「alive」

レム

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第四章【侵略】

第15話【炎剣】

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アイオーン「さて、今楽にしてやろう」

そう言いアイオーンが倒れているハーリィに手を伸ばす。
その瞬間、アイオーンの腕に青い弓矢が走る。

キリカ「殺らせないわ」

玖炉「キリカ…!」

キリカ「ハーリィだって…私の…お友達だもの」

いつになくキリカの表情は真剣だった。

ハーリィ「キリ……カ」

アイオーン「王女キリカ、君も痛い思いをしたいのか?」

キリカ「黙りなさいアイオーン、いえ、征服王と呼んだほうがいいかしら?」

アイオーン「懐かしい名だな、ここに倒れている王女の国も確か…征服したような…してないような……もしかして、王女キリカ、君の国にもお邪魔したことがあるかな?」

キリカ「貴様…!!」

キリカは手を強く握るとルーの光弓がその手に現れる。

アイオーン「ほぉ、その弓を見れるとは幸運だな」

キリカは強く弦を引く、そして矢じりの部分に水のオーラが纏われる。

キリカ「アクアスヴァレッド激流の一撃!!!」

そして弓を放つ、その弓矢はアイオーンの頭部に的確に放たれた


アイオーン「単純すぎだ。こんな攻撃は」

弓矢はアイオーンの目の前にくると、指2本で止める。

アイオーン「はっ威力が足りないんじゃないか?……!?」

キリカはアイオーンが弓矢を止めた時にはすでに次の攻撃の準備に移り、高く宙に飛んでいた。

キリカ「くらえ征服王……カラド・シェルズ!!!」

放たれた弓矢は、空中で数十発に拡散し、アイオーンの回りからまるで追尾するかのように接近する。

アイオーン「そんな技もあるのか、だが、私に武器を持たせたのは難点だったな」

と、キリカの放った弓矢を握りしめる。

アイオーン「ふんっ!!!」

そしてそれを素手でキリカに向かって投げる。
その弓矢はキリカの拡散矢を吹き飛ばし、キリカまで届き

キリカ「………!!」

空中にいたのが裏目にでた、空中で避けようとも体制を変えられない。アイオーンが投げた矢はキリカの横腹を貫通した。
そしてキリカもハーリィ動揺、地に落ちる。

キリカ「ん……」

玖炉「ハーリィ!!キリカ!!」

アイオーン「だからやめとけって言ったんだがな…」

苦しみながら、また槍を手に取ろうと、手を伸ばすハーリィ。

ハーリィ「すみま……せん……玖炉……」

アイオーン「おっと、悪い、待たせてしまったな」

そういいハーリィの元へ戻る。

アイオーン「さぁ、チェックメイトだ」

玖炉はその時、走馬灯にあった。ハーリィと過ごした日々、頭のなかで全てを一瞬にして振り返った。それと同時に浮かんだのは、それを失う恐怖、悲しみ。

玖炉「やめろぉぉ!!!!」

玖炉がアイオーンに向かって走り出す。

アイオーン「残念、終わりだ。」

手に闇のオーラが纏われると、オーラが刀の形に変わり、鋭利な刃物に変わる。そしてそれを大きく振り、

アイオーン「死ね。」

ハーリィ『玖炉……ごめんなさい。』

玖炉「…………!!!!!」

玖炉はアイオーンの剣が降り下ろされた後の光景を想像してしまい、思わず目を瞑る。




次の瞬間。





キィィィン、と金属音が鳴り響く。
ハーリィに刃は届いていなかった。
それは、赤い髪の男の剣によって防がれた。

アイオーン「誰だ…?貴様は」

「おい、お前、ハーリィ様に手をだして……ただで済むと思っているのか……?」

「なんだ、そんな泣いてよ、そんな危ない場面だったか?」

玖炉は閉じた目を開ける。



玖炉「あなたは……!!」

蒼馬「久しぶりだな、玖炉」

玖炉「蒼馬さん!!」

アグナム「話は後だ、それより」

アグナムはアイオーンを押し切ると、倒れているハーリィとキリカを抱え、玖炉の元に寝かせた。

玖炉「アグナム…蒼馬さん…本当に……本当にありがとう」

アグナム「お前のためじゃねぇ、ハーリィ様のためだ。」

ハーリィ「アグ……ナム……」

アグナム「ハーリィ様、少し待っていてください。」

アグナムは剣を振るうと炎が巻き上がる。

アグナム「直属護衛軍指揮長として、奴を殺します。」
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