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第二章
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熱の籠もった指導を「無意味」と断じられては、リブロンも相手が「百人の天世人」であろうと黙ってはおれず、血相を変えて何事か反論しようとしたが、ハクサンは余裕の笑みを浮かべ、
「今の彼は「天世人(仮)」だよぉ? そんな彼に「中世の天法」を教えて何の意味があるのぉ♪」
「「!」」
衝撃を受ける二人。
目から鱗。
何故に気付けなかったのかと思うほどの、至極まっとうな指摘であった。
ラディッシュが「百人の天世人(仮)」である事はニプルの報告で受けていて知っていた筈なのに、
(入れ込み過ぎて失念していましたわぁあぁぁ!)
内心で、赤面物のリブロン。
しかし「女たらしハクサンの指摘」を素直に受け入れ認めるのは、甚だ癪に障り、
「な、ならぁ「百人の天世人」でもある貴方様が指導致しましたらどうでぇす!」
逆ギレ気味に意見を呈すると、
「男と「朝から晩まで一緒」なんてゴメンさぁ♪」
ハクサンはイケメン風に前髪をたなびかせ、
「例えそれが「ラディ」であってもねぇ♪」
物言いと仕草に、イラッと来るリブロン。
加えて、間違いに気付けなかった自身への怒りも交え、
「何もする気が無いのであれば「成果の出せていない私」と、何ら変わらないではないですか! でしたら、」
相手が一応の「天世人」なだけに丁寧口調で「黙って見ていろ」と釘を刺そうとすると、
「うぅ~ん、そぅだねぇ~」
ハクサンは苦言を遮る様に短く一考。その後、何かをラディッシュに小さく耳打ち、
「え?」
意外そうな顔して驚くと、何を言われたのか、
「それだけ?!」
問い直したが、ハクサンはニコリと笑い、
「キミがいた世界の言葉で言うなら「案ずるより産むが易し」だよ。早速やってみなよぉ♪」
「…………」
表情は正に半信半疑であったが、ラディッシュは訝し気なリブロンを前に深呼吸。
改めて、
≪我がチカラァ! 天世のチカラを以て、≫
その天法は「中世の人々が使う前小節」ではなく、ラミウムが使っていた「天世人の前小節」。
ハクサンが口元に微かな「不敵な笑み」を浮かべた次の瞬間、
「「ッ!!!」」
「「「「「ッ!!!」」」」」
唱えたラディッシュ、傍らのリブロン、そしてその場に居合わせたドロプウォート達のみならず、中世の全世界に衝撃が走った。
無論それは、天法に対して鋭い知覚と能力を有する人々だけではあるが。
ラミウムが全力を出した時以上の、強烈な白き輝きを放つラディッシュ。
本人でさえ驚きと動揺を隠せず、
『えっ、何っ!? ちょ、コレ光り過ぎじゃなぁい!』
見守っていたリブロン、ドロプウォートと教育係の女性、別メニューで修行していたターナップとニプル達が唖然とする中、ハクサンはラディッシュの強烈な輝きに照らされながら、
『素晴らしいぃ! 素晴らしいよ、ラディ! キミは、ぼくぉの想像以上に素晴らしいぃいぃぃ!』
歓喜の雄叫びを上げると、天を見上げて不敵にニヤリ。
(見ているかぁい(元老院の)ジジィどもぉ♪ さぞかし狼狽しているのだろぅ♪)
愉快げな笑顔を歪めた頃、天世の「古代ギリシアを思わせる神殿」の中で、
「コレはぁいったいどう言う事なのじゃァ!」
「アヤツ(ラミウム)のチカラは「消滅した」のではなかったのかァ!」
「謀り(たばかり)おったな若僧(ハクサン)めがァーーーッ!」
「従順が、序列一位になった途端に掌返しとはァ!」
「アレ(ハクサン)はいったい何を考えておるのじゃ!」
猛り狂う元老院の要人たち。
殺意すら感じる眼差しで、
≪我々を軽んじたその思い上がりィ! 必ずや後悔させてやるゥ!≫
百人の天世人であるラミウムとハクサン、そして元老院の御歴歴、両者の間には何があるのか。天世の世界が「一枚岩では無い」と未だ知らぬドロプウォート達がラディッシュの発現したチカラに驚いていたその場に、パストリスの姿だけが無かった。
何故に彼女の姿だけ無いのか。
話は数日前にさかのぼる。
「今の彼は「天世人(仮)」だよぉ? そんな彼に「中世の天法」を教えて何の意味があるのぉ♪」
「「!」」
衝撃を受ける二人。
目から鱗。
何故に気付けなかったのかと思うほどの、至極まっとうな指摘であった。
ラディッシュが「百人の天世人(仮)」である事はニプルの報告で受けていて知っていた筈なのに、
(入れ込み過ぎて失念していましたわぁあぁぁ!)
内心で、赤面物のリブロン。
しかし「女たらしハクサンの指摘」を素直に受け入れ認めるのは、甚だ癪に障り、
「な、ならぁ「百人の天世人」でもある貴方様が指導致しましたらどうでぇす!」
逆ギレ気味に意見を呈すると、
「男と「朝から晩まで一緒」なんてゴメンさぁ♪」
ハクサンはイケメン風に前髪をたなびかせ、
「例えそれが「ラディ」であってもねぇ♪」
物言いと仕草に、イラッと来るリブロン。
加えて、間違いに気付けなかった自身への怒りも交え、
「何もする気が無いのであれば「成果の出せていない私」と、何ら変わらないではないですか! でしたら、」
相手が一応の「天世人」なだけに丁寧口調で「黙って見ていろ」と釘を刺そうとすると、
「うぅ~ん、そぅだねぇ~」
ハクサンは苦言を遮る様に短く一考。その後、何かをラディッシュに小さく耳打ち、
「え?」
意外そうな顔して驚くと、何を言われたのか、
「それだけ?!」
問い直したが、ハクサンはニコリと笑い、
「キミがいた世界の言葉で言うなら「案ずるより産むが易し」だよ。早速やってみなよぉ♪」
「…………」
表情は正に半信半疑であったが、ラディッシュは訝し気なリブロンを前に深呼吸。
改めて、
≪我がチカラァ! 天世のチカラを以て、≫
その天法は「中世の人々が使う前小節」ではなく、ラミウムが使っていた「天世人の前小節」。
ハクサンが口元に微かな「不敵な笑み」を浮かべた次の瞬間、
「「ッ!!!」」
「「「「「ッ!!!」」」」」
唱えたラディッシュ、傍らのリブロン、そしてその場に居合わせたドロプウォート達のみならず、中世の全世界に衝撃が走った。
無論それは、天法に対して鋭い知覚と能力を有する人々だけではあるが。
ラミウムが全力を出した時以上の、強烈な白き輝きを放つラディッシュ。
本人でさえ驚きと動揺を隠せず、
『えっ、何っ!? ちょ、コレ光り過ぎじゃなぁい!』
見守っていたリブロン、ドロプウォートと教育係の女性、別メニューで修行していたターナップとニプル達が唖然とする中、ハクサンはラディッシュの強烈な輝きに照らされながら、
『素晴らしいぃ! 素晴らしいよ、ラディ! キミは、ぼくぉの想像以上に素晴らしいぃいぃぃ!』
歓喜の雄叫びを上げると、天を見上げて不敵にニヤリ。
(見ているかぁい(元老院の)ジジィどもぉ♪ さぞかし狼狽しているのだろぅ♪)
愉快げな笑顔を歪めた頃、天世の「古代ギリシアを思わせる神殿」の中で、
「コレはぁいったいどう言う事なのじゃァ!」
「アヤツ(ラミウム)のチカラは「消滅した」のではなかったのかァ!」
「謀り(たばかり)おったな若僧(ハクサン)めがァーーーッ!」
「従順が、序列一位になった途端に掌返しとはァ!」
「アレ(ハクサン)はいったい何を考えておるのじゃ!」
猛り狂う元老院の要人たち。
殺意すら感じる眼差しで、
≪我々を軽んじたその思い上がりィ! 必ずや後悔させてやるゥ!≫
百人の天世人であるラミウムとハクサン、そして元老院の御歴歴、両者の間には何があるのか。天世の世界が「一枚岩では無い」と未だ知らぬドロプウォート達がラディッシュの発現したチカラに驚いていたその場に、パストリスの姿だけが無かった。
何故に彼女の姿だけ無いのか。
話は数日前にさかのぼる。
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