「alive」

レム

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第三章【正体】

第5話【闇雲】

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段々と雨も止み、曇り空になってきた。
昼食の準備をしようと冷蔵庫を開けると

玖炉「う…」

見事に空だった。

玖炉「しかたない、買いに行ってくるか」

あまり外にでたくないのだが、これはしょうがない。
玖炉は玄関へと行き、靴を履くとその音に気づいたのかハーリィが部屋から出てきた。

ハーリィ「玖炉、お出かけですか?」

玖炉「うん、買い物に行ってくるよ」

ハーリィ「私も同行します」

買い物中に女性の騎士が隣にいるのもなんかあれだな……と思い

玖炉「なんか私服みたいな、お出掛けする時の服みたいのあるかな?」

ハーリィ「そうですね……」

と、目を瞑るとハーリィの鎧が消えて、髪型も変わり、シンプルにオシャレな女性になった。

ハーリィ「こんなので…いいでしょうか?」



玖炉「……最高だよ」









外に出て見ると晴れ間があり、傘は必要無さそうだった。

「あの人じゃない?」「いや、鎧着てないし違うよー」

通りすがりの子供達が僕達を見て言う。
おそらく学校に閉じ込められて、助けてくれたハーリィのことを探していたのだろう。

玖炉「有名人ってやつになっちゃったのかな?」

ハーリィ「あの出来事があったので、仕方がないですね」

玖炉「なんか緊張するなぁ」

ハーリィ「大丈夫です、今のところ誰かに狙われている気配はありません」

玖炉『そういうわけじゃないんだけどね…』

買い物に行くと言っても、何を作るか考えていなかった。
ハーリィにはこの世界の食べ物を知ってほしい。

玖炉「そうだ」

ハーリィ「?」

ハーリィが王女だった時には存在してなかったであろう。
簡単かつ美味、日本のソウルフード。3分から5分の間で作れるというスピーディー。

ハーリィ「玖炉?」

玖炉「ハーリィ、君にはこれからこの世界の頂点と言っても過言じゃない食べ物を食べてもらおう」

ハーリィ「頂点!?」

玖炉「その名も……カップラーメンだ!!!」
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