ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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第八章

8-26

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 日を改めたオエナンサ邸の中庭にて――

 青空の下、
「「「…………」」」
「「「「「「…………」」」」」」
 円卓会議を催す天世の三人と、勇者組。

 しかしそこにラディッシュの姿は無く、議題は当然の如く「彼の今後」について。

 重苦しい空気の、
「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」
 しばしの沈黙の後にリンドウが、

「ラディは、今どうしてるしぃ?」
「私の勧めで、今日は早くから英霊公園に行っていますわ」

 ドロプウォートの報告に彼女は頷き満を持し、

「ヤッパぁ「このままじゃイケナイ」と、アーシは思うしぃ」
「ですが誰にだって「触れて欲しくない事」の一つや二つや三つや四つ、ありましてですわ」

((((((((いくつ、あるんだよ……))))))))

 話の腰を折らない為に、あえて内心でツッコム仲間たちに気付く様子も無く、

「貴方にも、有るのではなくてぇ?」

 ドロプウォートの返しに、

『そんなモノぁアーシに無いしぃ!!!』

 清々しいほどの断言で切り返すリンドウ。
 同胞であるゴゼンとヒレンは「彼女らしい」と思った様子で苦笑する中、ラディッシュを欠いた勇者組の面々は、

「「「「「「・・・」」」」」」

 思わず絶句したが、ドロプウォートは彼女の「呆れるほどの単純さ」に、
「何故に貴方は、そこまで強気で居られますわの?」
 若干の「羨望」も滲ませながら問うと、リンドウは答えの体裁を整えようとする素振りも無しに即答で、

『アーシはぁ』

 何かしらの逸話を口にしようとした。
 しかし、

『えぇ?!』

 明後日の方から、聞き覚えのある驚き声が唐突に上がり、
(((((((((!?)))))))))
 一斉に振り向く、九人。
 視線の先に居たのは、

《ラディッシュ》

 英霊公園に行った筈の彼であった。
 彼を除いて集まって居た議題に、やましい所がある訳では無かったが、

(((((((((…………)))))))))

 流石に少々気マズイ。
 とは言えそれは、期せずして中庭に立ち入ったラディッシュも同じ。
 自分以外のメンバーが勢揃いしている場面を目の当たりに、
(へ、ヘンな時に戻って来ちゃった……)
 後悔しても、今さら逃げも隠れも、まして引っ込みようも無く、

「わ、忘れ物をしちゃってぇ、さ……♪」

 引きつり笑顔でお茶を濁しながら、

「じゃ、じゃあ、そう言う事でぇ♪」

 即時退散を決め込もうとした。
 すると、

『ちぉょっと待つしぃ!』
「?!」

 制止を促したのはリンドウ。
 気マズイ空気の中、彼に「なんと声を掛ければ良い」か、言い訳が見つけられなかったドロプウォート達の一方で。
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