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対執事喫茶 忠誠心と強さ
第三十九話 ウェム・ウィテール
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俺が選んだスキルは防御壁(エグラ)。トマトを守ることを最優先した選択だ。
すでに何らかのスキルを付与されている執事は何をするかわからない。この至近距離で範囲攻撃などを撃たれたら一たまりもない。
だから俺の選択は間違っていない――――はずだった。
体内の最も温かみのある炎を呼び起こし、右手に纏わせる。その手は一直線でトマトへ向かう。次の瞬間、
パチン。
戦場には不釣り合いな、まるでウェイトレスでも呼ぶような軽い音が廊下に響いた。
指を鳴らしたのは先ほどの執事。顔の横に構えた手は独特なフォームで止まっている。
仲間を呼ぶなら声を出した方が確実だ。一体何の合図なのか。
そんな疑問が頭を掠めたが、一拍置いて、俺は何が起きたのかを理解した。
――体が、動かない。
トマトに向けて伸ばした手は空中で静止していた。
手だけではない。まるで全身の筋肉がゴムにでもなったかのように、脳の指令を受け入れようとしない。
これがペネルスのスキル。
ドグダンが言っていた、ペネルスは最近急激に力をつけたと。理由はこのスキルなんじゃないか……。
相手の動きを止めるなんて常識外れの性能だ。
絶望を感じた次の瞬間、再び体が感覚を取り戻した。
皮膚は外気の感触を、温度を、湿度を、普段通り脳へ伝える。
ということは、執事のスキルは一瞬の時間停止…………いや、『相手の体を一時的に硬直させる』ものか。
時間停止ほどの恐ろしさはないが、充分強い。
敵の攻撃の起点、決定的なチャンス、最大のピンチ、あらゆる“タイミング”を逸らすことができる。使い方によっては、指先一つで戦況をひっくり返してしまうだろう。
――――なぜこのタイミングでそれを使った?
まだスキルを付与してすらいない戦闘前の段階で、エースとも呼べるようなカードを切った。
その理由など、一つしかない…………。
俺は執事の意図に気付いた。が、体を動かせない状態でそれに抗う術などなかった。
パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。
鼻筋の通った執事は、大道芸を行うピエロのように、顔の左右で構えた手で交互に音を鳴らし続ける。
俺の体は再び硬直する。トマトに向けて伸ばした右手は、数センチの距離を縮めることができない。
そしてついに、
「これはいただいておきましょう」
執事は俺の手に自らの手のひらを合わせた。
蓄えていた熱が執事の手に移動していく。
――――回避不能。
一度手のひらにセットしたスキルは“生物に触れた瞬間付与される”とクシィに聞いたことがあった。その性質を利用すれば敵のスキルを奪うことができるとも。
“物理無効状態になった執事”は両手を広げ、俺の目をさもおかしそうに覗いた。
「さあ、戦闘を始めましょうか。ルッフィランテの葉風鳥太」
再び硬直が解ける。
俺はトマトを庇うように前へ出た。
階段の縁を飛び越え、勢いに乗った足を執事の肩に降り下す。しかし当然、防御壁(エグラ)を纏った執事にダメージはない。
「トマトッ、プランCッ!」
「はい!」
俺は執事へ猛攻を続ける。目的は倒すことではなく足止めをすること。
この間トマトは三階へ進み、ペネルスの秘密を探る。執事とエンカウントした場合の行動パターンはあらかじめ二通り決めていた。
“プランC”というプランはない。敵を惑わす為に呼び名を変えているが、これは俺とトマトで危険度を共有する為の合図だ。
プランCは危険度C――すなわち、俺に身の危険はないが、相手を倒すのも困難な状態を意味する。
猛攻をほぼ無防備で受け切った執事はトマトを追おうとはせず、ただ俺を見据えていた。防御を活かして強引に攻めてくることもしない。俺の戦闘力を測っているのだろう。
トマトの足音が三階へ消えた。
あと数分、時間を稼いでから合流するのが得策だ。しかし、無敵の相手に時間稼ぎなど考えていたらやられる。
この瞬間に勝負をかける。
体内から呼び起こすスキルは操作(ミリカ)。
俺の持つスキルの中で唯一、敵に付与することで効果を発揮できる。奪われても問題はない。
俺は翳した右手を太ももに近づけた。
――――来い!
「ああ、やはりメイド喫茶の犬など、私の執事の足元にも及ばないな」
執事の背後でペネルスは呆れた声を漏らした。優越感に浸っているような白々しい手振り。
「私が来客者の戦力を調べていないとでも思ったか? 貴様が手のひらにセットしているスキルは操作(ミリカ)。敵のスキルを奪える指鳴(パッツェ)を目の当たりにして、貴様が使えるスキルなど一つしかない。貴様はたった三つしかないスキルの二つを無駄に消費したんだ」
やられた。
不測の事態に平常心を失い、攻め急いだ。
スキルを手のひらにセットしておける時間はわずか一分程度。これを執事に触れさせることはもう不可能に近い。
「葉風鳥太、自ら切り札を手放すとは滑稽の極みですね。早めに決着をつけましょう。ペネルス様の夕飯が冷めてしまいますので。もちろん無事に帰れるとは思わないでください。あなたも、メイ奴も」
『メイドも』――その言葉を聞いた瞬間、俺の脳は再び思考を始めた。
戦闘中ミスを犯したとき最もしてはいけないことは、ミスを振り返ることだ。
必要なのは踏み外した道で、進むべき一歩を探すこと。
執事はペネルスへ顔を向ける。
「殺してもよろしいですか?」
「構わん。こいつに多少の感謝はしているが、義理は感じていないからな」
「どういう意味だ…………?」
頭の中で作戦を構築しながら問う。
ペネルスに感謝される心当たりなどない。それどころか会ったのは今日が初めてだ。
ペネルスは一言、答える義理はないとだけ呟いた。
執事が攻撃体勢に入る。
俺はギリギリで次の一手を見つけた。
操作(ミリカ)をセットしていた右手で、そのまま自分の太ももに触れる。
以前に戦った女主人が漏らしていた。このスキルにはわずかに戦闘を補助する効果があると。これが踏み外した道を突き進む為の一歩目。
右手の熱が全身に広がり、体中の神経と絡みつくように別の神経回路が生じた。
熱を持った網目状のそれに接続し、脳の指令系統に組み込む。
体がいつもより軽くなる。足の指一本一本で地面を掴んでいるような感覚。いける。
執事は右手の人差し指と親指をつけ、いつでも音を鳴らせる状態で構えている。指先の攻撃を主体とする執事にとって合理的な構えだ。
先に仕掛けてきたのは執事。
右手が俺の喉元を目掛け、直線的に伸びてくる。その攻撃を俺はワンステップで躱す。
執事の手は俺の顔を掠めた。が、同時に俺はその手を掴んだ。
円を描くように捻り、黒服の下の肘関節を極める。
この一瞬で形勢は逆転した。
「悪いな、自分のスキルの弱点は把握してる」
防御壁(エグラ)を纏った相手にダメージを与える方法。それは相手の咽喉を絞める“絞め技”と、関節を極める“関節技”。
俺の防御壁(エグラ)は柔軟性のある薄い膜が全身を覆い、衝撃を無害な威力まで緩和することができるが、裏を返すと、衝撃と呼べない程度の力は通してしまう。普段クシィと行っている戦闘訓練で露見した弱点だ。
「なるほど。物理無効にも弱点はあるということですか」
パチン。
やられた、と思った。
体が硬直し、執事は難なく拘束を逃れる。文字通り指先一つで戦況を変えてしまうスキル。こいつに防御壁の弱点は通用しない。こいつと戦う限り、常にこれを警戒しておかなければいけない…………。
パチン。
再び硬直。
執事はビリヤードのキューを引くような動作で鋭い指を振りかぶった。
その硬い一点が空気を貫き、俺の咽喉へ向かってくる。
が、その攻撃は空振りした。
「――――っ⁉」
執事の手は直線の軌道で行き場を失い、腕は無防備に伸びきる。
再び形勢逆転。
俺はほぼ無意識で動いたが、操作(ミリカ)によって生じた神経はこいつの指鳴(パッツェ)の影響を受けないらしい。元々付与された人間の意思に関係なく操作するスキルだ。執事の指鳴にも引けを取らない性能。
この隙に攻撃――――――。
パチン。
執事の伸びきった手の先で再び音が鳴った。しかしこれでいい。
合計十四回、それなりにスキルを消費させつつ時間を稼いだ。執事の纏っている防御壁(エグラ)の効果もそろそろ切れるだろう。状況は良くないが、悪くもない。
互いに数歩下がり間合いを取る。
先に硬直状態を破ったのは執事。
「ペネルス様、シケイレスを呼びましょう。やはり、私ではやや骨が折れます」
戦意を失ったように、直立状態で両手を脱力させた。
オーナーのペネルスはそれを咎めるどころか満足気に呟いた。
「ご苦労だ、ウェム。一枚のエースで二枚のエースを消費させたな」
これまで通り芝居がかった身振りで、下り階段の方へ足を向ける。
このまま続けても勝機がないことを悟ったのか。しかしまだスキルは残っているはず。なぜだ。
「葉風鳥太、上を調べたければ調べればいい。どちらにしろ貴様はこの屋敷を出る前に死ぬのだから」
ペネルスは廊下を数歩歩いたところで立ち止まり、首だけで振り向いた。
その横顔には、吊り上がった唇から鋭い犬歯が覗く。
「ああ、一つ言い忘れた。ここにいる“ウェム”は、戦闘特化ではない」
俺の疑問の答えを告げたペネルスは鼻で小さく笑い、階段へ姿を消した。
すでに何らかのスキルを付与されている執事は何をするかわからない。この至近距離で範囲攻撃などを撃たれたら一たまりもない。
だから俺の選択は間違っていない――――はずだった。
体内の最も温かみのある炎を呼び起こし、右手に纏わせる。その手は一直線でトマトへ向かう。次の瞬間、
パチン。
戦場には不釣り合いな、まるでウェイトレスでも呼ぶような軽い音が廊下に響いた。
指を鳴らしたのは先ほどの執事。顔の横に構えた手は独特なフォームで止まっている。
仲間を呼ぶなら声を出した方が確実だ。一体何の合図なのか。
そんな疑問が頭を掠めたが、一拍置いて、俺は何が起きたのかを理解した。
――体が、動かない。
トマトに向けて伸ばした手は空中で静止していた。
手だけではない。まるで全身の筋肉がゴムにでもなったかのように、脳の指令を受け入れようとしない。
これがペネルスのスキル。
ドグダンが言っていた、ペネルスは最近急激に力をつけたと。理由はこのスキルなんじゃないか……。
相手の動きを止めるなんて常識外れの性能だ。
絶望を感じた次の瞬間、再び体が感覚を取り戻した。
皮膚は外気の感触を、温度を、湿度を、普段通り脳へ伝える。
ということは、執事のスキルは一瞬の時間停止…………いや、『相手の体を一時的に硬直させる』ものか。
時間停止ほどの恐ろしさはないが、充分強い。
敵の攻撃の起点、決定的なチャンス、最大のピンチ、あらゆる“タイミング”を逸らすことができる。使い方によっては、指先一つで戦況をひっくり返してしまうだろう。
――――なぜこのタイミングでそれを使った?
まだスキルを付与してすらいない戦闘前の段階で、エースとも呼べるようなカードを切った。
その理由など、一つしかない…………。
俺は執事の意図に気付いた。が、体を動かせない状態でそれに抗う術などなかった。
パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。パチン。
鼻筋の通った執事は、大道芸を行うピエロのように、顔の左右で構えた手で交互に音を鳴らし続ける。
俺の体は再び硬直する。トマトに向けて伸ばした右手は、数センチの距離を縮めることができない。
そしてついに、
「これはいただいておきましょう」
執事は俺の手に自らの手のひらを合わせた。
蓄えていた熱が執事の手に移動していく。
――――回避不能。
一度手のひらにセットしたスキルは“生物に触れた瞬間付与される”とクシィに聞いたことがあった。その性質を利用すれば敵のスキルを奪うことができるとも。
“物理無効状態になった執事”は両手を広げ、俺の目をさもおかしそうに覗いた。
「さあ、戦闘を始めましょうか。ルッフィランテの葉風鳥太」
再び硬直が解ける。
俺はトマトを庇うように前へ出た。
階段の縁を飛び越え、勢いに乗った足を執事の肩に降り下す。しかし当然、防御壁(エグラ)を纏った執事にダメージはない。
「トマトッ、プランCッ!」
「はい!」
俺は執事へ猛攻を続ける。目的は倒すことではなく足止めをすること。
この間トマトは三階へ進み、ペネルスの秘密を探る。執事とエンカウントした場合の行動パターンはあらかじめ二通り決めていた。
“プランC”というプランはない。敵を惑わす為に呼び名を変えているが、これは俺とトマトで危険度を共有する為の合図だ。
プランCは危険度C――すなわち、俺に身の危険はないが、相手を倒すのも困難な状態を意味する。
猛攻をほぼ無防備で受け切った執事はトマトを追おうとはせず、ただ俺を見据えていた。防御を活かして強引に攻めてくることもしない。俺の戦闘力を測っているのだろう。
トマトの足音が三階へ消えた。
あと数分、時間を稼いでから合流するのが得策だ。しかし、無敵の相手に時間稼ぎなど考えていたらやられる。
この瞬間に勝負をかける。
体内から呼び起こすスキルは操作(ミリカ)。
俺の持つスキルの中で唯一、敵に付与することで効果を発揮できる。奪われても問題はない。
俺は翳した右手を太ももに近づけた。
――――来い!
「ああ、やはりメイド喫茶の犬など、私の執事の足元にも及ばないな」
執事の背後でペネルスは呆れた声を漏らした。優越感に浸っているような白々しい手振り。
「私が来客者の戦力を調べていないとでも思ったか? 貴様が手のひらにセットしているスキルは操作(ミリカ)。敵のスキルを奪える指鳴(パッツェ)を目の当たりにして、貴様が使えるスキルなど一つしかない。貴様はたった三つしかないスキルの二つを無駄に消費したんだ」
やられた。
不測の事態に平常心を失い、攻め急いだ。
スキルを手のひらにセットしておける時間はわずか一分程度。これを執事に触れさせることはもう不可能に近い。
「葉風鳥太、自ら切り札を手放すとは滑稽の極みですね。早めに決着をつけましょう。ペネルス様の夕飯が冷めてしまいますので。もちろん無事に帰れるとは思わないでください。あなたも、メイ奴も」
『メイドも』――その言葉を聞いた瞬間、俺の脳は再び思考を始めた。
戦闘中ミスを犯したとき最もしてはいけないことは、ミスを振り返ることだ。
必要なのは踏み外した道で、進むべき一歩を探すこと。
執事はペネルスへ顔を向ける。
「殺してもよろしいですか?」
「構わん。こいつに多少の感謝はしているが、義理は感じていないからな」
「どういう意味だ…………?」
頭の中で作戦を構築しながら問う。
ペネルスに感謝される心当たりなどない。それどころか会ったのは今日が初めてだ。
ペネルスは一言、答える義理はないとだけ呟いた。
執事が攻撃体勢に入る。
俺はギリギリで次の一手を見つけた。
操作(ミリカ)をセットしていた右手で、そのまま自分の太ももに触れる。
以前に戦った女主人が漏らしていた。このスキルにはわずかに戦闘を補助する効果があると。これが踏み外した道を突き進む為の一歩目。
右手の熱が全身に広がり、体中の神経と絡みつくように別の神経回路が生じた。
熱を持った網目状のそれに接続し、脳の指令系統に組み込む。
体がいつもより軽くなる。足の指一本一本で地面を掴んでいるような感覚。いける。
執事は右手の人差し指と親指をつけ、いつでも音を鳴らせる状態で構えている。指先の攻撃を主体とする執事にとって合理的な構えだ。
先に仕掛けてきたのは執事。
右手が俺の喉元を目掛け、直線的に伸びてくる。その攻撃を俺はワンステップで躱す。
執事の手は俺の顔を掠めた。が、同時に俺はその手を掴んだ。
円を描くように捻り、黒服の下の肘関節を極める。
この一瞬で形勢は逆転した。
「悪いな、自分のスキルの弱点は把握してる」
防御壁(エグラ)を纏った相手にダメージを与える方法。それは相手の咽喉を絞める“絞め技”と、関節を極める“関節技”。
俺の防御壁(エグラ)は柔軟性のある薄い膜が全身を覆い、衝撃を無害な威力まで緩和することができるが、裏を返すと、衝撃と呼べない程度の力は通してしまう。普段クシィと行っている戦闘訓練で露見した弱点だ。
「なるほど。物理無効にも弱点はあるということですか」
パチン。
やられた、と思った。
体が硬直し、執事は難なく拘束を逃れる。文字通り指先一つで戦況を変えてしまうスキル。こいつに防御壁の弱点は通用しない。こいつと戦う限り、常にこれを警戒しておかなければいけない…………。
パチン。
再び硬直。
執事はビリヤードのキューを引くような動作で鋭い指を振りかぶった。
その硬い一点が空気を貫き、俺の咽喉へ向かってくる。
が、その攻撃は空振りした。
「――――っ⁉」
執事の手は直線の軌道で行き場を失い、腕は無防備に伸びきる。
再び形勢逆転。
俺はほぼ無意識で動いたが、操作(ミリカ)によって生じた神経はこいつの指鳴(パッツェ)の影響を受けないらしい。元々付与された人間の意思に関係なく操作するスキルだ。執事の指鳴にも引けを取らない性能。
この隙に攻撃――――――。
パチン。
執事の伸びきった手の先で再び音が鳴った。しかしこれでいい。
合計十四回、それなりにスキルを消費させつつ時間を稼いだ。執事の纏っている防御壁(エグラ)の効果もそろそろ切れるだろう。状況は良くないが、悪くもない。
互いに数歩下がり間合いを取る。
先に硬直状態を破ったのは執事。
「ペネルス様、シケイレスを呼びましょう。やはり、私ではやや骨が折れます」
戦意を失ったように、直立状態で両手を脱力させた。
オーナーのペネルスはそれを咎めるどころか満足気に呟いた。
「ご苦労だ、ウェム。一枚のエースで二枚のエースを消費させたな」
これまで通り芝居がかった身振りで、下り階段の方へ足を向ける。
このまま続けても勝機がないことを悟ったのか。しかしまだスキルは残っているはず。なぜだ。
「葉風鳥太、上を調べたければ調べればいい。どちらにしろ貴様はこの屋敷を出る前に死ぬのだから」
ペネルスは廊下を数歩歩いたところで立ち止まり、首だけで振り向いた。
その横顔には、吊り上がった唇から鋭い犬歯が覗く。
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俺の疑問の答えを告げたペネルスは鼻で小さく笑い、階段へ姿を消した。
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