上 下
1 / 7

助けた子は

しおりを挟む
「おい、何やってんだよ」
俺は酒臭いおっさんの腕を掴んだ。
「何もしてないよおー」
「この子の尻を触ってただろうが」
「あ、あの、、、僕、だいじょうぶですから」
「ん?男?いや、男だからいいってもんじゃないだろ」

俺の降りる駅に着いた。
「もう、すんなよ、おっさん」
気付いたらあの子が着いてきている。
「君もこの駅?」
「あのおじさんがいる電車に乗っていたくなくて」
「あー、そうだよなー、じゃあ次の電車に乗ったらいい、それじゃ俺はこれで」
ん?ジャケットの裾、掴まれてる。
「うっ、うっ、僕、触られて怖くて、何も言えなくて、お兄さん、ありがと、、、」
「そんなに怖かったのか、泣かないでよ」
あのー、皆さん、俺が泣かしてる訳じゃ無いですよー、、、ホームの人の目が、、、。
「ここじゃ目立つから、俺んち近いから来るか?落ち着くまで」
「うっ、うっ、、、うん、、、」

駅から俺のうちまで七分くらい、途中でコンビニに寄り、弁当と飲み物を買う。
「男の一人暮らしで、むさ苦しいとこだけど、どうぞ」
「お邪魔します」






しおりを挟む

処理中です...