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Ⅵ章 衰亡
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そうして出来上がった魔王がこちら。
名前 魔王のホムンクルス
個体名 なし
生物強度 135
スキル
超分裂
エネルギー効率化
外骨装甲
身体強化
人腕ナマコに続き、今回の魔王も名前は無く、感情も付けていない。機械みたいなものと言っても良い。
何故ならば、がっつり遣い潰すつもりゆえに。
とはいえ遣い潰すとは言えども無駄死にさせるつもりはない。
ゆえにそのためのスキルを複数付与したつもりである。
今回の魔王のコンセプトは徹底的にヤル、である。
ゆえに我ながらこいつを殺し切るのは無理だろうと考えてしまうくらいのヤバい魔王が出来上がったと自負している。
まあ、何百万もの人間の死体を使って、一体の魔王として産み出したのだからさもありなん。
スキルを付与する為の容量が今までの魔王と比較して格段に大きく、結果、誰もが思いつくであろう反則じみたチートスキルのうちの一つ。
分裂を付与できたのだ。
今回の魔王の目玉でもある超分裂スキルとは文字通りの意味で体を分割するわけではなく、細胞が分裂して元の細胞と分裂した細胞で二つになるという意味での分裂、すなわち魔王のホムンクルスと全く同じ戦闘力を持つ同一個体を簡単に増やせるというスキルである。
しかも、まったくの同一個体、全く同じ力を持つ自分の分体を創り出すのだから、さぞかしエネルギーを消耗しそうと思いきやエネルギー効率化によって、短時間で一体が二体に増える強スキル。いや、凶スキルと言っても良い。
今までは考え付いても付与はできなかった。
どうも分裂という形だと魔王クリエイターで付与したスキルもまた複製することとなり、そのスキルの複製という点でやたらと容量を食うみたいで今まで使えなかったのだ。
しかも、普通の分裂ではそれだけで体力というかカロリーをだいぶ消耗するために一度の分裂にがっつり食べ物を必要とした上で、分裂後にもしっかり養生しなくてはならないという非常に遣いにくいスキルである。
今までにも数を増やすタイプの魔王はいたが、彼らは分裂ではない、別の形で数を補っていた。
人を喰らい、繁殖という形で数を増やした魔王ヨトウガや、自分よりも弱い複製体、というかゾンビを生み出す魔王ゾンビ達とは根本から異なる強スキルである。
なにせ自分と戦闘力が変わらない複製体をその場ですぐに生み出せるのだから。
申し訳ないことに、今あげた2種の魔王は僕の消極的な戦意からくる、適当に突っ込ませれば、まず勝てるだろう、これでいいだろうという人類を舐め腐った雑な攻め方のせいで、前者は逃げ遅れた人々ごと殺虫剤で、後者はミサイルでこれまた自分達の同胞ごと纏めて消し飛ばされてしまったのは反省すべき点である。
そして、身体強化スキルは言うまでもない。
筋力などの分かりやすい身体能力は当然ながら、五感や傷や病気に対する治癒力、毒物に対する耐性や寒暖差に対する適応力などなど、ありとあらゆる身体能力が、それなりレベルで強化されている。
残念ながら超分裂スキルの容量の喰い方が予想以上だったために、そこまで極端に高まるわけではないが、最高記録更新した生物強度による補正も相まって、その身体能力はかなりのものとなる。
しかも、それが分裂して複数で襲いかかってくるのだ。
キノコマンを殺した魔女とやらでも無理なんじゃなかろうか。
分裂した個体はさらに分裂をして、ネズミ算式に増えていくのだから。
しかも大元の一体は常に戦場から離しておけば、まず全滅させられることはない。
さらに死ににくくなるようにと外骨装甲スキルは装甲のように体内の骨が表皮を覆うように発達させるスキルで、身体強化スキルで上がりにくい防御力を上げる。
と同時に見た目の改善も図った結果である。
異様な見た目でビビらせるところから始めようって感じで人腕ナマコを作った流れで、魔王のホムンクルスも異様な見た目に…目玉を大きく、口は裂け、手だけがやたらと長くて肥大化した奇妙なヒトガタ。
それが魔王のホムンクルスであったのだが、思いの外、見た目がグロテスクな仕上がりに…いや、不気味すぎる見た目になってしまったのでそこの是正もある。
1番、キツイ頭は頭骸骨を被っているようになって多少は見れるようになり、異様さは減ったものの、威容さは増えた。
早速、分裂をさせて、増やした側から前線へと放り込み、彼らには人腕ナマコへと人間を追い立てるか、直接放り込んでもらう仕事をお願いする。
これによって、さらに人腕ナマコの死体ストックは増えやすくなり、さらに魔王を生み出しての戦力増強を図っていく。
本気を出した魔王クリエイターの前には人類など無力。
人殺しなんていう、僕史上、最低最悪な嫌なことはさっさと済ませて帰ろう。
なんて、勝った気になっていたのが悪かったのかもしれない。
どうやら僕は未だに人類を舐めていたらしい。
何故なら、僕の目の前には山よりも巨大な…尋常ならざる戦車が立ちはだかっていたのだから。
「サドラン帝国を舐めるなよ、化け物どもが」
場所はサドラン帝国首都、サドラン手前の超巨大都市。
超巨大都市ゴモラン。
サドラン帝国を護る防衛の為だけに開発、建設された都市であり、都市そのものがゲートキーパーとなり得る、都市でありながらの軍事基地である。
名前 魔王のホムンクルス
個体名 なし
生物強度 135
スキル
超分裂
エネルギー効率化
外骨装甲
身体強化
人腕ナマコに続き、今回の魔王も名前は無く、感情も付けていない。機械みたいなものと言っても良い。
何故ならば、がっつり遣い潰すつもりゆえに。
とはいえ遣い潰すとは言えども無駄死にさせるつもりはない。
ゆえにそのためのスキルを複数付与したつもりである。
今回の魔王のコンセプトは徹底的にヤル、である。
ゆえに我ながらこいつを殺し切るのは無理だろうと考えてしまうくらいのヤバい魔王が出来上がったと自負している。
まあ、何百万もの人間の死体を使って、一体の魔王として産み出したのだからさもありなん。
スキルを付与する為の容量が今までの魔王と比較して格段に大きく、結果、誰もが思いつくであろう反則じみたチートスキルのうちの一つ。
分裂を付与できたのだ。
今回の魔王の目玉でもある超分裂スキルとは文字通りの意味で体を分割するわけではなく、細胞が分裂して元の細胞と分裂した細胞で二つになるという意味での分裂、すなわち魔王のホムンクルスと全く同じ戦闘力を持つ同一個体を簡単に増やせるというスキルである。
しかも、まったくの同一個体、全く同じ力を持つ自分の分体を創り出すのだから、さぞかしエネルギーを消耗しそうと思いきやエネルギー効率化によって、短時間で一体が二体に増える強スキル。いや、凶スキルと言っても良い。
今までは考え付いても付与はできなかった。
どうも分裂という形だと魔王クリエイターで付与したスキルもまた複製することとなり、そのスキルの複製という点でやたらと容量を食うみたいで今まで使えなかったのだ。
しかも、普通の分裂ではそれだけで体力というかカロリーをだいぶ消耗するために一度の分裂にがっつり食べ物を必要とした上で、分裂後にもしっかり養生しなくてはならないという非常に遣いにくいスキルである。
今までにも数を増やすタイプの魔王はいたが、彼らは分裂ではない、別の形で数を補っていた。
人を喰らい、繁殖という形で数を増やした魔王ヨトウガや、自分よりも弱い複製体、というかゾンビを生み出す魔王ゾンビ達とは根本から異なる強スキルである。
なにせ自分と戦闘力が変わらない複製体をその場ですぐに生み出せるのだから。
申し訳ないことに、今あげた2種の魔王は僕の消極的な戦意からくる、適当に突っ込ませれば、まず勝てるだろう、これでいいだろうという人類を舐め腐った雑な攻め方のせいで、前者は逃げ遅れた人々ごと殺虫剤で、後者はミサイルでこれまた自分達の同胞ごと纏めて消し飛ばされてしまったのは反省すべき点である。
そして、身体強化スキルは言うまでもない。
筋力などの分かりやすい身体能力は当然ながら、五感や傷や病気に対する治癒力、毒物に対する耐性や寒暖差に対する適応力などなど、ありとあらゆる身体能力が、それなりレベルで強化されている。
残念ながら超分裂スキルの容量の喰い方が予想以上だったために、そこまで極端に高まるわけではないが、最高記録更新した生物強度による補正も相まって、その身体能力はかなりのものとなる。
しかも、それが分裂して複数で襲いかかってくるのだ。
キノコマンを殺した魔女とやらでも無理なんじゃなかろうか。
分裂した個体はさらに分裂をして、ネズミ算式に増えていくのだから。
しかも大元の一体は常に戦場から離しておけば、まず全滅させられることはない。
さらに死ににくくなるようにと外骨装甲スキルは装甲のように体内の骨が表皮を覆うように発達させるスキルで、身体強化スキルで上がりにくい防御力を上げる。
と同時に見た目の改善も図った結果である。
異様な見た目でビビらせるところから始めようって感じで人腕ナマコを作った流れで、魔王のホムンクルスも異様な見た目に…目玉を大きく、口は裂け、手だけがやたらと長くて肥大化した奇妙なヒトガタ。
それが魔王のホムンクルスであったのだが、思いの外、見た目がグロテスクな仕上がりに…いや、不気味すぎる見た目になってしまったのでそこの是正もある。
1番、キツイ頭は頭骸骨を被っているようになって多少は見れるようになり、異様さは減ったものの、威容さは増えた。
早速、分裂をさせて、増やした側から前線へと放り込み、彼らには人腕ナマコへと人間を追い立てるか、直接放り込んでもらう仕事をお願いする。
これによって、さらに人腕ナマコの死体ストックは増えやすくなり、さらに魔王を生み出しての戦力増強を図っていく。
本気を出した魔王クリエイターの前には人類など無力。
人殺しなんていう、僕史上、最低最悪な嫌なことはさっさと済ませて帰ろう。
なんて、勝った気になっていたのが悪かったのかもしれない。
どうやら僕は未だに人類を舐めていたらしい。
何故なら、僕の目の前には山よりも巨大な…尋常ならざる戦車が立ちはだかっていたのだから。
「サドラン帝国を舐めるなよ、化け物どもが」
場所はサドラン帝国首都、サドラン手前の超巨大都市。
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