをするのは私が許さないわ。』
「いや、許すも何も・・・」
これは僕の日々の調味料の一種なわけで―それがなぜか高い治癒効果を発揮するというのだからそれをどう使おうと僕の勝手ではないだろうか?
確かに彼女がメープルシロップの原料の木を見つけてくれたのは感謝してるがその感謝は彼女に日々メープルシロップ料理を振舞っていることで返しているつもりである。
そもそも、また作ればいいだけなのだし。
『好き好き言われてあなたもその気になったということ?
だとしたら、その感情は吐いて捨てなさいな。
貴方の正体は魔獣なのよ?
人間の間ではデビルイーターと呼ばれる魔獣なの。』
「は、初耳だ。」
僕の種族が今更になって初めて明らかに!
でも、ぶっちゃけどうでもいい。
そして別にその気になったわけではなく、あくまで簡単に助けれそうだから助けてあげようと言う軽い気持ちなわけで、もしもメープルシロップが切れてたらこれから彼女の傷を治すためにメープルシロップを作るのかぁ・・・めんどいなぁ、でも、ちょうど切れてるしそのついでに治癒用のメープルシロップを余計に作ってもいいかなぁという程度の善意である。
これがもしも僕の命が危険にさらされるとかなら助けることは無かったはず。
『悪魔すら食べてしまいそうなおぞましい生き物という意味で付けられた名前ね。実際はそうでもないし、然程強くない生物・・・なのだけれどまぁそこは良しとしましょう。』
こいつ本当にデビルイーターなのだろうかみたいな目で僕を見ながら、彼女は話を続けた。
『あ、一応勘違いしないように注意しておくと別に食い意地が張っているわけではないのよ?
貴方が食べ物、調味料として使っている甘味の本来の用途をちゃんと思い出させてあげようという私の優しさや善意から来て――』
とりあえず話が長くなりそうなので、無視してメープルシロップをかけようとしたところで―
『あららあっ。手が滑ってついヒールをぉぉぉっ。』
ものすっごい棒読みで彼女が何かをした。
とたんにエンデの痛々しい体が光に包まれ、なんということでしょう。
綺麗な体が、どこからドウ見ても誰が見ても健康体だと断ずることが出来るほどの女体が現れたではありませんか。
「・・・。」
『な、何か言いなさい。』
「・・・ありがとう?」
『ふ、ふん。あくまでも手が滑ったというだけの話よ。』
「なんだ。お礼にメープルシロップをたっぷり使った料理でも振舞おうと思ったのだけど・・・手が滑ったというなら別にいいよね。」
『っ!?
い、いえ、ま、まちなさい。
私が手を滑らせたとは言えども、結果的に助かったのは確かなのだし貴方は私に感謝するべきだと思うの。
決して私が甘味を得たいがタメの意地汚い優雅とはかけ離れた行為ではなかったことは言っておくわ。
その上で、その上でよ?
私に対して感謝の意を述べるというのならばやはりここは甘味を使った料理を振舞うのが――』
「・・・必死。」
『ち、違うわよっ!?』
「ふふふ。冗談だよ。
確かにそうだね。食い意地なんて張ってない。
これはあくまでも僕の感謝の印で、感謝をするとなれば料理くらいしかないから、料理をふるまうよ。
食い意地とは無縁なんだろうけど、ここはどうか心をこめた晩御飯で勘弁してもらえないだろうか?」
『そ、そこまで言うなら仕方ないわね。』
面倒くさいな、と思うけど感謝してるには変わりない。
いじるのはこれくらいにしてちゃんと振舞おうじゃないか。
ただ、こんな魔法が使えるなら早く使って欲しかった。
『で、デザートはつくのかしら?
こ、これはただたずねているだけであって、他意はないのよ?他意は。』
「ホットケーキをつくるつもりだよ。
ああ、でも小麦粉もそろそろストックが尽きるころあいか・・・そろそろ買いに行かないとな・・・。」
「うう・・・」
『お目覚めね。』
「予想以上に早いな。」
「ここ・・・は・・・き、きぁあああああっ!?」
起きると同時に悲鳴をあげる彼女。
一体何事だろうか?
こちらを見て、まるで化け物を見るかのようにおびえている。
『・・・自分の姿忘れたの?』
「あ。」
そうだった。
まだタコままだった。
いっけね。
とりあえずいつもどおりの姿になる。
ぐにぐに~っと。
「ひぅっ!?
え・・・?
えっと・・・タコ?」
「そう――だはっ!?」
魔法をうちこまれた。
いきなり何事!?
というか僕の家がぁぁあぁああああっ!?
ばらばらと音を発てて崩れ落ちる我が家の一角。
せっかく作ってもらった釣竿とか、獣の干物とか、調味料一式とかがバラバラにっ!!
なんてひどいことをしてくれるのだっ!!
この小娘はっ!?
さすがの僕も文句の一つや二つは言ってやろうとしたところで、彼女がまたしても叫ぶっ!!
「そなたっ!!
まさか私を・・・私達を騙していたのかっ!!
おのれっ!!
おのれおのれおのれおのれっ!!
私の・・・私の恋心をももてあそびおってっ!!」
「・・・な、なんて一方的な。」
いや、確かに絶世の美少女が実はタコでしたとか言われたら、そら怒るかもしれないが、これはあんまりな仕打ちではないだろうか?
一応こちとら命の恩人、とまでは言わずとも少なくともこっちから危害を加える存在じゃないというのにっ!!
これはひどいっ!
ていうかあの釣竿一つでどれだけのお金を費やしたと思ってるのっ!?
さらには我が家に大きな穴を開けおってっ!?
いや、タコだとばれれば確かにコレに近い反応はされるとは思っていたけどこれは予想以上だよっ!!
まさか家をぶっ壊されて、さらには家具の一部まで消炭にされるとは思いもよらなかったっ!!
「おのれ・・・だと?
それはこっちのセリ――のわっ!?」
「わ、私の・・・私の初恋だったのにっ!!
好きに、中身も好きになりかけていたのにっ!!
ようやく身を固めることが出来ると思ったのにっ!!」
ファイアーボールをがんがん撃ちまくるエンデ。
泣きながら、がむしゃらに魔法を撃ち放っている。
なんて迷惑なっ!!
泣きたいのはこっちなのに。
「どうしてっ!!
どうしてそなたは魔獣なのだっ!!
どうしてそなたは人間として生まれなかったっ!!
どうしてそなたは・・・私を好きになってくれる種族ではなかったっ!!
どうして私は・・・魔獣として生まれなかった!!
これでは・・・これでは・・・一縷の望みもないではないか・・・」
そのまま泣きながら崩れ落ちるエンデ。
魔法は止んだ。
というか今のセリフから察するに、彼女はどうやら僕が魔獣であったことよりも、僕が魔獣であるということは同じ魔獣にしか興味を示さない、と考え、自分の恋はまず実らないということを理解したがゆえに嘆いている・・・のだろうか?
だとするとなかなかどうして、彼女は結構本気で惚れていたのだろう。
この僕に。
彼女の慟哭を聞いた後では文句を言う気概も削がれてしまい。
その後騒ぎを聞きつけた、やたらと血まみれになっていたじいやさんが彼女を引き取り、彼女達はそれからはここに顔を見せなかった。
☆ ☆ ☆
『どうしたの?黄昏ちゃって。』
「いや・・・別に。」
『なんだかんだで惚れていたのかしら?』
「それは無い・・・んだけど・・・なんだかなぁってさ。」
『一応言っておくと魔獣にあそこまで熱心になっていたのって、あの子くらいなものよ?
何を考えているのかは分からないけれど・・・どの道魔獣と人間では住む世界が違う、価値観・・・は分からないけれど、生態が違う。
ドウ考えても幸せにはなれなかったとは思うわ。
せめて魔獣よりの亜人でないと・・・というか同属と恋しなさいな。』
「いや、さすがにそんな気には・・・」
『・・・いや、さすがにというかそれが普通なのだけれど。』
「ふぅ。」
『まるで人間のように思い悩むのね。くだらない。』
「とか言う割には悲しそうな目で彼女を見ていたろ?
それにあの攻撃でメープルシロップの残りが地面にぶちまけられたじゃないか。普段のグリューネならそこで怒って彼女を殺してただろ?」
『・・・別に気まぐれよ。』
「同じ女として多少は気持ちが分かるとか?」
『気まぐれだと言っているでしょう?』
「そう。」
少しの間が空いて彼女が一言。
『前例が無いわけではないのだけれどね。』
「ふぅん。」
とりあえず、明日は壊されたものを買うために久しぶりに街に赴かなくてはいけない。
何をしてお金を稼ごうか、と思いつつ。
「あ、そういえばドライアドの髪の毛ってかなり高級な魔法具の素材になるんだってさ。
・・・物は相談なんだけど・・・」
『いやよ。』
「・・・さいですか。家に住まわせてる上に、毎日ご飯を振舞ってるのに。」
『・・・。
分かったわよ。
ちょっとだけだからね!』
「え、そう?なんか悪いなぁ。」
『どの口で言うかっ!』
今日も平和である。
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