「alive」

第七章【文化】

第6話【驚愕】

そして学校につく。
下駄箱で上履きに履き替えると、ふと、周りからの視線が気になった。

玖炉『なんだか視線がすごいんだけど、何か悪いことしたっけかな』

ハーリィ『確かに…ですが敵意は向けられていません。』

玖炉『二人とも、中から見て僕になんか変なものがついてたりしない？』

キリカ『あるわけないでしょ、あったら言ってるわよ』

玖炉『ん～…何か嫌だなぁ……』

そう言いながら自分の教室へと足を運んだ。
ガラガラ、と扉を開ける。

大貴「よぉ！おはよう玖炉！」

待っていたかのように大貴が扉の前で腕をくみ、構えていた。

玖炉「………何？大貴」

大貴「お前とお前のユニットが騒動を沈めてくれただろ？」

玖炉「僕達だけじゃないけど……」

大貴「まぁまぁ、その事なんだけどさ、実はもう皆知ってるんだよ、玖炉が5人のSSランク所持者の1人だってこととか、皆のために必死に頑張ってくれていたこととか、とにかく全部だ」

玖炉「え、な、なんで？」

大貴「この前、お前が敵のアジトに乗り込むとき、この街にめっっちゃ敵ユニットが現れてな、その時、アグナムっていうSSランクのユニットが来てくれてな、知ってるだろ？」

玖炉「う……うん」

これでアグナムがあの時、遅れた理由が分かった。

大貴「敵ユニットを全員倒してくれて、その時玖炉、お前のことも全部教えてもらった。隠してたなこの野郎～」

と、大貴は笑いながら玖炉の首を腕で挟み締めた。

玖炉「っ……ギブギブギブ、分かった、黙っててごめんって！」

大貴「ぃよし」

パッと玖炉を腕から離した。

大貴「誰も嫉妬とかしちゃいねぇよ、だから大丈夫だ。そんな事でずっと隠してたなんて……はぁ……」

玖炉「悪かったよ……ずっと黙ってたことは……」

大貴「ほら、入れよ」

ぐいっと教室の中に入れられる。
周りの表情を見てみると、誰も恨むような顔をしている人はいない。

ハーリィ『いい世の中ですね』

キリカ『えぇ…そうね』

玖炉「…………ありがとう、みんな」